みんなのシネマレビュー
Roxyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 61
性別 男性
自己紹介 御意見,苦情等諸々ございましたら,以下のアドレスにお願いします。
できる限り,一生懸命お返事します。

roxy0001_2002▲yahoo.co.jp
(▲をアットマークに変えてください)

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234

1.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 幸福と不幸は実はお互いが正面を向き合うものであり、人生自体が一つの天秤であるということを知らせる一作。“何かを得れば、必ず何かを失う”例え過去に干渉して未来をいじくってみても、人々の無数の分岐点において神のごとく振る舞ってみても、彼または彼女の人生をまるごと引き受けるわけにはいかない。少なくとも物語の終盤までは、エヴァンは自らの幸福を追求し続けるエゴイストで、またそのことに全然気づかないのですが、最後の最後で自分に関わる者が不幸にならない為にはどうすればいいかという結論に達する。8mmに映るあの出会いの場面で最大の幸せを捨て去ることにより、ある意味エヴァンは全員の人生の面倒を見たのだろうと私は解釈しました。自分も含めた他者の人生の天秤を平衡に戻したわけですね。それにしても、非常に痛みを伴う決断です。はたして同じことをやれるかどうか、私にはまったく自信がありません。性懲りもなく、もう一度修正を試みるかもしれない(というか、きっとやる)。もしかすると、今の自分も誰かの干渉によって変えられたかもしれないと思うのも、いたかもわからないもう一人の自分の人生がより良いものになっている可能性に嫉妬している表れなのかもしれません。[DVD(吹替)] 8点(2007-09-24 16:35:58)(良:1票)

2.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 善と悪の隔たりとは意外なほど薄く、細い。善良な心根を持った人間でも、人間であるが故にたやすくその境界線を踏み越えてしまうことがある…そんな主題をスーパーアクションの衣を纏わせながら、説教臭くなく語りかけてくる。当てられる光が強ければ強いほど、つきまとう影はいっそう黒く深くなるのだということ、そしてなによりも「赦し」こそが自らを、そして他者をも重い足かせから解放するたった一つの道なのだという、ともすればアクションムービーから大幅に逸脱しそうな内容をこれだけうまく料理できるのだから、サム・ライミの手腕とはたいしたものである。恩讐を越えることがいかに困難か、苦痛を伴うものかをこの映画を観てもう一度認識させられたのだが、まさかアメコミ映画にこんなことを教えられるとは思わなかった。そういう意味で希有な作品。でもさすがに次作はないでしょう。[映画館(字幕)] 8点(2007-06-12 16:27:24)

3.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 個人的には芳山和子が登場してきたところで「おお」となりました。あのNHKドラマをリアルで観ていた世代には、その時点でこの映画が30年以上前の物語の正統な続編であることがわかり、ほんの一瞬だがタイムリープした気分に…しかし、それが本作のキモです。何度人生をリセットしても、何回過去に戻ってやり直してみても、その時その時の一瞬は、流れる砂のように手からこぼれ落ちていってしまう。だからこそ今を懸命に生きる…というテーゼが、物語の中にイヤミなく示されていて、観ていてうまいなと思った。脚本家と監督の歯車がうまく噛み合わないと、どことなく軋み音が聞こえてくるのだが、最後までそんなことはなかった。いい映画です。ヒロインのキャラクターもさることながら、全編に漂う夏の香りがとても爽やかで、あんな高校生活だったら、とつい嫉妬してしまうのは、きっと必死に走るのにも俗な目的が必要な大人のひがみですね。走り姿が輝いて見えるのは、あの年代だけでしょう。それにしても今回はアニメでよかった。実写で撮ったら、確実に失敗したに違いない。SFジュブナイル?青春映画?否、まさしく青春映画。[DVD(邦画)] 9点(2007-06-12 15:08:34)(良:1票)

