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プロフィール |
コメント数 |
102 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
DVDで昔の作品が出て、入手しやすくなったのは嬉しいですが チャプター分け4つ以下っていうのは勘弁して下さい。
特に、チャプターなしっていうのは犯罪に近いですよ。 |
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1. 十月
本作の成立経緯はあらすじで紹介した通り。10月革命を描いているわけですが、ロシア革命について知識のない人には勧めません。ソ連の国策映画であるという以前の問題で、「ボリシェビキとは?」「メンシェビキとは?」「臨時政府とは?」など、素人に対して説明されることが全くないからです。さらに本作は抽象性を遊戯的に用いていて、芸術性は確かに高いのですが、おかげで画面に登場する何が何を表しているのか、非常にわかりにくくなっています。ロシア史を多少かじった程度では(と自戒を込めて言う)この映画を満喫するなど、とてもとても!レンタルビデオ店において、娯楽として消費されるには正直きびしい映画です。もし名高いエイゼンシュテインの映画を観ようというなら、ずっと有名でしかもわかりやすい『戦艦ポチョムキン』をお勧めします。『十月』は玄人むけだと思います。最後にひとつ。エイゼンシュテインは静から動への展開がものすごく巧い。本作での開閉橋のシーン(ここはわかりやすい)は、『戦艦ポチョムキン』における、「オデッサの階段」に負けない迫力を持っています。[映画館(字幕)] 5点(2004-09-02 21:30:38)
2. 最後の人
あらすじで書きましたように、字幕がなくても設定や物語がよくわかる、非常に完成度の高い作品です。スラップスティック・コメディ(ドタバタ喜劇)ではないことを考えると、これは驚異的なことだと言えましょう。しかし本作で使われている視覚演出は、現在でも当たり前のように見ることが出来るものばかりで、今この映画を改めて観る価値自体は薄くなっている気がします。本作の先見性、歴史的貢献度は疑いようがありませんけれども、そういう面での評価は他の方におまかせして、敢えてこの点数です。ところで、オープニングの音楽は名曲だと思うんですけれど、CDにはなっていないのでしょうか。5点(2004-03-06 17:16:46)
3. つばさ
《ネタバレ》 主人公ジャックはいかにも純真さを象徴しているように見えますが、彼に感情移入する観客は少ないのではないでしょうか。というのも、ジャックの内面からストーリーが語られる場面がほとんどないからです。一途に彼を想うメリーの方がよっぽど好感が持てるでしょう(純情で不器用な田舎娘をクララ・ボウが熱演しています)。ジャックの空への思いは、飛行士(ゲーリー・クーパー)の死を前にして、変化したのでしょうか?戦争についての考えは??主人公は二人いるのですから、彼こそが感情移入の対象にならなくてはいけないのですが・・・。私は途中までそう思っていました。しかし、カメラは意図的に一歩引き、ジャックの幼さを浮き彫りにしていたのです。「青年は大人になって帰ってきた」という一文ですべてが明らかになります。『つばさ』は「純真な青年が、空への憧れを抱き続ける」物語ではなく、「二人の青年の強い友情を描く」物語でもなく、「他愛のない夢を持っていた子供が、戦争という現実に直面し、成長を強いられて帰郷する」物語なのです。ですから、ジャックに苛立って腹を立てるというのは、観客として至極当然の反応であり、その辺に私は、ウェルマン監督のしたたかさを感じるわけです。7点(2004-02-25 22:05:21)
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