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1.  アイの歌声を聴かせて テーマ自体は手垢の付いたようなものだし、大企業のイヤな大人VS高校生という構図もありきたりに感じられる。 試験用AIロボットのシオンがとにかく明るくて何故か主人公のサトミを幸せにする為にやって来たというのが謎でベールに包まれている為興味をそそられるし面白いポイントであった。 かなり強引な展開は多いもののシオンがひたすら歌って踊りまくる前半のミュージカル調な所はその勢いにやられた。歌いながら教室からグラウンドに移動しカメラがバーン!と空に翻るシーンとか、風車と太陽光パネルをバックにド派手に決めるシーンとかあざと過ぎて最高だった。一転して後半はシリアスな展開で高校生だけではどうにもならないような絶望な状況からどう立ち向かって行くのかという所がハラハラさせられて面白かったし、全てが明かされるにつれて感動させられた。 「秘密はね、最後に明かされるんだよ」byシオン また、シオンの声を演じた土屋太鳳が凄いハマっていて良かったし、歌唱力も素晴らしかった![映画館(邦画)] 7点(2021-11-07 14:49:20)《改行有》

2.  ひらいて 《ネタバレ》 好きな人に近付く為には手段を選ばない。目的遂行の為には何をしても許されると思っている超自己中心的肉食系女子。 それがこの物語の主人公、木村愛だ。 好きな男の子に付き合っている彼女が居ればフツーあきらめません? しかし、愛ちゃんは全く引き下がらないばかりか、好きな男の子の机やロッカーを漁る為には夜の学校に忍び込む事も厭わない、正に行動力の化身。 かくして愛ちゃんは好きな人(たとえ君)のロッカーからある手紙を見つけてそれを持って帰ってしまう。それは実はたとえ君に宛てた美雪という人物からの恋文であった。 いてもたっても居られなくなった愛は美雪に接近し、友達が欲しいという彼女の願いを叶えるために友達になり、さらにはもっと深い関係になって行くのだった。 それはたとえ君に振られた事の腹いせともいえる行為であったが、美雪の方も何故か愛を好きになり、そこから複雑極まりない学校生活を送っていく事となる。 最初はあくまでたとえ君の恋人を寝取るという行為であり、内心は同性に嫌悪感を抱いていたはずだが、次第にその気持ちにも変化が生じて行く。小説ではその辺の心境の微妙な移り変わりが繊細に描かれていてとても引き込まれたが、果たして映像ではちゃんと表現出来ているのか?と思っていた所、これが素晴らしい演技によって上手く表現されていたので素晴らしかった。 基本的には主人公の愛は最低の奴である。地道に陰で愛を育む2人の純情な関係に入り込む余地など無いのに無理矢理割って入り、厚顔無恥かつ卑劣な手段で二人の気持ちを掻き乱して行く。現実で側に居たら絶対に嫌な奴だが、フィクションだし他人事として見る分には実に面白いのだから困ったもんである。 そんなとんでもない主人公を演じた山田杏奈の演技力が凄かった! 好きな男子を見るときの獲物を狙うような鋭い目力が素晴らしい。 また、結構大胆な濡れ場もあるのだが、邦画にしては逃げずに描いていたので良かったかな。そこを省略してしまうと全く原作の本質が無くなってしまっていただけに、ちゃんと分かっているなと感じられとても良かった。この作品を映画化する為に監督になったというのは本当なんだな。 原作には無いシーンで良かったのはカラオケの場面。2人の立場の違いがより明確になっていたしあいみょんの「ふたりの世界」がとても印象に残る。 もう一つ特に好きなシーンは最後に愛がフラフラと美雪と一緒にたとえ君の家に行くシーン。 もはや完全に拒絶され、悪者となっている状態なのにもう惰性で向かっている感じがなんか憐れだし、そこでたとえ君の父親を殴るという大仕事をやってのけるのが最高だ。 しかもその後、ちょっとやってやった感を出して2人に説教してるのも笑えるし、あれだけの最低な奴を許してしまえる2人もまた優し過ぎて泣いた。 最後に、結末が原作の途中で終わっていて(殆ど最後に近いけど)、最初はそこで切っちゃうと意味変わってこない?って思ったけど、色々想像出来るしあれで良かったのかなと思い始めて来た。また何より監督のフィルモグラフィーに秘密があったのを発見。最後の台詞と同じタイトルの映画があるじゃん![映画館(邦画)] 9点(2021-11-07 14:19:22)(良:1票) 《改行有》