4.  男たちの大和 YAMATO やはり“大和”という船は日本人にとって特別というか,一層シンボリックな存在なんでしょうね。戦後60年を経てもなおこうやってスクリーンで威容を誇るというのが,何よりもそのことを証明している。イギリス人が“プリンス・オブ・ウェールズ”や“レパルス”を主人公にした映画を撮らないのが不思議なくらいだが,彼らにしてみれば「敵に沈められた船」というのは屈辱の産物以外の何物でもないんでしょう。そんなもん,何が悲しくて金かけて映画にせなあかんねん…ある意味,そう思うのが当然なところを,いかに巨大とはいえ一個の兵器を使ってセンチメンタルに映画にできる民族は,もう唯一日本人だけだろうと思う。何しろ太平洋だけではもの足りず,宇宙にまで飛ばすくらいだから。さて観終わって,ナショナリズムとシンボリズムが合体するとき,外国人は日本人ほど過敏に反応するんだろうかという気がした。太平洋戦争の歴史も知らない若い人が,この映画を観て号泣したのを身近で知っているので,ふとそんなことを思ってしまいました。しかしそれにしても,彼はいったい何に心動かされて泣いたのだろう。戦後生まれで中年の私は泣きませんでした。泣かない代わりに,海底に屍を横たえたまま何も語らないかの船の残骸を見て,ただただ瞠目するだけでした。[DVD(邦画)] 6点(2007-01-03 15:45:45)

5.  スーパーマン リターンズ 《ネタバレ》 ブランドン・ラウスの熱演には申し訳ないが、劇場の大スクリーンで1作目を観てしまっている者には、ブランドンの姿の後ろにどうしても彼が透けて見えてしまうのである。それが彼の役者としての幸福であり、不幸でもあったと考えると、オマージュ以外の意味を今作に見出すのが難しくなってしまう。オープニングにしてもしかり。やたら郷愁を誘うような演出は、スーパーマンのキャラクターから脱却しきれずに苦心した草葉の陰のクリストファー・リーブに何だか失礼なような気がするのですが…それはともかく、本当に興味があったのはオリジナルでジーン・ハックマンが演じたレックス・ルーサーだったりする。ヘラヘラ笑いを浮かべつつ、あくまでも軽いノリでとんでもない悪事を企むマッド・サイエンティストという人物設定をハックマンは実にうまくこなしていたが、此度のケビン・スペイシーでは酷薄さが一層前面に出ていたせいで、かなりの違和感を覚えた。クリプトン・ナイトをナイフ代わりにスーパーマンを刺すというのは、彼のキャラには合わない。まるでマフィアの親分である。ルーサーは本質的になぜか不動産に拘る小悪党なので(オリジナルでもカリフォルニアを海に沈めたがっていた)、この作品がオマージュならその点も継承して欲しかったです。[DVD(吹替)] 6点(2006-12-29 21:47:20)(良:2票)

6.  硫黄島からの手紙 感想を書く前にまず、かつての敵国の人間にこのような映画を撮られてしまったことについて、日本の映画関係者が何を思ったのかを知りたい。切歯扼腕しただろうか。それとも、“アメリカの資本で、しかも監督がイーストウッドだからしょうがない…”と諦めに近い気持ちで本作を眺めただろうか。まあ、おそらくどちらかになるだろうが、私みたいな無責任で偏屈な一鑑賞者としては、実はどっちも許せないのである。つまり、本作のような“逆輸入邦画”、それも我々日本人が何にもましてそれなりの金額を投じ、時間をかけ、かつ慎重に作り上げなければならないものを今までなおざりにしてきた事実という罪(あえて罪と言う)を日本映画界は犯したということ、それがとても残念でなりません。TVドラマの延長のごとき軽佻浮薄な作品を垂れ流してきたバチが当たったのではないでしょうか。いろんな意味であらゆる日本人が襟を正して観るべき映画だと思うし、細かいディテールがなってないなど、おのずと評価は分かれようとも、日本人という異文化民族に対するエキゾティックな先入観をできる限り排して作られたこのハリウッド映画を、今度は我々自身が真正面から受け止めなければならない、とも思います。栗林中将の「自分たちのこの戦いを、後世の日本人は必ずや評価してくれるだろう」の台詞が重く、そして痛い。その通り。栗林さん、あなたの言葉は間違っていなかった。ただ、そのことをアメリカに教えられるとは考えもしなかったでしょうけど。[映画館(字幕)] 8点(2006-12-29 21:36:03)(良:1票)

