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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. ミッション:15 《ネタバレ》 こんな実験許されるのかなぁ?否、軍だったらやっちゃうのかなぁ?あの「es」を始めとして、ソリッドシチュエーション・スリラー、サイコサスペンスのひとつの形式として最早確立された感のある設定ですね。 3人それぞれに異なる事情。激しい拷問の末、娘への愛ゆえに敵にひれ伏してしまったホワイト、女性と子どもを爆撃してしまったオールズマン、仲間の死傷に重い責任を感じているディエゴ。直接的な説明口調になることなくそれぞれの背景が明かされていく過程が良いですね。死亡フラグの順番としては想定内ですが、密室の中で繰り広げられる心理戦を含めた争いには息が詰まる思いがします。 実際、ここまで大掛かりで尚且つ非道な実験があるのかどうかとか、ホワイトの脱出劇があまりに超人的だとか、些か非現実感が伴わないこともありませんが、ラストの後日談のアナログ風画質がそれを忘れさせてくれる良い意味での場違い的ハッピーエンド感を与えてくれます。 似通った作品が数多ある中、おそらくは(てか間違いなく)比較的低予算の本作。あくまでもエンタメ作品としてですが、見応えのある面白さでした。[インターネット(字幕)] 7点(2025-07-19 10:49:31) 3. 秋の午後 《ネタバレ》 小津監督の「秋刀魚の味」をモチーフにしているということですが、婚期を逃しかけている独身女性の結婚とか結婚観についての物語というところ以外は特に共通項はないような?否、そこが本作のテーマなのでしょうからモチーフになっていることは間違いないのでしょうね。 法事の席で結婚についてのプレッシャーに晒され、場違いな日本文学専門の古書店で、店主に対して写真多めの料理本を売れとゴネるヒロインの姿には、何かしら社会の縮図的な意味合いが持たされているのかな?などと思えたりもしました。が、独身同士の二人の未来を暗示しつつ暖かな雰囲気の中で終了する物語は、あまり重く受け止めるべきではないのかもしれません。 なので、難しく考えすにシンプルにラブコメ的に受け入れて(観方としては軽過ぎかも知れませんが)、迷いつつも6点寄りの5点献上です。[インターネット(邦画)] 5点(2025-07-17 22:32:42) 4. 冬の蝶 《ネタバレ》 自然に囲まれた山奥の風景。聞こえるのは川のせせらぎや木々を吹き抜ける風の音。静かに流れる時間。ヒロインの脳裏に蘇る幼き日に兄と見た不思議な蝶の思い出。老い先短い祖母の口から語られる蝶の幻。更には兄が見つけてくれた蝶の亡骸。そして、再び都会に戻るヒロインの行方を遮る鹿の亡骸。 豊かな自然に囲まれた山村には、そこで生きる命もあれば当然死んでいく命もある。すべてを包み育みそして見守る大いなる自然。生き生きとした若い命のヒロイン。命を全うした蝶や鹿。そして今まさに死の淵に進みかけている祖母。直接的に語りかけて来るようなテーマ性は正直あまり感じられませんでしたが、静かにゆっくりと伝わって来るものがありました。クルマを降り、鹿の亡骸を路肩に除けるヒロインの姿が印象的。それは優しさなのか、自らの生きる道を求める姿なのか。後味の良い、居心地の良い作品でした。[インターネット(邦画)] 7点(2025-07-17 20:21:40) 5. 素晴らしき、きのこの世界 《ネタバレ》 見応えありのドキュメンタリーですね。ナショジオの作家さんだけあってビジュアル面は申し分なし。内容的にもキノコについて知らなかったことが満載ですので、始終興味津々で楽しめました。 強いて言わせていただくならば、後半から終盤にかけてキノコの薬効や幻覚作用について重点が置かれ、個人的にはスピリチュアルな雰囲気を感じてしまったことで少しテンションが下がってしまったのが気になったかなと。ま、あくまでも個人的な趣味嗜好の範疇ですが。 とは言え、尺も程よく楽しくタメになる1本。良い刺激になりました。[インターネット(字幕)] 7点(2025-07-13 15:13:08)《改行有》 6. 