3.  劇場版 きのう何食べた? ドラマの続きとしてとても楽しめたし、同じ空気感でとても居心地の良い時間だった。なので“劇場版“ならではのスケール感とかを期待しちゃうと少し寂しいかも。でも相変わらず美味しそうな料理は沢山出てくるのでそこはもう見てるだけでお腹いっぱいになっちゃった。 それに、シロさんとケンジのやり取りは相変わらず面白いし、ドキドキさせる所もあってとても満足いくものだった。 それにしても、3年同棲してるカップルなのにいまだに手繋いだだけで舞い上がっちゃうなんてプラトニックな関係なのか?45過ぎてるのに?とか色々妄想が止まらないのも一興である。だいたいドラマの時から二人が寝てるシーンとか寝室とかあまり見せないし、生々しい描写が無いからこそ成り立っている空気感というか爽やかさなんだなと、そこが魅力なんだなとつくづく感じた次第である。 さて、この劇場版のテーマは、ずばり“老い“である。 ふとした行き違いやすれ違いから2人の関係性がギクシャクするという展開はこれまで何度もあったが、今回はすぐに「もしかして死ぬの?」と心配して深刻になる所がおじさんカップルのリアルさなんだなと思った。また、その勘違いによって引き起こされる展開がストレートに笑いに繋がるので終始とても可笑しくて最高だった。[映画館(邦画)] 8点(2021-11-07 14:16:35)《改行有》

4.  CUBE 一度入ったら、最後 《ネタバレ》 オリジナル版の完成度が高すぎるので、それを超えるのは無理だし、それならせめて日本ならではの独自性に期待したのだが、やっぱりダメだった。 なんていうか、一番駄目だなと感じたのは、物語の進みたい方向に沿って、CUBEそのものの仕掛けが都合良く利用されてる感じがして、そこが受け入れ難かった。 例えば、何故か扉が急に開かなくなるという設定や、いきなり部屋を2分して人を物理的に分けたりとか、さらにはトラップが無い部屋だと思ったら丁度人間同士の諍いが盛り上がる頃合いを見計らって発動してくれる空気を読みすぎる優しいトラップ、等々。 あと、かなりグレーゾーンというかこれは有りなのか?と思ったポイント。 主人公が見る過去のシーンがCUBE自体に投影されるシーン。大体あんな所にカメラがある訳無いのだから幻覚だったと言うのが真相だろうけど、それにしてはあの子供もまるで見たかのようの話していたのが引っ掛かった。 もう一つ、岡田将生演じる青年が感情を爆発させるとCUBE内の照明の色が変わるという設定。これも本当に起きているのだとしたら何故彼の時だけなのか謎過ぎる。 ここまではCUBEの仕組み自体にダメ出しをして来ましたが、ストーリー自体もあまりに陳腐だった。大人は嘘つきでずるいというテーマと、心に傷を負った若者達のドラマはあまりにもありきたりに感じてしまったし、すぐ邦画特有の感動路線に行こうとして、過去のシーンを多用するのもクドいなぁと思った。そういう展開にするのなら主人公だけじゃなくて他の人物も掘り下げるべきだろう。映像的にもCUBE内だけで完結させて欲しかったし。 原作(オリジナル版)では黒幕の正体が不明だから怖いのに、露骨に敵側のキャラ(だよね?)が出てきたので、途端に思惑が透けて見えてしまって、もう陳腐でしかなかった。 とにかく見ていて退屈で、早くどんどん人死なねぇかなぁと思いながら(笑)見ていましたが、Ꭱ指定どころかPG12にすらなっていない時点で生温い描写しか無いし、あんだけメジャー俳優集めてたらオリジナル見たく不条理に振り切った作品など期待できるはずもなく、まあこうなるよねぇという感じ?[映画館(邦画)] 3点(2021-10-23 19:04:02)(良:1票) 《改行有》

