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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 ブラック世界でブラックなお話。しかしまあ詰まる所、グロがしたいだけの映画です。殺しがしたいのか復讐がしたいのか判らなくなるほどに、延々と人を殺し続けるシーンが続く。いくらなんでも長い。メリハリがあるわけでもなく、本当に延々とただただ人の喉をさっくりと切り裂き続けるシーンに閉口する。皮肉を利かせたつもりだろう死んだはずの妻関連も、顔を合わせても気付かない主人公に「それだけ愛していたならとっとと気付けよ」とツッコミを入れずにはいられない。そう、とっくに観客は気付いている。楽曲は良かったので+1点。[DVD(字幕)] 4点(2010-07-24 02:43:51) 2. ユメ十夜 一応夏目漱石原作。映画もそれを大きく見出しに打ち出しているが、内容はもう原型を留めていないものが多い。原作からインスパイアされて製作されたオムニバスという感じ。原作が原作だし、あれをそのまま映像化しても面白くなるとも思えないので、話をアレンジするのはいいが、正直言ってあまり良質にアレンジされたものが見当たらない。妙にホラーチック、グロテスクにアレンジされたものが目立ちます。単純に面白くないものが殆どなんですな。こんな中に市川崑監督が参加していることにちょっとびっくり。彼の映像化したものはかなり原作に忠実。この話を選択したのは最良だったでしょう。他には、宮籐官九郎の運慶の話が面白かった。一応ユメの順番は原作と同じなので原作と対比して楽しむことも出来る。が、残念ながら楽しめる出来ではありません。[CS・衛星(邦画)] 2点(2009-09-01 05:37:17)(良:1票) 3. クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 アイディアひとつで随分新鮮に見られるものだということには感心する。しかし、わざとかと思うほど突っ込みどころが多い。何があっても壊れないビデオカメラとか、何があってもちゃんとビデオを廻し続けるとか、さっきまで瀕死だった女が全速力で走ってる(これには寧ろ爆笑だったが)とか、その他にも多々、誰でも突っ込みたくなる箇所の多いこと。序盤が延々と結婚パーティーかなにかで、あいつとやったとかやらないとか下品な話が続くのもたるい。もっとさっさと怪物を登場させても良かったんじゃないのか。怪物の全身像をはっきり出してしまったのもちょっとがっかり。出さないほうが得体の知れないままで良かった。その得体知れないものに為す術も無く攻撃され続けるところに独特の恐ろしさがあったはずなのにもったいない。地下に潜ったら、いきなり普通のエイリアンものになってしまうのもハリウッドの想像力の貧困さを感じる。発想は良かったけど、完全に生かしきるには到らず、明らかに粗い。まあそれでもアイディア賞で6点。[DVD(字幕)] 6点(2009-09-01 05:00:34) 4. あしたの私のつくり方 とにかく良く喋り、よく説明してくれる。映像表現ではなく、あえて言葉で直接的に表現するというのが狙いなのだろうか。しかしこれがどこかの心理学系の本から引用したんじゃないかと思えるほどのお定まりの台詞や表現で閉口する。人物像もただありがちというより、度を越したステレオタイプ。ここまで定型で打ち出す必要があるんだろうか。こうも作られてはメッセージを受け取る気分にもならない。それでいて妙に家は金持ち住まいってのは何故だろう。身近な問題として描きたいなら、もう少し生活レベルを抑えては如何。そして演技力の低さ。無意味な微笑の演技が蔓延していて、さすがに鼻に付く。大体「友達は大切にしなくちゃね」と言いながら名前も明かさずメールを出すってのはどうなのよ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2008-07-04 06:58:00) 5. アーサーとミニモイの不思議な国 やはり感じるティム・バートン風味。しかしリュック・ベッソンもそういう指向がない訳ではないし、似ていても特別不思議には思いません。それにしても、妖精のデザインがいかにも欧米。欧米人特有のデザインセンス。妖精というと外国人にとってはこういう顔立ちのイメージなんだろうなぁと。日本人にはまずウケないだろうデザインだ。完全な異世界ではなく、単にマイクロな世界への冒険というのは好みだが、ストーリーはこんなもんか程度。もう少し驚きが欲しかった。当初のイメージ通り、子供向けか親子向けの映画。[DVD(字幕)] 5点(2008-07-04 06:31:33) 6. エデンより彼方に 《ネタバレ》 夫がゲイでというだけで十分だと思うが、ここに庭師の黒人と妻との関係も絡んで、黒人差別の話まで入ってくる。その為になんだか収拾がつかなくなっているというか、焦点が随分と散ってしまっている印象。