7.  ハウルの動く城 人間の特徴の一つに,年をとるにしたがって,生と死の間で失うものが少なくなるにもかかわらず,ますます保守的になっていくというのがある……さて,宮崎駿も今年で65歳,日本映画界の重鎮と呼ばれるまでになった。「カリオストロの城」を手がけたときは,まだ40歳にも満たなかった。あれはすばらしいアニメ映画だったが,それから25年経った今,宮崎駿本人はますます年をとり,自らのインナースペースの小部屋に閉じこもろうとしているように見える。前作の「千と千尋の神隠し」で,そのことをそこはかとなく感じた。「千と……」のときは,まだかろうじてスクリーンを挟んだこちら側とあちら側のバランスを何とか取ろうとしているように思えたのだが,この「ハウルの動く城」では,その努力を放棄したかのようだ。率直に言うと,彼にはもう,純粋な娯楽映画はつくれないだろう……本来彼が持っていたエネルギー,つまり感動・躍動・透明な飛翔感といったどこまでも上昇するシンプルな力が,次第に思索という名札をぶら下げた,内へ内へと落下していくものへと変わっていってしまった。「カリオストロの城」から「ラピュタ」に至るまでのパワーを知っている者には,そのことがとても鬱陶しいのである。この映画も含め,近年のジブリ映画は抹香臭くてしかたがない(こたびの「ゲド戦記」もそんな予感がする。息子には今のジブリに風穴を開けて欲しいが……)。宮崎駿が才能に恵まれた人物であることを私たちは知っているので,落ちぶれたなどと言うつもりはないが,手放しで称賛することは,今の時点ではもはやできない。そのことが,とても寂しい。[DVD(邦画)] 3点(2006-07-22 12:34:07)

8.  ターミネーター2 この「2」を観た後で,大昔好きだったTVドラマ「ジャイアント・ロボ」の最終回を思い出した。操縦者の草間少年の命令にひたすら従い戦い続けてきたロボが,敵ボスとともに宇宙で自爆するというシーン。“帰ってこい,ロボ!命令だ,帰ってこい!”と必死で叫ぶ主人の命令を無視しつつ,最後はボスもろとも大爆発。そして地球は救われた…そんな内容だった。子どもだった私は大変なショックを受けたようで,落ち込む息子を見かねた母親がTV局に手紙を書いたらしい。私はロボが命令を実行するだけの機械だと思っていたので,まさか自己犠牲という人間性を発揮するとは,まったく想像もしていなかったのである。そしてT-800。「2」の幕切れで,私はジェームズ・キャメロンはもしかしたらあのジャイアント・ロボの最終回を観ていたんじゃないか,と勘ぐってしまった。「1」では文字通りの殺人マシンとして描かれていただけに,「2」でのT-800はほとんど守護天使にしか見えないが,人間性を有さない一個の機械だという点においては,両者はまったく同一だということをつい忘れがちになってしまう。かたや“サラ・コナーを殺せ”,かたや“ジョン・コナーを守れ”というプログラムを,お互い遵守しているにすぎないのである。にも関わらず,同じT-800であると頭ではわかっていてもなかなかそう思いづらいのは,機械が人間性を獲得したからではなく,人間側が機械という対象に願望や希望などを投影しているからだと思う。私が「1」と「2」は初めから意図された連作ではないか,と疑っている理由はそこにある。つまり,両作に登場する共通のキャラクターのコントラストをくっきりと際だたせることによって,自律性を持たない非生物に映し出される人間の感情をいっそう強く表現できるからに他ならない。それは時には背筋が凍る恐怖であり,そして時には哀惜の涙であったりもする。「ターミネーター」を巡るキャメロンの意図とは,もしかするとそういうことだったのかもしれない。[映画館(字幕)] 9点(2006-07-21 16:44:10)(良:1票)

9.  アイス・エイジ フルCGアニメという分野にはPixerというスタンダードが存在するために,他社組はどうしても比較されてしまうのが現実。実際これは辛いところだが,にもかかわらず,そのスタンダードに果敢に挑戦するかのごとく,いろんな切り口で新作を出してくるのがいかにもアメリカらしいというか,製作市場の広さを感じる。さて,観る前はまったく期待していなかったのだが,観終わってみればPixerの二番煎じ的な感触がなかったわけではないにせよ,それなりに満足できる内容だった。続編が観たくなりました。シナリオの運びは紋切り型であっても,予定調和であっても,「努力」「友情」「勝利」というのは少年ジャンプの専売特許ではなく,国際的な約束事というのがあらためてよくわかった。字幕と吹替,両方試してみましたが,これは絶対吹替がいい。皆うまいし,第一その方が子どもも喜ぶでしょう。[DVD(吹替)] 7点(2006-07-19 09:31:14)(良:1票)