5.  サマーフィルムにのって 映画作りに青春をかける物語という時点で映画ファンとしては面白くない訳が無いし、とにかく撮りたい映画を撮るために全力で突き進む感じは「映像研には手を出すな」を思わせるし、とにかく熱い内容だったし、思い切り青春だった。 とにかくこういう青春映画が観たかったという私の要望に合致していた。 キャラクターも皆個性的だし、変なあだ名が付いているのに説明が無いのも気になるし(パンフを読んで判明したが)、とにかくどのキャラクターも愛おしくて好き。 中でもやはり主人公のハダシのド直球で突っ走る感じが最高だ。 自分の撮りたかった映画の主役にぴったりな人物と映画館で運命的に出会いそのまま追いかけるくだりが最高だった。 走って走って川に飛び込んでまで追いかける。絶対に逃さないと決めたからだ。 「私の映画に出て!」 「あなたじゃないと撮らない」 なんて全力かつ真っ直ぐな台詞だろうか。 時代劇って斬る事が愛情表現だったんだなぁ。 好きだからあなたを斬る! 嗚呼これこそ正に青春映画だよなぁ。 とにかくこの映画が好きだ。 もう好きってしか言えない。[映画館(邦画)] 9点(2021-09-17 22:21:55)(良:1票) 《改行有》

6.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 ※ラストに言及してます。未見の方はご注意下さい。 「サマーウォーズ」を彷彿とさせる田舎×仮想空間な設定。今度はどんな世界を見せてくれるのかな?と期待したが、残念ながらそれを超えるような斬新さもなく、さらに小ぢんまりとした世界に終始しており、全然魅力を感じられ無かった。 そもそも、全てにおいて展開が急過ぎてついて行けない。 例えば、主人公がUの世界に入るや否や歌姫になってしまうくだり。即興的に歌い出したはずなのにもうレコーディングを済ませたかのような完成された歌声とサウンドに違和感を感じてしまう。 ここで、Uの世界は隠れた才能を引き出す(だっけ?)という設定があるからだよ、と指摘する人もいるかもしれない。まあ、それはそれで良いとしよう。しかし、50億人もいるのに目立って活躍しているのが主人公と竜くらいってどうなの?もっと沢山色んな 才能を持った人が出てくると思ったよ。 ていうか、Uの世界は何が魅力なのかもよく分からないのね。ただ集まっている人らは何をしてるんだろうかとか、ほんとに50億人も利用しているんならもっと色んな魅力があるはずだろうと。 それから、先ほど触れた竜が出現した途端、主人公は竜の事で頭がいっぱいになるが、その理由がまず弱くて置いてきぼりを食らったのね。もうちょいそこに説得性を持たせて欲しかった。その後も無理矢理ラブストーリー的な展開に持っていくのも無理があり過ぎる。「美女と野獣」をやりたいだけでは?そもそも主人公は幼馴染を好きだったはずでは? で、最終的にそのリュウを現実世界で助けに行くって話になる訳だが、また「サマーウォーズ」と同じでトントン拍子で進んで行くものだから何も感動とか無いし、むしろ何も解決しないで帰って来てない?大丈夫? 何か帰ってきた主人公が皆によくやったと褒められて、めでたしめでたしってなってたけど、結局あの子達はどうなったのさ?ちゃんと保護されたの?その描写すら無いし、あまりにも無責任な終わり方だと思ったわ。 それに、いくら虐待を受けていた可哀想な子供だからといってネットの世界で何をやっても許されるというものでもない。荒らしを排除するのは当然の事なのに、何か竜が可哀想!運営側が悪い奴!って描き方はあまりに短絡的かと。あと、虐待している父親にも何か理由があるはずだが、全く触れられないというのもしっくり来なかった。 あと、「サマーウォーズ」でも同じ事を思ったんだけど、何か仮想世界で物理的に暴れている人が居て、それを運営側が追いかけるというのが定番みたいだけど、そもそもの話、プログラムの世界なんだからいくらでも対策は出来るよね。他の人を攻撃出来ない設定にすればいいだけの話なのでは?[映画館(邦画)] 2点(2021-07-16 23:27:49)(良:3票) 《改行有》