常に味方だと言っていた親友が、黒人と妻の関係には冷淡であったりするところに、差別にも種類があり、その根強さは伝わる感じはある。色彩統一した色の演出は無理してる感が出てて、やや微妙。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-07-04 06:13:49) 7. オーシャンズ13 前作ほど酷くは無い。アル・パチーノが好きなんで、それだけで観ていられたってのもありますが。しかし秘書があんまり有能そうでもないし、あんまりセクシーでもない、ただのおばちゃんに見えるってのはどうにかならなかったものだろうか。[DVD(字幕)] 4点(2008-07-04 06:06:25) 8. ピッチブラック 《ネタバレ》 続編の「リディック」を先に見た状態での鑑賞。あちらに比べてリディックが弱いことに驚いた。いたって普通に捕まっている。しかも捕まえている保安官が全然強そうに見えない。見栄えが利かないって言うか絵にならない地味さ加減。もう少しキャスティングをどうにかできなかったものか。続編と違ってこちらはパニックムービーに近い。エイリアン的。だが安っぽい。予算もないのだろうけど、CGも見るからに安いです。クリーチャーも結局エイリアンや恐竜の派生系で目新しさなし。光が彼等を傷つけるという設定は面白かったが詰めが極めて甘く、説得力がゼロになってしまっている。大体、光を恐れているはずなのに、普通に明かりがある中で二人も襲われている。その時点で設定の破綻も甚だしい。あんなに明かりのある状態でダメなら、あの青白い薄明かりで無事なわけが無いだろう。しらける。[DVD(字幕)] 4点(2008-06-10 21:11:22) 9. リディック 《ネタバレ》 かつて観た時はいまいちだったが、今回観てみたら結構良く出来た娯楽映画だと評価アップ。下敷きに聖書の話もちらちら。改宗を強いるとかも昔のキリスト教を思わせる。前作を知らなくてもこれだけで十分に楽しめる。とことん強い主人公というのもこの手の映画では必須。良くある強い主人公の一時的敗北パターンもない。ちょっとやられたシーン程度。灼熱の惑星などの設定も良い。最後の皮肉な結末も好み。[DVD(字幕)] 7点(2008-06-10 21:00:39) 10. 恋するマドリ 《ネタバレ》 ちょっとした想像の何気ない挿入が上手い。設定は出来すぎではあるんだけど、まあ許せる。なかなか楽しく観ていられたが、空港へ追いかけるくだりがあまりにもグダグダ。あの場所におやじさんの登場とか脈絡なさすぎだし、やり過ぎが目に余る。そんなに一生懸命見せ場作ろうとしなくても成立する映画だと思うんだけどなぁ。テンポも良く爽やかで好感が持てる内容だっただけに、この点が非常に残念だ。[DVD(邦画)] 6点(2008-05-31 18:12:01)(良:1票) 11. グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 化け物の登場シーンが素晴らしい。電車の窓からの視点による化け物の襲撃シーンなどの挿入が、なんと利いていることか。この勢いで面白くなるかと思いきや、妙なおふざけが緊張感を根こそぎ削ってしまう。つっこみどころ多数。リアリティ度もどんどん落ちていく。まあそれは措いても、やはり悪ふざけが前面に出すぎて、娘が攫われたという緊張感が無いに等しいという点がどうにも受け入れ難い。娘の結末には自分的には納得がいったし、ふざけないでいてさえくれれば普通に楽しめたんだがね。惜しいとこ。鑑賞後、「殺人の追憶」の監督さんだと知って納得。あれも無駄なコメディタッチが緊張感を裂く出来だった。これがこの監督のカラーということなんだろう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-31 17:45:24) 12. リバティーン 《ネタバレ》 ただの天邪鬼の馬鹿な男が自業自得を極めるだけの話。女優自身も魅力に欠けていて、単に自信過剰な高慢ちき。どこに女優としての魅力があったのかも不明。この女優と何時どのように破局したのかもイマイチ判然とせず。そもそも人物の内面に踏み込んでいかないのだから天邪鬼は天邪鬼のまま成立してしまい、劇作家がどれほど悲劇を嘆こうと伝わってくるものに欠ける。[DVD(字幕)] 3点(2008-05-08 02:40:23) 13. ラブ・アクチュアリー 同時進行型オムニバス。比較的下の話が多めなのがちょっと意外。何らかの性的な要素が絡むのは仕方ないのだろうか。しかし楽しめるのはやはりそういう要素が低めの話の方。アメリカがまるでエロ大国のようなおちょくり方は面白かったけど。[DVD(字幕)] 5点(2008-05-08 02:23:08)(笑:1票) 14. ウィニング・パス 《ネタバレ》 ストーリーは至って普通。各要素は提示するだけで掘り下げが足りず、深みなし。最後は自分がシュートを撃たずに誰かにパスするのだろうと思ったら、自分でシュートを撃つんでびっくり。あそこはベタでも誰かにパスして、主人公の成長を表すべきなんじゃないのかね。