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1. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 兄ばっかり愛されて何だよ!…という単なるフテクサレでなく、
母・父・兄・彼女との関係の中で抱く淋しさや悲しみ、嫉妬、苛立ちなど、
複雑な心理を身体全体で表現しているJディーンの演技力が素晴らしい。
しかし、(次のコメントは、お叱りを受けるかも知れないが)
「キャルの人物像は、若干の発達障害があるのでは?」と思えてしまう。
「アイ・アム・サム」ほどじゃないが、ほんの少しだけの発達遅滞。
出兵出来るほどの年齢で「父の愛が感じられない~」と嘆く姿は、
やはり不自然さを感じる。アメリカなら尚更だ。
母の愛を知らずに育ったとしても、父が厳格過ぎたとしても、
それだけで双子の弟がああなるとは思えない。
母の様子を知りたくて尾行と投石、兄と彼女の触れ合いを覗き見る目つき、
嫉妬ゆえ?突然の氷柱投げ捨て、石炭落としの窃盗、
大豆の投機話を鵜呑みにする危うさ…、様々な場面で見せる「微妙な行動」。
当時の米国社会において発達障害は、全く認識されていなかっただろう。
「お前のする事は分からん!悪い子だ」と父が嘆くのも無理は無い。
聖書朗読の際に「第8章~」「数字を省略しろと言ってるだろ!」となるが、
彼は父に反抗しているのではなく、たぶん省略が「出来ない」のだ。
ラストにおいて父から「側にいて看病してくれ」と頼まれた時に見せる彼の安堵も、
若干の障害があると仮定すると妙にしっくり来る。自分の居場所を確定して欲しいのだ。
この作品が、たまたま「そう見える」のではなく「障害を背負っている青年の複雑な葛藤」を
意図して描いたのだとしたら…。1954年に?。
それって、超先進的な傑作・問題作だったという事に…なるかな?。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-02 05:15:19)《改行有》
2. ローマの休日
《ネタバレ》 「不朽の名作」とは、この作品の為にある言葉だろう。
「色褪せる事の無い」も。まあ、もともとセピアだけども。
オードリーの茶目っ気、グレゴリーの品の良さ、
ロマンス、コメディ、冒険…、それら全てのサジ加減が絶妙。
何より、単純なハッピーエンドではないラストが残す余韻が実に素晴らしい。
ラストの記者会見の際、ライター型カメラの秘密をバラすのだが
この時代だからこそ「あら!それで撮ってたのね!もう!」で済む。
超望遠レンズで英王室キャサリン妃のプライバシーを侵害しまくっている
下品な現代においては「ステキなタネ明かし」にならないだろう。
お金になるだろうけどバラさない記者とカメラマン。
ずっと秘密にしましょう…という大人の判断。
洒落た言い回しで「安心して」と伝える彼の優しさ。
パパラッチのクズは、この映画を観て心を洗い直したらどう?。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-02 05:10:00)《改行有》
3. 昼下りの情事
《ネタバレ》 終始「そんなオッサンの何処がいいんやねん!」と思わずにいられない。
ラストも「そんなに可憐に可愛く強がったら…、ああ~やっぱり」と、残念度高過ぎ。
あのまま別れればいいのに。親父も親父だよ。微笑んで見送ってる場合か?。
オッサンと別れて「あたしったら、一時の気の迷いだった。背伸びしちゃってバカね。
パパ、今回の事は勉強になったわ」「次は、いい恋するんじゃぞ」でいいのに。
これって名作なの?。オッサンは、カリオストロのルパンを見習えってんだよ。
耳に残った単語は「thin doll」。おヤセさんって、今でもそう言うのかな…。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-06-20 22:20:37)《改行有》
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