7.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 いやぁ、とにかく面白かった。 まず、旧劇から投げっぱなしだったサード(ニアサード)インパクト後に世界は人々はどうなったのかというのをしっかり描いているので良かった。絶望と思われた世界にも希望があって人々がどのように生活しているのかよく分かるし、目標というものがしっかり明確に提示されている。 シンジは最初廃人同然だったが、本作ては周りの人達がとにかく優しくて、すぐに立ち直る。そしてそこから何をするべきなのか悟ったかのように急成長して行く。父親と今一度向き合い対決する事で全てに終止符を打つのだ。それは実に分かりやすく熱い物語だった。 「Q」ではシンジ同様観客も置いてきぼりを食らってイマイチ訳がわからなかったのが、それの答え合わせをするかのように伏線を回収して行く様は実に心地良かった。 また、本作で良かった点としては考察に頼らなくてもゲンドウ自らが今まで何をして来てこれから何をしようとしているのか、さらにはシンジを避けていた理由などもシンジ達に分かりやすく噛み砕いて教えてくれるのだ。こんなサービス精神旺盛なゲンドウ観た事ねぇ!これはなんとも観客に優しいし、誰もが納得出来るようにちゃんと終わらせようとしてるんだなという明確な意思を庵野から感じられたので良かったと思う。 人間ドラマ部分がしっかり描かれていた為、それに伴ってアクションシーンも鳥肌の連続でヤバかった。 ヴンダーと敵戦艦との壮大なバトル。 降下しながら機関銃を量産機に向かって撃ちまくる新弐号機の格好良さ。 アスカがとにかく最後まで格好いい! マリも、ミサトも、レイも、シンジも、キャラクター皆魅力的。 そして、初号機がついに覚醒した暁にはカタルシスも最高潮に達していた。 庵野が遂に裏切らなかった。それだけでも拍手喝采もの。 これは新劇から入った人、テレビシリーズから観ている人、両方が満足出来る内容になっていると思う。 最後の精神世界のメタ的構造。 そして、キャラクター達が実写に還っていくラスト。もう本当に終わりなんだなと実感し、感動と共に喪失感も感じていた。 近くに座っていた女性が入り込み過ぎて所々で嗚咽を洩らしているのもあって、こっちも終始号泣しながら観ていた…。[映画館(邦画)] 10点(2021-03-08 12:46:08)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

8.  きみの瞳(め)が問いかけている 《ネタバレ》 【ネタバレ全開注意】 もうね、とにもかくにもここまでベタな展開をよく考えつくなと。 なんかあらゆる人間関係が狭いコミュニティ内で完結しちゃっててあまりにも狭い世界に感じちゃったのね。邦画にありがちだけど。 一番謎というか気になったのは、あかりとるいが他人同士だったのに、まだお互い心を開いてなかったはずなのに、付き合ってるという訳でもなかったのに、海に行く辺りから急に恋人同士みたいになってたのはあまりに急過ぎて面食らってしまった。 告白とかそういうのはすっ飛ばしちゃうのねと…。 それから、あかりがクソ上司に襲われる場面でスーパーマンの如く助けに現れるるい。いや、なんでこれるの?せめてなんか伏線張っておこうよ。いくらなんでもいきなり来るなんてズルい。 それから、ややあって、手術費を稼ぐために裏稼業に手を染めるって、あまりにベタな選択肢。これはもうどうあがいても盛り上がり重視な脚本ですありがとうございます。 あと、あかりの住んでる部屋どう見ても賃貸っぽいのに、勝手に部屋改造するわペット飼うわ、これはありなのか?他人の家ながら心配になったわ。 そして、問題はラストシーンだわ。たしかにあの再会のさせ方は感動的ですよ?でもねぇ、るいくん、なんだかんだ言って自分から気付いてもらいに言ってるよね。そこがどうも作為的に感じたし、しかも喋れるんかーい! てっきり後遺症かなんかかと…。 かなりひねくれてる人みたいだけど、素直に感動する人の方がきっと多いんだろうね。 ファンタジーとして見ればそこそこ面白いけど。[映画館(邦画)] 4点(2020-11-03 14:16:02)《改行有》

9.  静かな雨 《ネタバレ》 この監督は日常の何気ない風景を情感豊かに描くのが上手い。 縁側に並んで座る男女が美味しそうに焼き芋を食べる光景とか、普段の何気ない会話とか、生活感溢れる描写がとても自然で引き込まれる。 物語的には「50回目のファーストキス」ばりの超展開が巻き起こるが、それもこの監督の手にかかれば極めて自然なまったりとした空気感によって特に大事件が勃発することもなく、ゆったりとした展開が続いて行く。それが心地良いと感じるか退屈と感じるか。 しかし、とてもあっさりと描かれているが、冷静に考えるとこの映画怖い。 主人公は本当に好きなのかどうなのかはっきりしない女性を家に住まわせ、同じ会話、同じ事の繰り返しを永遠にループしているのだ。その関係性はいつまで経っても深まる事はなく、その事は周囲には隠して生活している。一体いつまで続ける気なんだ…。そう考えるとなんだか怖くなってしまった。 しかし、自分からその生活を選んだ癖に急にメソメソしだして彼女に愚痴をこぼすこの主人公は何がしたいのかわからなくて、なんだかなぁという気持ちになった。[DVD(邦画)] 4点(2020-11-03 14:06:14)《改行有》

