|
1. ラン・ローラ・ラン
音楽を観た。という感じ。
映像の裏に、バック・グラウンド・ミュージック(BGM)があるなら、この映画の場合、バック・グラウンド・ムービー(やっぱりBGM)といった感じ。
随所に流れるジャーマンテクノにもループという奏法があるが、この映画の場合、映像もループしている。MTVあたりで流れるプロモーションビデオの長編を観ている感じか。
とはいえ、両方のテキストをストーリーが上手く纏め上げているように思える。
冒頭のサッカーの掴みの映像が「前奏」・・・その後、「Aメロ・サビ」・「Bメロ・サビ」・・・最後にエンディング(CODA)と、展開までもが終始音楽的構造。
例えば、このストーリーだけをメインに映画を作ったらまったく違ったものになっただろうが、「世にも奇妙な物語」になってしまう。(これが悪いというわけではないけど・・・)音楽メインに作ればやはりミュージカルということになるのだろう。
微妙なところを突いた一発芸的な作品ではあるのだけども、当時映画館で観て、ポップな映像・キャラ・テンポ、アクセントとして記号的に用いられたアニメーション・・・総合芸術という言葉を信じるなら、こういうのもありかなと、心豊かに映画館を後にしてしまった。[映画館(字幕)] 10点(2005-06-11 01:44:22)《改行有》
2. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 僕はこんな風にして、この映画を楽しみました。
この冒険談を夢と現実の二つに分けたのです。
映画冒頭のパーティーシーンと終盤のおもちゃ売場のシーンが現実にあったこととし、その他全てのシーンを虚構として捉えます。
当然、夫婦による鏡の前での愛撫シーンは、現実と虚像が反転するサインとして捉えます。
ベッドの上の仮面も同様です。
すると、冒頭のパーティーシーンと夫の冒険談にはっきりとした対比の構図が現れます。
○中年男性にナンパされる妻への猜疑心――浮気を告白する妻。
○若い女性に囲まれる夫の自負心――愛の告白を受ける夫。
○中退したピアニストの同級生への不信感――不安定な生活を送る同級生。
○金持ち主催者の性癖に対する強迫観念――理解不能な破廉恥パーティの存在。
○「虹のふもと」――「RAINBOW」という名の貸衣装屋
といった具合です。
こういった見方をすると、夫の「全て告白する・・・」の解釈は大きく違ってきてしまうのですが。
まぁ、こういう解釈も出来るかな?――という事で。
10点(2004-03-22 21:58:15)(良:1票) 《改行有》
|