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【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. 西部戦線異状なし(1930) 塹壕戦の様子、病院の状況、銃後の老人たちの好戦的な態度、一時の青年たちの熱狂、などなど第一次大戦の様子を実に目配り良く描き出しています。そして自宅で蝶の標本を伏線として使い、最後のシーンを説得力あるものにしています。反戦の映画としては金字塔といえるものと思いました。・・・・・・・・ただ、ドイツでは徴兵制が敷かれていた筈で、大量動員には予備役を使うだけであり、青年たちが熱狂的に徴募に応じるというのはイギリスの話しではないかと思いましたし、ドイツの軍隊では士官の大半は貴族であり、軍隊全体に身分制の雰囲気が浸透していたはずですから、郵便屋の話しも少し変だなぁと思いました。[DVD(字幕)] 10点(2007-09-23 11:28:22) 3. 瀧の白糸(1933) 白糸の高利貸し殺しは、正当防衛(過剰防衛)だから、無罪とはいわなくとも、死刑ということは、現代ならあり得ない。→それを当時の人たちは、白糸が死刑になるというのを自然に受け止めていたとすれば、女性がいかに抑圧されていたかの一つの証になる。、、、、、、大学をでて、高等文官試験に受かって役人になるというのが、典型的な出世コースであったことがわかる。、、、、、入江たか子が、全盛時代に、どれほど魅力的だったのかがわかる。、、、、、、などなど、資料的な価値は極めて高いと思うのですが、、、、、映画として、今、どれだけ楽しめるかといわれたら、どうなんでしょう。、、、、、「欣さんに会いたい」と白糸が思うと、橋の上で欣さんがねていたり、列車から飛び降りると、知り合いがそば屋をやっていたり、白糸の裁判を欣さんが検事代理として担当することになったり、、、、、今とは、芝居のストーリー展開の文法が随分と違いますね。、、、、総じて、溝口の映画というよりも、入江の映画という印象でした。[DVD(字幕)] 7点(2005-06-17 18:38:43) 4. 残菊物語(1939) 菊之助が、お徳と芝居の話をはじめてする川端のシーン、びっくりしますね。あの川べりをどんどん、どんどん歩いてゆくのに、いつまでたっても途切れないじゃないですか。、、、、、、それに最後の舟入の情景もいいですね。舟の先に菊之助が堂々と立って、最初は、やや上から見ているのだけど、だんだん菊之助をアップにしながら、カメラを下げ、最後は、まるで水面から撮っている感じで、、、、、これどーやって撮ったんだっっ、みたいに。、、、、、それに最後の30分くらいは、お徳がかわいそうで、なんだかもう涙が止まらない感じです。、、、、、、とはいえ、私は個人的には、山椒大夫、雨月、祇園囃子などの50年代の溝口の方が好きです。、、、、というのは、残菊の場合、最後に父親の菊五郎が、お徳はお前の女房だ、といって、菊之助とお徳との関係を認め、許してしまうからです。、、その時、二人の関係は、父=権威=慣習と融和して、めでたし、めでたし、で、社会的な矛盾は隠蔽され、話全体は単なるメロドラマになってしまう。単なる乳母ではないか、身分が違うぞ、というところから、この悲劇ははじまっているのに、そうした社会的な問題が結局、どこかにいってしまうわけです。、、、、、50年代の溝口なら、社会的な矛盾は矛盾として、しっかり提示したままにするはずです。(戦前ということを考えると仕方ないのかもしれませんが)[DVD(字幕)] 9点(2005-06-17 18:18:04)(良:1票)
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