10.  望み 泣いたり怒ったり叫んだり罵ったり絶望したりする堤真一と石田ゆり子の姿をひたすら見せられる映画。いや、ほんと2人の演技は素晴らしかった。 ただ、サスペンスを期待するとそこまでというか、息子が事件に関わっているかもしれない事で憶測で報道やネットの誹謗中傷が過熱して行き、しだいに家族が追い詰められ崩壊して行く様を描いた家族のドラマとしての物語がメインだったので、事件そのものの描き方としては若干肩透かしではあった。 でも息子が加害者か被害者かというのを想像して望みを繋いで行く夫婦の姿はとてもリアルだった。 ラストの方でかなり無理矢理盛り上げようとしていたのはいかにも堤幸彦監督っぽかったのでちょっとマイナス。[映画館(邦画)] 7点(2020-11-03 14:04:37)(良:1票) 《改行有》

11.  ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 高校卒業前夜に地味な女の子2人がこのままじゃダメだということで盛大にはっちゃけてパーティーに参加するのを目標にハジケまくる映画だ。 しかし、肝心の行きたいパーティーが何処で繰り広げられているかわからねぇ!という訳で手当たり次第にパーティーからパーティーへと渡り歩く。このSNS全盛の時代にそんなに見つからないって事ある?と疑問ではあったが、そんなに簡単に辿り着けたら面白くないのでアリだろう。なんか「アメリカンスリープオーバー」という映画が思い浮かんだ。 ひたすら下品かつ犯罪まがいな事も平気で行うがそこは若さゆえのポジティブさでカバー! そう、とにかくポジティブな映画だった。 しっかし、流石アメリカ。こんなあちこちでパーティーが行われているとは。陽キャしか居ないのか? 色んな感情が入り交じり、一夜にして物凄い体験をする2人だったが、もうほんとこの2人にはいつまでも仲良くして欲しいし、幸せになって欲しいなぁと思いながら鑑賞してた。演出も最高にクールで良かった。[映画館(字幕)] 8点(2020-11-03 14:03:10)《改行有》

12.  朝が来る 原作が素晴らしかったので鑑賞したが、これは非の打ち所のない映像化だった。 原作では、後半はずっとひかりの視点で描かれる為、読み終わるとひかりの方にばかり感情移入してしまいがちだったが、本作では構成を若干変えていて、佐都子とひかり両方の存在が常に感じられるようになっていた。それにより、どちらか一方ではなくより俯瞰して物語の全体像を捉える事が出来たので、より物語に深みが増しているようにさえ思えた。 そして、監督がこだわったという原作にもあった朝斗の視点。原作ではわずか7ページという短さではあったが、子供の視点が加わる事によりさらに踏み込んだ物語となっていてとても良いと思った。結局は子供が物語の中心として展開される佐都子とひかりの物語な訳だから、そこに子供の視点を描く事は欠かせないと思う。そこを一番重要だと考えた河瀬監督は本当にこの作品のテーマを理解しているなと感じたし、河瀬監督ならではの美しい風景描写や光のこだわり具合も物凄くこの作品にはまっていて、とにかく映像の持つ力に圧倒された。役者の演技も皆自然でとても良かった。[映画館(邦画)] 9点(2020-11-03 13:59:54)(良:2票) 《改行有》