栗の森のものがたり 《ネタバレ》 絵画のような美しく寂し気な森の風景。既に社会から忘れ去られたかのような土地に暮らす人々。時折映し出される華やいだ景色とそれを彩る音楽との対比。 決して大昔のお話でもないのに、まさにお伽噺、或いは昔話・寓話。重いです。けれども決して悲しみに圧し潰されるような話でもない。寧ろ心温まるお話のようにも思えます。 不確かながらも夫の消息を追い、マリオの好意に甘えつつ栗の森を離れてオーストラリアの地を目指したマルタは幸せな人生を送れたのでしょうか?全てを失いこの地に骨を埋めたマリオは安らかな眠りにつくことが出来たのでしょうか? ある意味特別な土地で起きた特別なお話。されど、その時代、その地であれば決して特別でもなかったかもしれないお話。今の時代の日本で生きる自分にとってはリアルに受け止め切れない物語ではありましたが、生きるということについて少なからず考えさせられた佳作でした。 決して華やかな色彩ではないにも関わらず、兎にも角にも美しいスクリーンに加点です。[インターネット(字幕)] 7点(2025-07-12 18:46:32)《改行有》 7. なんで僕だけ 《ネタバレ》 小学生ぐらいの友だち関係アルアルなお話。仲良し四人組かと思いきや、4年生ともなれば個性も自己主張もそれぞれ。当然、さっきまで仲よく遊んでいたかと思えば、ふとしたきっかけで大喧嘩とか仲間外れとかが勃発、なんてことは日常茶飯事です。そんな日々だから学びもあるし成長もするし、些かくすぐったい言い方ですが友情だって育まれる訳ですね。子どもたちの心の成長を描いた作品は、勿論既に有名無名多々ある訳ですから、このテーマでの短編作品は結構ハードルが高かったのではないかと。 本作は少年の一人が所謂問題児。ここで表現されている内容だけでは問題を起こす背景については解り得ませんが、おそらくは彼自身か家庭環境かに何かしらの問題があるのでしょう。そしてそれを支えてくれているのが日々友だちと過ごしている大切な時間。おそらく3人は彼のことを漠然と理解していて、だからこそ付かず離れずの関係性を保っているように思えます。大人だったらこうはいかないのではないかと。子どもと大人の残酷性は全く異なる訳で。 短編作品ならではの、説明的になり過ぎない中から作品テーマがじわっと浮かんで来る良作でした。[インターネット(邦画)] 6点(2025-07-12 11:51:01)《改行有》 8. 老ナルキソス(2017) 《ネタバレ》 長編化作品については未見です。 短編作故に主人公の過去については推測することしか出来ませんが、おそらくはゲイについての理解は勿論、多様性について世間が殆ど振り向かなかった時代を生きて来た男性。今に至るまでも、誰にも言えない苦しみを抱えて来たことと思います。 そして現在。それでは誰もが彼のことを真に理解してくれるのかと言えば、そんなことはないのでしょう。今も彼は日々苦しみ、表向きの自己表現の手立てとしての絵本作家活動もままならない状況。しかも、その原因は世間の理解という外的要因ばかりではなく、寧ろ「老い」というものに直面した自分自身の内的要因が優って来ているようです。 そんな中、若いレオと出会ったことでより一層の苦しみを味わう主人公。外見は自分とは全く比較にならないほどに美しく、内面では自分を全く理解し得ない世代間のギャップ。自虐的にホームレスのような男をカネで買い、ある意味予想通りに手酷い仕打ちを受けてしまう主人公。 しかし、レオも若いなりに苦しみを背負って生きており、とりわけ父親のことを知らないで生きて来た彼にとって、主人公の苦しみに対しては理解出来ないまでも単なる同情心ではないある種のシンパシーが芽生えたようです。 ラストシーン。去り行くレオの後ろ姿にシャドーバッティングする主人公の笑顔には、私の理解力が足りないのか少々不可解な後味がありましたが(スッキリし過ぎじゃない?)、20分余りの短い尺にテーマが程良く凝縮された佳作であると思います。[インターネット(邦画)] 7点(2025-07-12 11:33:24)《改行有》 9. SKIN 短編 《ネタバレ》 観ていて重い空気に包まれざるを得ない展開。