10.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 公開当時,あまりの面白さに呆然となった記憶がある。今更,付け加えることもありません。もし“シネマ・テーマパーク”のようなものがあるとすれば,『愉快になりすぎて,口からよだれが垂れないようご注意を!』という札がかけられて然るべき映画です。[映画館(字幕)] 10点(2006-07-19 06:56:28)

11.  CUBE 《ネタバレ》 もし最後に一人だけ生き残れたら,それはきっとアイツだろうな……と,開始十数分で何となくラストがわかってしまったのだが,もとより不条理そのものな内容だけに,謎解きはこの際問題にすらならない。“このあたりを話の落としどころにしよう”とか,“こうすれば客受けは良くなるだろう”などといった,観る者に媚びる部分も感じない。その辺をきっぱり捨てて開き直ったか,もしくは,それすら計算済みであえて奇妙極まる世界を構築したのかは不明だが,閉所恐怖症気味な私は,あの狭苦しい立方体の部屋を見ているだけで酸欠を起こしそうになった。こんなのがあそこのメンバーにいたら,見苦しい振る舞いをしたあげく,たちまちあの世行きですな。まぁそんな意味で,私には合わない映画。でも,楽しめました。映画では奇矯さより物語を重視する私ですけど,これは面白かったです。むしろ奇抜で異常な設定が,そこに放置された人間を歪めていくという心理ドラマとしての側面を強く意識させる。[DVD(吹替)] 8点(2006-07-18 23:31:19)

12.  鷲は舞いおりた 《ネタバレ》 地味な戦争映画といわれれば確かにその通りなのだが,戦争映画は地味なのが意外に面白かったりするので要注意です。これもその一つ。製作がアメリカ・イギリス共同というのも興味深い。英米人なら『ど畜生のナチ野郎』と罵りがちなところをぐっと抑え,古き良きプロイセン軍人の矜持を漂わせつつ任務に赴く兵士達の姿を誇り高く描いて,観ているこちらはぐっとくる。敵味方入り乱れての大スペクタクルなどは一切ありませんが,戦争映画の魅力とはドンパチだけではないという好個の例になった作品だと思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-18 13:11:39)

13.  メメント 《ネタバレ》 このアイデアを思いついた監督は,さぞ小躍りしたことでしょう。「やったやった!すごいの考えついちゃった!」いや確かにその通りで,私もすごいと思うのですが,どちらかというと映画に物語性を求めるたちなので,こういう複雑な手技を出してくるのは,脳力の足らない私にとっては今一つ。シーンが変わるたびに,主人公のぶつ切りされた記憶をこちらも思い出さねばならないので,それだけでも大変だった。でも時間軸を元に戻したら,別に何てことはない話だと思うんですがね…その斬新な発想ついでに,ストーリーにも新味を加えて欲しかったというのは,きわめて贅沢な希望でしょうか?後進の監督にチャレンジしてほしいけど,作品の出発点があまりに際だっているので,亜流を許さないかもしれません。本当なら5点くらいだろうな,と思いつつ,やはり他人とは違うものの考え方をしたという点を評価して,プラス1点。相撲で言うなら,これは技能賞でしょうね。[ビデオ(吹替)] 6点(2006-07-18 09:44:12)

14.  きみに読む物語 《ネタバレ》 いったい何が足りないのだろう。貧しい青年と裕福なお嬢様とのロマンスという,使い古されすぎた物語のせいなのか,あるいは全体を通じて感じるチープ感(安普請という意味ではなく,何となく昼ドラの雰囲気っぽいといえばわかっていただけるだろうか)が,さらなる良作に仕上がるはずのものの価値を下げているのか。判別できません。ステレオタイプとはいえ決して悪くない話だし,むしろ,もっと高く評価したいとも思うのだが,それができない。自分なりの物差しで作品を測り,その上でできる限り率直に感想を述べたいにもかかわらず,どうしてもそれができないのは,おそらく私の母親が認知症にかかっているからだと思う。一途ゆえに障害を乗り越え,結ばれるべくして結ばれた男と女の話だ,と自分に言い聞かせても,私の目はやはりあの年老いた婦人に向けられてしまう。自らの記憶を手放してしまうことがどういうことか,ことにそれを受け止めなければならない連れ合いの辛さというものを身近にわかっているだけに,私はこの映画を公正に観ることができませんでした。なので,初めに書いたようなことも思い切り的はずれのような気がして,不安になる。ちゃんと把握できているか自信がなくて,複雑な気持ちです。複雑なんですが……でも,結局泣いてしまった。束の間記憶を取り戻した妻と一緒に夫がダンスをするシーンは,万感胸に迫った。年老いた自分の両親の姿,とくに,ひたすら自分を抑え滅私奉公型だった母親の頭を撫でながら「あんたの面倒はわしがちゃんと見たるから」と言った父親の姿と重なって,ただただ涙が流れました。[ビデオ(吹替)] 8点(2006-07-05 09:16:57)(良:1票)