13.  みをつくし料理帖 「鬼滅の刃」の後に鑑賞。 入場にもの凄い列が出来ていたが、こちらの作品は私以外観客0。 同じ時代劇ながら180度違う内容で(当たり前)、原作も読んだ事なかったので新鮮な気持ちで楽しめた。 一言で言うとほのぼのした時代劇で、主役の松本穂香がほんわかした魅力で作品の世界観にばっちりはまっていた。 食は人の天なり というのがテーマであり、食事を作り、提供し、食べてもらうという喜び、そして食を通して絆の輪が広がっていくような心温まる物語だった。 ライバルの料亭との確執なんかも描かれていたが、決して争ったり戦ったりする事無く平和に展開されて行くのが良かったなぁ。 一方で吉原の描写はいまいちピンと来なかったなぁ。現実感があまり無いというか、出てくる人物も少ないし。どういうシステムなのかがいまいち。 突然ふらっとやって来ては料理にダメ出しをする窪塚洋介とか、いつも口の悪い藤井隆とか、仁義に熱い中村獅童とか、脇を固める人物もキャラが濃くてとても良かった。[映画館(邦画)] 7点(2020-10-17 07:55:34)《改行有》

14.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 《ネタバレ》 原作は読んでないがアニメを観ていたので。 熱狂的なファンという訳ではないけど、なんとなく観なきゃいけない気がして流されました(笑) うん、面白いと思うんだけど。 なんで最初から上弦の鬼?が来ないんだろうと思っちゃった。身も蓋もないですね。 結局は今回のメインである列車の鬼はただ派手なだけの噛ませ犬かよと。なんか、テレビアニメに出てきた別の鬼(蜘蛛の奴)とかに比べていまいち背負っているものが薄いというか、そこまで敵として魅力も感じなかったのが残念だったかな。でも、夢を見せて殺してくるという能力自体はとても面白くて、なんかジョジョのスタンド能力に似てるなぁと思った。 で、その後でめちゃくちゃ強い鬼が出て来るんだけど、これがシンプルにただ強い。シンプル故に闘いとしては地味な絵になるから、映画的に派手だけど弱い敵をメインに持って来てる感じがしてなんだかなぁと思っちゃった。(←エンターテイメントを否定する奴) 今回はやっぱり煉獄さんがめちゃくちゃ格好良かったね。名言のオンパレードだし。 それから、夢の中での善逸と伊之助はある意味柱よりも強くて笑っちゃったわ。[映画館(邦画)] 7点(2020-10-17 07:54:29)《改行有》

15.  浅田家! 《ネタバレ》 たぶん皆、浅田政志に対して甘過ぎるんだと思う。 あんだけ周りを振り回してるのに、誰も怒らないし、好きなようにさせている。 何故なら皆、政志の事が好きだから。 撮りたい写真の為に消防車を借りてくれとかの無茶振りにも真面目に応じる兄の優しさ。 若菜ちゃんは東京での彼をほぼ養ってあげてかつ個展を出す費用も出してくれるというのだからその優しさは異次元である。 さらに、逆プロポーズまでしてるのに政志のあの煮え切らない返事はなんだ。普通ならぶん殴っててもおかしくないのに若菜ちゃんは泣いて喜んでいるし、もうね皆優しすぎません?って思った(笑) まあ、ちょっと変な所もあるけど誰からも愛される彼の人柄なんだなぁと思った。 ただ、ちょっと強引に感じられたのは実家から急に被災地へ戻るくだり。本当にあのタイミングで思い付いたのかな?って事。クライマックスにするために敢えて後に持って来たように感じた。それに、あの腕時計を借りただけで泣かせようとするのはあまりにも狙い過ぎに感じられて…。 私はそこまで感動したりとかはなかったけど、色んな家族写真を撮るシーンはクスクスと笑えて面白かった。オチも良き。[映画館(邦画)] 7点(2020-10-17 07:48:43)(良:2票) 《改行有》

16.  トロールズ ミュージック★パワー “それはきっと!世界を変えちゃうミラクルライブ!“ というキャッチコピー通りの、ひたすら歌って歌って歌いまくる映画だ。音楽で争っていたのが音楽によって世界はひとつになる。とにかく音楽って素晴らしい!って感じの映画。 トロール達もいっぱい増えて画面が賑やかで楽しい。 ラストの音の洪水は圧巻! 観たらハッピーになれて、とても元気を貰える作品だった。[映画館(吹替)] 8点(2020-10-17 07:46:52)《改行有》