まだまだ根強く米国社会に残っているのであろう差別主義。そして、ここで描かれているジェフリーのような人間は、家族や友人、ひいては国家を愛する(あるいは愛していると思い込んでいる)が故に、その意識に導かれるがままに行動し、躊躇うことなく暴力を振るってしまうのでしょう。 幼い愛息にライフル射撃を教えるジェフリーは、家族思いの良き父親なのかもしれません。が、ライフルの照準の向こう側にあるものは紛れもない差別の対象者たち。差別意識を幼年期から植え付けられているトロイには両親の教えや行為は絶対であり、彼にとって差別の対象に照準器を当てることは極めて自然な行動だったに違いありません。 ジェフリーの悲劇は本作を観る限りにおいては自ら招いた悲劇。しかし、より長いスパンでジェフリーという人物を眺めた場合、彼もまた差別意識を幼少期から刷り込まれていた一人に過ぎないのかも。彼の妻子はこの悲劇を受け止め切れるのか。出来るとしてもどう受け止めるのか。それは復讐心という意識に転じて更なる悲劇の連鎖の起点となって行くのか。とりわけトロイの心の崩壊が懸念されます。 対する黒人側にしても、白人を拉致し昏睡状態にして墨を入れるという異常な行動のすべてを目撃した少年は、この先一体何を考えて生きて行くのか。この連鎖はシンプルな1本の鎖ではなく、複雑に絡み合った鎖になって行くのか。全て氷解する日が来るとしても、まだまだ遠い未来のように思えてなりません。[インターネット(字幕)] 8点(2025-07-09 00:28:42)《改行有》 10. ファンタズム(2014)<OV> 《ネタバレ》 少し勿体ないかな?と思えた作品です。物語自体は斬新であったり奇抜であったりはしないものの、安定感を感じることの出来る出来映え。なのに音声が悪過ぎ。音量も音質もです。もう少し整音とか出来なかったものでしょうか?台詞が聞き辛いことこの上なし。また、意図的なジャンプスケアなのか効果音のボリュームが声に比してデカ過ぎてボリューム調整しながら観賞しました。 それと少々雑と言うか適当と言うか、そんな演出がいくつか見受けられたことも気になりました。役者さんたちの演技に依るところもありそうですが、低予算故のセットのチープさとかもあるのかも。気になり出すとついついツッコミたくもなるものでして、観ながら「おいおい」「それ違うだろ」みたいに声に出てしまいました。 先に文句じみたことを言ってしまいましたが、話としてはホラーよりも家族ドラマに寄っていて、恐さよりもラストの悲しさの方が引き立っているように思えます。感涙レベルではないにしても、自分の過ちの重さ?に気付いてしまった父親の哀しみが余韻として残りました。 そう考えると、冒頭の学生失踪案件は要らなかったかも。続くシーンとのギャップを観客に感じさせる必要はないでしょうし。良い部分とよろしくない部分が混在する作品。総じてみれば平均的と言ったところでしょうか。[インターネット(邦画)] 5点(2025-07-05 23:39:06)《改行有》 11. スノウマゲドン<TVM> 《ネタバレ》 「スノウマゲドン」→「SNOWMAGEDON」!なんとB級作品アルアルな邦題かと思いきや原題のまんまとは?!Z級サメ映画のようなタイトルに取り合えず一発食らって観賞開始です。 正体不明のクリスマスプレゼントを開けると(開けるか普通?)中から謎めいたスノードーム。ゼンマイ巻くとドームの中の町並みに異変が。そして、それはまんま実際の町の異変に。この辺までは結構いい感じだったんですけどね。あとは(CGのチープさは止む無しとして目を瞑るとして)もうグダグダ。んな訳ないだろ!の連発。 だいたいからして人の命を何だと思ってるの?友人知人が死んでもケロッとしてるのは何なの?行方不明のままのメアリーちゃんなんて誰も気にしてないし。愛犬が帰って来て目出度し目出度し? ツッコミどころがあり過ぎて、最終的には見ているコチラも「ま、いいか」という気分になってしまいました。モチーフになっている?ボードゲームは有名なんでしょうか?「ジュマンジ」を彷彿させるシチュエーションはキライではないのですが、何にしてもグダグダ過ぎの1本でした。