[CS・衛星(邦画)] 4点(2008-05-01 23:48:29) 15. スパイダーマン3 《ネタバレ》 初っ端の親友との戦闘シーンは最早アトラクションムービー。ここまでやってくれればもうCGどうこうとは言う気もなくなる。スピード感も相当だし、映画館で見ていれば迫力倍増で存分に楽しめただろうと思う。ストーリーもそれなりにあれこれ入り組ませながらやってる方。アメコミ原作だし、もともとアクション物だしで、そんな深いものを求めるのは筋が違うが、人間の負の感情を餌として食いついてくる地球外生物はそれだけで物語りにアクセントを付けてくれるし、明確で判り易い。まあ便利な存在。研究所がモニターでチェックもせずに実験をするなど有り得ないことをしたり、恋人が見ていると判っている表彰式でキスをしてしまったり、おばさんが突然都合よく訪ねてきたり、あのタイミングで執事が「私は全てを見ていました」などと今更告白したりだの、結構首をかしげる部分も少なくは無い。サンドマンも結局倒せてないし、親友も死ぬ必要なかったような。まあ楽しめたからいいじゃないかと許してしまおう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-20 18:44:42)(良:1票) 16. 運命じゃない人 良い時の宮籐官九郎に三谷幸喜エキスが少し入ったようなイメージ。時間が微妙に何度も戻りながら真相、というかその裏側を明かしていくある種のザッピング的構成が絶妙。時間の受け渡しがとても上手く出来ている。観たことも無いような役者が殆どというのもこの映画を素直に楽しめるポイント。良作です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-04-20 18:22:00) 17. 孔雀 我が家の風景 《ネタバレ》 ひとつの家庭の三人兄弟の今思えば幸せだった昔を弟が振り返るという感じの映画。まずは姉パート、兄パート、そして自分パートと、三分割してそれぞれの生活を描くという構成。正直これが失敗。殆ど意味がない。素直に同時進行させて描いた方がわかりやすくまだ面白くなるだろうと思える。中途半端に計算高いだけで、いまいちバイタリティに欠ける姉など、人物の魅力が根本的に欠如している。彼等の歩む人生も魅力的とは言い難く、ただただ長いだけだった。どうでも良い奴等のどうでもいい人生など本当にどうでもいいのである。[CS・衛星(字幕)] 2点(2008-04-18 03:10:42) 18. クィーン 《ネタバレ》 もっとエリザベス女王におべんちゃら気味の映画かと思っていたが、思ったほどでもない。終盤は結構べんちゃら気味ではあるけれど。ダイアナに擦り寄ったかと思えば女王に擦り寄るお忙しいブレアが象徴的な、あっちもこっちにも良い顔をしようとしたような作り。これでは主張がぼけるのも当然だ。もっとエリザベス女王の功績や人間性のみに目を向けた映画なら観る価値はあったかもしれないが、下手にダイアナ事故を扱ったがために今更感と嘘っぽさが強くなってしまいました。[DVD(字幕)] 5点(2008-04-18 02:53:31) 19. ザ・コーポレーション 企業の歴史と罪を問うたドキュメンタリー映画。知らなかったことも多い。知らないのと一応でも知っているのとでは大して変わらんようで大違いでもあるので、一見しておく価値はあるだろう。正しいと思うか間違っていると思うかは人それぞれ。この手のものは、観た事によって何かを考えさせれば役目は十分果たしている。それにしてもゴキブリの映像をあんなに流さんでもいいだろう。勘弁してくれ。きっついきっつい。[DVD(字幕)] 7点(2008-04-06 21:18:34) 20. 力道山 《ネタバレ》 もう少しちゃんとした伝記物かと思ったが独自の解釈が蔓延しすぎている。差別との戦いという側面を強く描きすぎでもある。やはり韓国製作ということが影響しているのだろうか。大体、力道山は自分が朝鮮出身であることを隠し通して死んだ訳で、そこにこうも差別問題を絡めて描かれては違和感ありまくり。もう少しやりようがあるだろう。これでは朝鮮人であることを誰にも言えない苦悩などは描きようも無い。子供がいたはずだが、子供の姿はなし。再婚をしているはずだが、その面もなし。弟子だった馬場や猪木も登場しない。猪木くらいは登場させて欲しかった。これを単に「信じられるものが何もなくなってジタバタとして堕ちていく英雄の末路を描いた映画」として捉えて観ればそれなりに見ていられるのかも知れないが、力道山の伝記物として捉えるとなんとも言いようの無い出来だ。主演のソル・ギョングは貫禄もあり力道山に相応しく思える。さすがに日本語はたどたどしいけど許容範囲。身体を張ったプロレスシーンも含めて本当によく頑張っています。[CS・衛星(邦画)] 4点(2008-04-06 20:44:27)
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