17.  もみの家 南沙良は「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の役柄と重なるような、うまく話す事が出来ず周りに馴染めないような少女を演じていた。 “もみの家“とは殻に閉じ籠ったもみのように心を閉ざしてしまった者達の救済の場でもある。 居場所の無かった彼女がしだいに馴染んで行く様はとても気持ちの良いものだった。 とても居心地の良い場所で好きな人達に囲まれて暮らす幸せな時はいつまでも続かない、必ず終わりが来るという事が残酷でもあり、儚くもあった。[DVD(邦画)] 7点(2020-10-17 07:45:54)(良:1票) 《改行有》

18.  アングスト/不安 本物の《異常》が今、放たれる。 のキャッチコピーに偽りなし、この映画に出てくる殺人鬼はとにかく異常だった。ていうか殺人でまず捕まってるのにたった10年で放っちゃ駄目でしょう…。 釈放されたその瞬間にもう人を殺す事を考えて高揚感に満ち溢れている時点でもうヤバい。 殺人鬼のひたすら病的なまでの心理描写を克明に綴りながら、その凶行を延々とリアリズムたっぷりなカメラワークで映し出す。 あまりにも殺人鬼に寄り添ったその描き方により、観客はどっぷりとその“異常さ“を目の当たりにする事になり、片時も気の緩む隙を与えてくれない。 犯行の手際が悪すぎたり、被害者があまり叫ばないで無言であったり(本当に怖いと声も出ないよね)、そういう所が凄いリアルで良かった。 あと、殺人鬼がただソーセージを食べるだけでここまで気持ち悪く撮れるセンスが凄い。 それ故に観終わって、ちょっと気持ち悪くなってしまうほどだった。 とにかく凄いインパクトのある映画だった。 また、映画館のロビーにこの映画に出てくる小道具(ナイフや、入れ歯や、手袋等)が展示してあって、「これは実際に映画で使用された物です(嘘)」という貼り紙がしてあって面白かった。あと、スタッフが手作りで作ったと思われるお面や風呂などがあった。凄い気合いの入れようで素晴らしいなと思った。あと犬のぬいぐるみが置いてあって“犬は無事です!“の貼り紙。いやぁ犬も良い演技だったよね。犬が可愛いのが唯一の癒し。[映画館(字幕)] 7点(2020-10-01 21:14:45)《改行有》

19.  イップ・マン 完結 完結編に相応しいアクションとドラマが展開されていた。 木人がかなり重要なファクターとなってましたね。 中国拳法を米軍に取り入れよとする兵士が木人を持ち込んだり、イップ・マンが息子に木人の使い方を伝授したり、中国拳法にとって無くてはならないものなんだなと言うのが伺い知れた。 なので、ポスターにもある木人が焼かれるシーンはとても悲しい。 イップ・マンが弟子のブルース・リーの勝手な行動を中華武術協会に責められて板挟みになったり、また息子との将来の事での言い争い、そして米国における中国人の差別などがテーマになっていて、とにかく色んな角度からストーリーが展開していくので飽きさせなかった。[映画館(字幕)] 8点(2020-09-29 22:59:46)(良:1票) 《改行有》

20.  ミッドナイトスワン 《ネタバレ》 題材的にはとても面白くて、どんどん引き込まれる話だった。 最初は全くわかり合えなかった2人が段々と心を通わせて行くという王道的展開で。 ただ、ちょっとわざとエグいシーンばかりを抽出した感じもあって、その辺は見ていて辛いし、やり過ぎにも感じられた。 おまけにただそういうシーンを持ってきただけでその後のフォローが何も無くて。 後は観客の想像に委ねますって感じがしてちょっと無責任に感じた。 例えば、一果がコンクールで踊るシーンと交互に映し出された同級生の子とか。凪沙の最後の方とか。 あと、凪沙の一果に対する想いもいつの間にあんなに愛情が湧いたんだろう?って。ちゃんと決定的なものがあれば尚良かったんだけどね。その後、再度引き取りに行くシーンもなんか不自然というか、彼女は絶対あんな事しなさそうなのに、この短期間で何があった?みたいに感じられて。 それでも、一果の成長物語として観ればとても面白かったし、バレエをしている時の彼女はとても生き生きとしていて心揺さぶられた。 凪沙は最初は一果に対して冷たい態度で接していたが、怒りながら「らんま1/2」を読んでいたのがなんかじわじわ面白かった。 草彅剛の演技も良かったし、一果を演じた新人の子の演技も大変素晴らしくて、とても引き込まれた。[映画館(邦画)] 8点(2020-09-29 21:54:20)(良:1票) 《改行有》

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