[インターネット(字幕)] 3点(2025-06-26 18:02:27)《改行有》 12. サイレント・スクリームズ 《ネタバレ》 劇中劇のスタイルで描くオムニバスのショートホラー集ですね。舞台劇→映像作品→舞台劇、最後の最後は現実→舞台劇という演出は好みでした。 トワイライトゾーン風とも言えそうな個々のショートホラーはバラエティ豊か。いずれの作品も思いのほか楽しませてくれました。舞台劇としても見せてくれたら、その対比が面白かったかも。もっともそれじゃ長尺過ぎかも。入りと出だけで十分ですね。 そして、メインのマックスとジェナの物語もまた舞台劇の一部のようで。謎の男が仕掛け人?もしくは定番の悪魔?他の観客は帰ったんじゃなくて取り込まれたとか?で結局、二人は舞台劇に取り込まれちゃうとか?少しばかり投げっぱなしの感はありますがエンディングも謎めいていて好感。観終えてみれば、正直なところ低予算感タップリの作品ながら、意外なほど満足感の残る佳作でした。[インターネット(字幕)] 7点(2025-06-24 11:49:09)《改行有》 13. 陳腐な男 《ネタバレ》 タイトルから始まって全編通じてスタイリッシュなタッチのアニメですね。理由は知らないのですが使用言語は英語。基本、日本語字幕というのはあまり見かけないような? 物語的にはオーソドックスな近未来SF。少子化とかで働き手が減る→ロボットが代わりに労働力に→人間がロボットに仕事を奪われる→ロボットに対する反感が増す→ロボットが駆逐される。そんな流れですね。本作の場合は、代用労働力としてのロボットを開発したのが子どもを産めない体質の女性であり、母親の気持ちで育て上げたロボットたちが無残に殺されていくことで廃棄責任者に恨みを募らせたものの、いざ復讐という段階で冷酷無比と思っていた相手が普通に働いている人間だったことを知って心が折れてしまう、いうところがポイントですね。 ビジュアルに惹かれたこともあって興味深く観賞出来ました。ただ、廃棄責任者を「陳腐」と断じる理由が今一つ見えて来ないです。「普通の」じゃなくて「陳腐な」としていることで、見下してるイメージになっているような?開発者の複雑な事情と心情からして、自らの子どものようなロボットを廃棄する男を蔑んでいるということでしょうか?個人的には、敢えて「陳腐」としない方が良かったように思えるところです。強過ぎるかも。 冒頭のカットは生き残っていたロボットが当局に射殺されるところなのでしょう。開発者と生き残った少女型の男性的ロボットが成長している姿?では一緒にいる女性は誰?そこから始まる回顧録は誰の記憶?すいません、理解力不足なのか解らず仕舞いでした。タイトルに?という点も含めての減点理由です。[インターネット(邦画)] 4点(2025-06-13 13:18:59)《改行有》 14. ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー 《ネタバレ》 呪いの絵画とでも言いましょうか、魔力を秘めた絵画が関わる人々に悲劇を齎す、というプロットの作品は数多くあるように思えます。謂わば、洋の東西を問わず怪談噺の定番といったところですね。 本作はまさにそんな物語。赤黒い顔料は作者の血液、なんてのも一つの定番ですね。見ていると絵が動く、絵から何かが出て来る、これも定番。描かれた絵とは直接関係ない物まで操るなんて言うのは飛び道具?否、魔力ということになれば何でもありですから、それもまた定番的ですね。要は、ホラーとしては極めてオーソドックスです。意外性は殆どなく、立つべき人物にきっちり死亡フラグが立ち、予想通りにお亡くなりという図式です。 ただし、呪われた絵の作者の非業の人生はサラっと紹介されますが、何故に彼の描いた絵が呪われているのかは明示されません。そこそこの尺の作品なのでそこはもう少し掘り下げて欲しかったところです。書いた本人も断捨離中で大家さんに全て廃棄してくれとを言い遺していたということなので、何かしらの呪いを掛けていたことは間違いない訳ですし、父親を惨殺してさえも晴らせなかった幼少期の恨みつらみだけなのか?