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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. クリムゾン・タイド 一歩間違うとセガール系のトンデモ設定のアクションになりそうだが余計な蛇足はせずなんとか冷戦時代の戦争サスペンスにおさめた。アメリカ人が好きそうなマッチョ対インテリの典型的プロットで少し引いてしまい1点減点だが、面白さは折り紙付きで、潜水艦という閉鎖された空間の中で核戦争一歩手前の緊張感と内部の心理サスペンスを描いた傑作と言っていいだろう。[DVD(字幕)] 7点(2012-09-06 08:43:45) 2. ナッシング・トゥ・ルーズ 80年代に流行ったロードムービー風コメディ。名優ティム・ロビンスとマシンガントークの黒人マーティン・ローレンスのコンビはラッシュアワーのジャッキー・チェンとクリス・タッカー、あるいはショウ・タイムのロバート・デニーロとエディ・マーフィのコンビのようにこの手の映画の鉄板パターン。脚本自体も悪く無いが、情けないサラリーマン役としては大柄すぎ、またアクション俳優でもコメディ俳優でもないティムは本質的にこういう動きのあるコメディは合わず、どうも監督からジム・キャリーのイメージが抜け切っていなかったのではと思わされる違和感のある部分もある。ジム・キャリー、あるいはトム・ハンクスやジョージ・クルーニーならさらにハマってたと思うけどなぁ。ともあれ全体的には良質にまとまっておりキャスティングのみで大幅減点もできないかと言ったところ[DVD(字幕)] 6点(2012-05-08 07:07:52) 3. フル・モンティ イギリスの「労働者文化」が生んだストーリーと言えるか。これぞ傑作というまとまりこそ無いが「順番待ちダンス」やらしいフットボールジョークの数々など笑える小ネタは随所に散りばめられておりコメディとしては佳作。貧乏だがアホな仲間に囲まれて、フットボールと酒を楽しんで、日本の企業戦士より幸せそうに見えるのは気のせいか[DVD(字幕)] 7点(2012-04-29 11:46:56) 4. ブレーキ・ダウン 途中まで単なる『激突』のパクリだと思ってたが、途中からまさかの怒涛の展開になり、最後はダイハードに。ほんとについていけないほどノンストップでバカバカしいけど面白い。こんないろんなもんパクって寄せ集めたようなB級映画ですらこのレベルの出来になるからアメリカ映画は凄いw[DVD(字幕)] 7点(2012-04-24 00:54:00)(笑:1票) 5. 完全なる飼育 本来心理サスペンスであるべきだが多くがはしょられてしまった怒涛の展開に若干拍子抜け。ただし脚本よりキャスティングの妙、、、これがAVコーナーにあったのだとすれば満点に近い[DVD(邦画)] 6点(2012-04-21 06:41:56) 6. リング(1998) 日本の俗な怪奇伝説を寄せ集め盛り込んだジャパニーズホラーの金字塔的作品。子供時代、男女が集まると怪奇話をしたように、くだらないが楽しい。どこかで聴いたことのある怪談で構成されているのは正解で、今となってはユーレイなんてくだらないという人間でも、幼少期、得体の知れないものは何でも恐れていた頃を呼び覚まされるかのように何故か鳥肌がたつ。JPOP、ポケモン、FF、たまごっち…90年代後半全盛を迎えていた日本のポップカルチャー、これもその中のひとつと言えるだろう。本当にこういう世界的に見ても独自性が合って、興味が無い人ですら知ってるような、皆で共有できるようなものが無くなったなあ・・・[DVD(字幕)] 8点(2012-04-21 06:19:58) 7. エド・ウッド 自分の愛する物を独自の世界観でパロディ化することが十八番のティム・バートン渾身の作品。彼のようなB級映画を愛する人間は、何も映画を面白いと思って見てるというより「なぜこんなものができてしまったのか」それを作ってしまった人間の人となりやそんなものをこの世に生んでしまうに至った過程を愛してしまうのであろう。エド・ウッドに対する愛情がヒシヒシと伝わってくる。伝記モノとしてはもう少し実話性を重視してほしかった感はあるけどね。[DVD(字幕)] 6点(2012-04-21 05:58:32) 8. デーヴ 王子と乞食、ふたりのロッテ、影武者・・・どのようにでも脚色できる魅力的なモチーフをホワイトハウスを舞台に料理。無駄に(?)金をかけて忠実に再現されたホワイトハウスや本人役で出てくる意外な著名人の数々などで適度なリアリティを保ちつつ、政治的なスリラー要素にセンスのあるウィットとラブロマンスの味付け。まさにモチーフを生かしきった傑作。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-18 07:03:27) 9. ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 スポ根ものといえばスポ根ものだがそれよりも人間の生き方を描いたドラマともいえる。実話モノだけあって派手な脚色や派手な成功もありませんが、スポーツそのもので大成功するよりもそのプロセス、信念と努力、そしてそれにより周囲に認められる、あるいは完全に実力主義の世界にいながらそれを認め犠牲を厭わない周囲の良心。アメフトの世界であれ以上の成功を収めるのは彼の身体能力では不可能に近いだろう。しかし彼はそのプロセスにおいて、人生では成功していると言えるのだ。スポーツものとしてではなくドラマとしていい作品。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-13 06:31:45)(良:1票) 10. コンタクト 原作者がホンマモンの天文学者だけあってSF部分の出来は珠玉モノ。話のおさめどころに釈然としないのが残念だが、宇宙への夢を感じさせられる良いSF作品。エリーは原作者の分身なのだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2012-04-12 15:25:11) 11. アウトブレイク 典型的SFパニックだが攻めてくるのは宇宙人ではなくウィルスで主人公もウィリスじゃなくてホフマン。