15.  M:I-2 《ネタバレ》 監督が誰か知らないまま観ていたのだが,二丁拳銃?スローモーション?もしかしてジョン・ウーか?と思っていたら,その通りだった。「ミッション・インポッシブル」ではなく「スパイ大作戦」で育った年代のせいか,銃の乱射に爆発ドカーンは恐ろしく違和感があって,TVシリーズのようなクールな頭脳戦のかけらもない。普通につくっていればそれなりのアクション映画になったはずなのに,ケレン味たっぷりのジョン・ウー流演出がこれまた胸焼けしそうなくらいくどくて,生あくびが出てきた。本来引き締まった体つきの男が,今はたっぷりついた中性脂肪でモタモタやってる,という印象である。ところで,バイクのタイヤを砂浜でいきなりブロックタイヤに変えたのが観客にバレていないと思っていたなら,バイク好きを完全にナメている。あんないいマシン(トライアンフのスピードトリプルにデイトナ)を使っておいて,凝視するなという方が無理。そいでもって2人の男が,空中でフライング・ボディアタックを炸裂させたのは笑ってしまった。バイクを使うんなら,最後まで格好よく使ってよ。[地上波(吹替)] 4点(2006-07-03 06:50:03)

16.  戦国自衛隊1549 演技陣にずらりと芸達者を揃えながらここまで面白くないとは,俳優達を使いこなせない監督が悪いのか,はたまた古いパンツのゴムのようにたるみきった脚本のせいなのか,よくわからない。あるいは両方かも知れません。どっちしても観る側には迷惑な話で,あまつさえハリウッド版の製作決定にいたっては,なにをかいわんやである。内容については,大勢の方が指摘しているのとほとんど同じなので何も言いませんが(そうは言っても,富士の裾野でしか撮影できなかったとはいえ,斎藤道三や織田信長が富士山をバックに登場するのは,いくら何でもあんまりでしょう),ただ,映画だ娯楽だとはいえ,アメリカ人に我が日本の自衛隊をあれやこれやといじられてたまるか,というのが偽らざる本心です。やるならプロットだけを拝借して,自前の世界最強軍隊全面協力のうえ,オリジナル作品としてやってほしい。もっともその場合「ファイナル・カウントダウン」のように日本を悪役に据えるようであるなら,日本映画界は断固としてハリウッドに文句を言うべきである。 《追記》ハリウッド版のタイトルが決まった。「SAMURAI COMMANDO MISSION 1549」“サムライコマンド”か……。[地上波(邦画)] 3点(2006-07-03 06:03:26)

17.  ヒドゥン(1987) 単純に面白い。B級映画とはかくあるべし,というお手本のような映画だ。観ているうちに,監督のジャック・ショルダーが,メジャー街道を駆け上がる直前のジェームズ・キャメロンと重なって見えた。あるいは,見えた気がした。実際そうならなかったのは残念だが,歯切れ良いテンポとともに物語を前進させていく手腕は,凡百とは違う卓越したストーリーテラーであることの証明になる。白皙の美青年という表現がぴったりのカイル・マクラクランの存在が,作品全体にどことなくまとわりつく静謐さを醸し出していて,一風変わった雰囲気のSFアクションに仕上がった。ところでいつも思うことだが,こういう脚本勝負の秀逸なB級映画が,なぜ我々日本人にはつくれないのだろう。悔しくもあり,羨ましくもある。[地上波(吹替)] 7点(2006-06-28 22:17:27)