それともそれを上回るほどの何かがあったのか?これほどの魔力を発揮するのですから何かありそうなものです。 出演者が充実しているということもあって決して面白くない訳ではありません。楽しめなかったと言えばウソになります。ただ、もう一歩詰めが欲しかったと言うか、度肝を抜かれるような展開が欲しかったところです。残念。 ちなみに原題も邦題も何だかな~という感じ。原題じゃあまりに解りにくいから邦題はサブタイトルを追加したのかも知れませんが、ちょっとストレートというか説明的というかシックリ来ない感じがします。だったら原題そのままのほうが良いような気がしないでもなく…。[インターネット(字幕)] 5点(2025-06-10 17:37:44)《改行有》 15. クリープ2 《ネタバレ》 前作の後味の悪さを越えられるのか?という観点で観始めましたが、単に繰り返しではなく「もうこれで打ち止めだからね!」というスタンスが感じられました。 平たく言えば、前作は主人公(前作では名前が違ってたような?)の異常性がいつ発現するのか?どう発現するのか?という流れだったのが、今作では始めっから異常性大暴露。初対面のヒロインに、何ひとつ隠そうともせずに自らが凶悪で異常な殺人者であることをひけらかすアーロン。内面だけじゃなくて「男女の垣根を取り払うには全てを見せることが必要!」みたいに宣言してモザイクもボカシもなしにイキナリ全裸公開とはビックリ。(「次は私の番?」と応えるサラも全裸?かと思いきや胸チラ見せでストップというのは肩透かしでしたがw) 始めっから殺人鬼であることを晒しておいてこの後どうするの?サラのことは24時間は殺さないと宣言するし。と思って見ていたら、そもそもサラも相当イカレてる訳で、なんと言っても殺人鬼がボク殺人鬼、イヤならお金持って帰ってね、と宣言してるのに逃げないんだから正常な判断力は消え失せてます。 結局、結構普通な展開(異常ではありますが)でホラーアルアル的にラストを迎えます。スタートダッシュは凄まじかったけれどやや減速気味に終えた感じ。 ラスト、街中を闊歩するサラはどう考えてもアーロンの遺志を引き継いでいるようですね。やっぱ始めから変だったけどそれが表面化したみたいな。まさかサラがヒロインの「3」はないのでしょうけれど、前作に比べれば胸クソ度は少し下がり気味の1本でした。[インターネット(字幕)] 5点(2025-06-08 17:45:12)《改行有》 16. 審判(2019) 《ネタバレ》 男子学生が偽AIロボットだったというあたりで、もしかしたら?と想像はつきましたが、単に種明かしだけで終わらせずラストの皮肉たっぷりのキメ台詞が良かったですね。社会への警鐘という程に大袈裟ではないところに好感が持てました。 AIの進歩が指し示す将来の社会を、数多ある大作とは異なる視点でミニマムに作り上げた作品。面接官のちょっとスベり過ぎじゃないかという感じのコメディ演出は余計だったかも知れませんね。そこが残念ではあるものの、短編としての起承転結は楽しむことが出来た1本でした。[インターネット(邦画)] 6点(2025-06-08 17:26:16)《改行有》 17. ハウス・オブ・VHS 《ネタバレ》 いきなりドアップで登場する女性ブロガーの語り口と、本編突入後のホームビデオ感たっぷりの画質からして何やらイヤな予感。てか、もとよりB級ホラー見たさに観賞してるのですから期待通りと言うことかも知れませんが。 6か国代表?の学生たちが廃屋(中身が綺麗すぎて廃屋感ゼロ)に忍び込んでバケーションと言う設定なんですが、ライフラインがストップしていて人里離れた場所に一週間滞在ってあり得ないでしょ。おねーさんたち到着早々ドライヤーが使えないとか風呂に入れないとか文句タラタラだし。だったら来るなよ、なんですが帰らないし。 兎に角登場人物の誰にも感情移入不能。強いて言うなら最後まで残ってた落ち着いた雰囲気のおねーさんが唯一比較的マトモかも知れないけど結局お亡くなり。 その反面、ビデオを複数見ると新しいビデオが1本生まれるというアイディアだけは斬新。元ネタとなる映画の数々(Wikiによると10本です)も魅力的。ちょいちょい挿し込まれるサービスカットも良いですね。 