少しの変更でここまで変わるもんである。ウィルスの脅威に関してはしっかりと考証してあるようでSFとしての陳腐さも感じない。むしろその脅威がアクションシークエンスの大味さを優れたエンターテイメントに昇華している。後年のコンテイジョンも静的でいいスリラーだったが、動のこっちもいいね。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-12 15:16:08) 12. アポロ13 脚色を最小限に抑え再現に拘った、宇宙を舞台にしながらサイエンスフィクションというジャンルには含まれない稀有のノンフィクションモノの傑作。実在のモデルとなった人物達が揃って大満足と言った顔で制作ドキュメンタリーに登場する辺りその信憑性はうかがえる。実際の映像や音声と映画の映像やセリフを重ねても相違が無い部分が多く再現VTRの様相を呈している。それにも関わらずここまで娯楽映画としての完成度が高いというのは宇宙という神秘さと早大さに満ちた舞台の表れで、その宇宙に果敢にも挑み続けるNASAの関係者には敬意を示したい。[DVD(字幕)] 8点(2012-04-10 18:20:06) 13. フラッシュバック(1990) 叫ぶシーンのみジャック・バウアーの片鱗を見せるキーファーは見所。しかしいくらなんでもミッドナイトランすぎる。しかもおちゃらけヒッピー。それにしてもヒッピーというのは不愉快な連中である。[DVD(字幕)] 1点(2012-04-09 07:01:30) 14. 告発 ケビン・ベーコンが相変わらず芝居がかっており刑務所モノとしては他の同種作品ほどではない。しかし何より弁護士の斬新な弁護の展開とその根底にある理念と信念は見もので、実話がベースということも相まって法廷モノの傑作の1つの優れた作品にまで昇華している。内容は重いが非常に考えさせられ、なおかつ見た後には心が洗われたようにスカっとする作品。[DVD(字幕)] 8点(2012-03-28 23:54:22) 15. ザ・プレイヤー ハリウッドの内情をサスペンス風味の「映画」を通しながらシニカルに描く少し変わった映画。その信憑性はあまりにも豪華なカメオ出演の人々の数々が裏づけしてくれるが、ストーリーに凝りすぎてややこしかったり、あまりにもシニカルすぎたりと少し退屈する部分があるのは減点か。面白いんだけど評価が難しい作品だね[DVD(字幕)] 6点(2012-03-24 17:12:26) 16. ミラーズ・クロッシング ギャング映画というよりはサスペンスありきで舞台がたまたまギャングだったという所か。よくダシール・ハメットの影響が指摘されるが、ハメット直接というよりも同じくハメットの影響下にある黒澤明の『用心棒』に影響されてる気がしてならない。コーエン兄弟らしいコメディタッチのハードボイルドだが、ギャングを選んでしまったのは逆にクライムが軽く見えすぎてしまって失敗な印象。登場人物やストーリーテリングの描写が分かりにくく、かと思えば説明臭く蛇足的な場面があったりとバランスが悪い。独自の美学をはじめ非凡なものはひしひしと感じるものの無理やりサスペンス風味でファーゴのようにズバリハマる作品以外では舞台を扱いきれず味が薄まってしまういつものコーエン兄弟ですな。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-24 09:40:08) 17. ラヂオの時間 三谷のコメディは必然性の無い小ネタいわば笑いのための笑いも多いのだが、これはテレビドラマの脚本を担当した時に次々と脚本を書き換えられたという自身の体験に基づいている。それをラヂオという限られた予算と、逆に大きな自由度を持つ媒体に舞台を移し脱線したら止まらないノンストップのドタバタ劇をシニカルにまとめ上げた風刺ドラマの傑作。時に下手を打つ三谷もこの作品ではいい所が出ており、独特のゆる~い笑いも映えています。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-12 12:11:47) 18. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 才能は神からの授かりものだと考えるアメリカらしいサクセスストーリー。良い話ではあるけれど個人的には価値観のズレによる違和感が払拭できなかった。そういう点では、いかにも日本人的な価値観なのであろうが苦労や努力が絡むビューティフルマインドやルディのような話のほうが好きだな。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-12 11:57:26) 19. ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ まあ言うだけならタダですからね。ってマメットの脚本自体は面白かったんだろうが、こういう物は映像化すると地味さとうさんくささが増してしまうので失敗じゃあ…ブラックコメディに留まっていれば評価も違っただろうが、クリントンスキャンダルなどで中途半端に真実になってしまったことも風刺作品としては痛手である。スリーパーズに続き夢の共演なデニーロとホフマン、まさかのちにあんなコメディ映画であんな再共演を果たすとはアルバニア人もビックリである[DVD(字幕)] 6点(2012-03-12 09:10:40) 20. エイリアン3 パニックアクションの完成形的作品だった前作からは一転、再びSFに。シリーズの中では最もSF臭さがあり破綻が少なく納得して見られる。一連のシリーズの完結編としてかなり良好な作品。せっかく綺麗に収まったというのに、4は無かったことにしたほうがいいのではないか…[DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 05:29:40)
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