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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 生きる 《ネタバレ》 黒澤の作品は三船敏郎演ずる超人的な個性とテーマを融合させるのが作品の特徴です。その主役の個性を引き立たせる脇役たちの存在がもうひとつの特徴です。この映画が輝いている理由のひとつは、名脇役たちの名演技が際立っていることだと気づきました。陳情の主婦役の菅井きん(最高!)、ヤクザの宮口精二(眼光キラ!)、作家の伊藤雄之助、同僚役の左卜全(存在感だけで笑えます)、患者の渡辺篤、係長役の藤原釜足、などなど。みんな画面に登場した瞬間に「あ、こういう人なんだ」と自然と納得させられてしまいます。課長役の志村喬も中盤からは回想シーンのみの登場になるわけで、完全に脇役になってしまいます。 肝心の作品のテーマについてですが、黒澤は若いころはロシア文学に傾倒しており、この作品もその影響が強いと思いますが、トルストイとかドストエフキーとかを読み込んでからコメントを試みたいと思っています。[映画館(邦画)] 10点(2010-01-10 15:54:47)《改行有》 2. 灰とダイヤモンド 《ネタバレ》 せっかく戦争が終わったのに誰も浮かれていません。待ち行く人は皆うつろです。家族に心を開かない共産党指導者、戦争を終わらせたくない旧レジスタンスや軍人、新政府に出世の糸口を見出す打算的な役人、戦争が終わってもその虚無感を背負い続けなければいけない人々の業。朝までダラダラ続くパーティー、廃墟のさかさまのキリスト、これらは戦後ポーランドの混乱の象徴でしょう。自分の行き方に疑問を抱きつつも、結局は戦争をすてられないマチェック。シーツの波を抜けてゴミ捨て場で死んでいくラストは屈指の名シーンです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-15 11:37:51) 3. 夜と霧 《ネタバレ》 ユダヤ人虐殺というナチスドイツの戦争犯罪を告発するドキュメンタリーです。ナレーションは状況説明にとどめ、製作当時の映像と戦争当時の写真と映像を交互に編集する手法は、あの戦争の悲劇を伝えるのに充分に衝撃的です。32分という短い上映時間は、残虐な映像を冷静に観られるギリギリの時間です。人類の負の記憶として、未来に伝えなければいけない映画のひとつです。 ※ぼかしが入り非常に観づらかった。こういう文芸作品に処理をするのはやめてほしい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-15 10:37:00)《改行有》 4. 七人の侍 これぞ日本映画の、いや世界の宝。語るより観るべし![映画館(邦画)] 10点(2007-12-23 08:30:15)(良:1票)
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