呪われたビデオとビデオデッキのイワク因縁とか由来とかに全く触れないことはイイんですが、イマイチ折角の設定が生かされていないのが残念。B級ホラーとしての良さをもっと生かして欲しかった作品でした。[インターネット(字幕)] 3点(2025-06-03 12:05:07)《改行有》 18. トゥルボウ 《ネタバレ》 結局「トゥルボウ」って何だったんだろう?否、正確には「トゥル」かな?「トゥル坊」なのかな? 一見水中の動物(何類というか失念)のようでいて土中に生息。しかも金属音で土柱化してせり上がる?と言うことは本体は太くて長いとか?パーツを刈り取ってるとか?謎。 テーマ性云々と言うより、メインの物体のビジュアルで意表を突く感じの作品に思えました。この監督さんの他作でも感じたことです。てか残念ながらテーマがイマイチ解らんです。 主人公の陰鬱な雰囲気(そりゃ仕事見つからんかも)から何とはなしに見えて来る将来。「トゥルボウ」が少しでも明るい未来に導いてくれるのか?おじさんとの出逢いで彼の未来が開かれていくのか?やっぱり解らんです。 食べたくはなりませんが、エンドロールのお洒落な感じが良かったです。やっぱビジュアル主体の作品に思えてしまいますけれど、そこに+1です。[インターネット(邦画)] 5点(2025-06-03 09:30:58)(良:1票) 《改行有》 19. 世界の果てという名の家 《ネタバレ》 思いっきりネタバレしてしまうと、SFではない、とも言えそうな気が。男の見る世界はVRの世界。現状でも実現出来そうな世界。成長した息子の姿だって徹底的に情報収集すれば、現在の技術でも実現可能なんじゃないかと。要はどこまで主人公についてリサーチ出来るかってことのような気が。息子と触れ合う触覚だって実現出来そう。 とは言え、僅か10分余りの尺でアイディア一発(失礼!)で撮り上げたところは賞賛すべきじゃないかと思います。この物語を長尺化して魅力的に制作出来るかと言うと難しいかも知れませんが、短編作品としては十分楽しめました。 強いて個人的に言えば、イマイチ納得出来ないのは招かねざる客である息子を殺害した犯人への対応。逃げてる場合じゃないでしょ。徹底的に復讐すべきでは?などと思ってしまうのは無粋なだけかなぁ? ラストの男泣きは何だったのでしょう?復讐出来なかった自分の情けなさ?世界の果てと言う名の家への出禁になってしまった、つまりは息子に会えなくなってしまったことへの絶望?うん、やっぱりもう少し尺延ばして語って欲しかったような気もします。[インターネット(邦画)] 6点(2025-06-01 18:13:53)《改行有》 20. エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 美しいヒロイン(?)、巧みな映像処理、哲学性を感じさせる会話の数々…魅力的な要素に満ちた作品ですね。序盤はイマイチといったご意見も多いようですが、私は全編通じて楽しむことが出来ました。 ただ、オリジナリティ溢れる優れたSF作品かと言うと、正直なところ奇抜なアイディアがある訳でもなく、寧ろ近未来AI関連SFアルアルといった物語に思えました。ドンデン返し的な結末にも特に意外性はないというか、やっぱりそうなるかな?といった感じでした、 何人かの方のご指摘にもあるように、セキュリティシステムの杜撰さを始め、細部の設定やら展開に物足りなさや非現実的な部分があったりと、魅力的な面と不満を感じざるを得ない面が混在しているチグハグさを感じてしまいました。 総じて言えば、面白いには面白いけれど不満点も多いといったところ。プラスマイナスいろいろあって平均的な評価にさせていただきます。 ラストの影の表現は印象的でした。けれど、エヴァの動力源はどうなっているのでしょう?街に出て暮らす能力はあるにせよ、物理的に動けなくなるのではないかと心配したりするのは無粋ですね。[インターネット(字幕)] 5点(2025-05-30 22:22:03)(良:1票) 《改行有》
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