18.  キング・コング(2005) ピーター・ジャクソンは積年の思いのたけを映像に詰めたという。では,33年版オリジナルのどの点に彼は心を奪われたのだろう。観ていて,この疑問が最後までつきまとった。特殊撮影で命を吹き込まれた架空のモンスターの姿にか?それとも,ただ文明批判をしたかったのか?それならわかるが,もし人間の女とモンスターとのラブロマンスを描きたかったというなら,それは単なるお涙ちょうだいである。中盤からやけにその手のシーンに時間を割いているようだが,では肝心のオリジナルはというと,そんな甘ったるいところは意外なほどない。ヒロインは最後までキャーキャー喚いている。彼女を守ろうと身体を張ったコングには申し訳ないが,つまり,一方通行の片想いなのだ。ピーター・ジャクソンがそのことを不憫に……と考えたのなら,強い思い入れが勢い余って,いらぬ演出を施してしまったとしかいいようがない。要するに,擬人化しすぎているのである。そうすれば間違いなく観客の共感は得られるし,懐の財布は分厚くなるが……しかし,そんな風に安易なメロドラマにしてしまっていいものか。本当に彼はオリジナルのどこに惹かれたのだろう。[DVD(吹替)] 6点(2006-06-26 22:05:29)

19.  パニック・イン・スタジアム 《ネタバレ》 10万人の観衆でごった返すスーパーボウルの競技場に,1人の男が忍び込んだ。素性の知れないその男の手には,高性能ライフルが……という設定は,物語としては手垢がついているのかもしれないが,本作ではサスペンスの盛り上げ方がとても秀逸で,無理がない。冒頭の,ホテルの窓からたまたま通りかかった自転車の男を射殺する場面では,これから何が始まるのかを観る者に予感させて,思わずぞっとする。犯人の姿はテレビカメラ,あるいはSWAT隊員のライフルスコープ越しでしか見えず,それも不鮮明に映るため,不気味さと恐ろしさは倍増である。それだけなら一本調子で終始しがちなところも,競技場を訪れた観客たちの人間模様を同時並行で見せることで,ストーリーに奥行きを持たせてある。サスペンス映画としても,アクション映画としてもよくできていると思った。なお,状況的にはSWATチームの負け。2名が殺され(1人が犯人に射殺されてロープで宙吊りになっても,試合に興奮する観客たちは背後にぶら下がる死体に気づかない),隊長も撃たれたのだから。仇を取ったのが,寄る年波を隠せないチャールトン・ヘストンというのが何だか反則のような気もするが,これは御大に花をもたせたというべきでしょう。SWAT隊長を演じたジョン・カサヴェテスのサングラス姿が渋い。最後まで正体不明だった犯人について言った,最後の台詞もまた渋い。「……奴のことはマスコミが全部調べてくれるさ。住んでいるところはどこで,仕事は何で,家には優しいママがいて,そして,それが終わったらまた次のニュースだ。でも俺たちは……」みたいな内容だった。兇悪犯罪へのやりきれなさが余韻となって残る。 《追記》1975年に公開されたTV映画「パニック・イン・テキサスタワー」を明らかに意識しています(昔,金曜ロードショーあたりで何度か放映)。あるいはモチーフを拝借したかもしれません。余談ですが,「パニック・イン・テキサスタワー」の無差別射殺犯は,当時まだ無名だったカート・ラッセルが演じていました。作中ではほとんど喋っていません。[地上波(吹替)] 8点(2006-06-26 14:59:04)

20.  モンスターズ・インク 数あるPixer作品の中でも,とりわけ光り輝いていて,実にすばらしい。精緻を極めたCGも,練りに練り込まれたシナリオも抜群だが,この作品の肝は,観る側もそして創る側もみな子供の視点という椅子の上に座っているということである。いや,座らされていると言うべきか。無理矢理そうさせられるのでなくて,あざとくなく自然とそうなっていくのだ。うまいという表現はもはや当たらず,あえて作品が持つ魔術的な磁力のせいと言わざるをえない。Pixerのスタッフたちが心から楽しみながら仕事しているという雰囲気が映像から伝わってきて,何だか羨ましい。こういう洒脱なファンタジーは,残念ながら日本人の手に余るのをまざまざと思い知らされるせいもあるかな。全編,洒落た遊び心が満ち満ちて,ケチをつける気にすらならない。文句なしの満点です。ところで,終盤,敵役のランドールが追放されたトレーラーハウス。あれって,バグズ・ライフにも登場してます。そんなどうでもいいことを,楽しい仕事ゆえの余裕からか,何のてらいもなくやってしまうPixerの懐の広さに脱帽であります。[ビデオ(吹替)] 10点(2006-06-23 18:37:46)(良:2票)

023.28%
123.28%
211.64%
334.92%
446.56%
546.56%
658.20%
7813.11%
81626.23%
91016.39%
1069.84%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS