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1. ジャッカルの日
《ネタバレ》 偶然ですが、「狼たちの午後」と続けて鑑賞。「いい映画にはいい音楽がつきもの」という固定観念を、この2作がぶち壊してくれました。音楽も説明的なセリフも不要、映像の力だけで緊張感を保ったまま緩急もつけつつ説得力じゅうぶんな物語を描ききることができるという、「映画」の底力を見せつけられた気がしました。ジャッカルの、用意周到な部分とわりに行き当たりばったりな部分が程よく混在していて、冷酷な殺し屋なのに妙な親近感を覚えます。でもこれ、もし暗殺に成功してあの場はルベルの追及を逃れたとしても、逃げ切って報酬の残り半分を手にするのは難しかっただろうな。[DVD(字幕)] 8点(2007-08-16 23:06:03)
2. ロボコップ(1987)
《ネタバレ》 最初に観たのは中学生くらいで、当時はまぁ普通のSFアクション映画としての
印象しかなかったんですが、後年になって改めて観てみたら…これは快作!
もちろん「ヴァーホーヴェン監督作」という観点で鑑賞したからかも知れませんが、
ハードな暴力表現をシニカルな笑いで紡ぎつつ一大娯楽に仕立てる、という
職人芸が炸裂してます。冒頭のオムニ社で、試作ロボットがプレゼン中に誤作動して
社員を射殺してしまうくだりなんかは、けっこうショッキングなシーンなのに
他の社員たちは「あーあ、やっちゃったよ」的なのんびりした雰囲気だし、
社長も「ジョーンズ、お前には失望したぞ」って人ひとり死んだのに失望だけかよ、
みたいな確信犯的な突っ込みどころが満載。その一方で、他にも挙げられてるとおり
「自分の意志とは無関係にサイボーグにされてしまった主人公が、苦悩しながらも
自我を取り戻す」というアイデンティティ獲得の過程も感情移入しやすく作られていて
映画としての完成度を感じさせます。むろんラストも最高![DVD(字幕)] 8点(2007-08-13 21:41:29)《改行有》
3. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 途中までは「かまいたちに似てるなぁ…」などと思いつつ、「この犯行ができたのは
こいつしかいない、でもそうするとこっちの犯人は…」といった具合で推理する楽しみが
ありましたが、途中で明かされる驚愕の事実によってそれが全くの無駄に!
「多重人格者が自分の脳内で引き起こしていることだから、アリバイも動機も殺害方法も、
何の整合性もとらずに犯行可能」…って、それじゃ何でもありではないですか。
破綻しているとまでは言いませんが、サスペンスとして高い評価はできませんね。
言わばやったもん勝ち。地味な豪華キャストだけが見ものです。[DVD(字幕)] 5点(2007-08-04 15:47:17)(良:1票) 《改行有》
4. スナッチ
見終わって一言、「これぞ完全無欠の痛快活劇!」
冒頭の監視カメラ映像を使ったスタッフロール、そしてダイヤ強奪後に流れる
登場人物紹介のあっけにとられるほどのかっこよさ(BGMはその名も“DIAMOND”)。
徹頭徹尾引き込まれっぱなしで、なおかつ吹き替えやらオーディオコメンタリーやらも
交えて4回くらいぶっ続けで鑑賞してしまいました。最低3回は観るべきでしょう。
もちろん脚本ありきの映画ですが、撮影も編集もセンスの固まりという感じで、
「スタイリッシュ」という言葉はこの映画のためにある、とさえ思いました。
あわててガイ・リッチーの前監督作「ロック・ストック~」も観てみましたが、
まさしく「スナッチ」へと昇華する前の才能の発露という感じで、こちらも大満足。
「スウェプト・アウェイ」は文字通り水に流して、早く帰ってきてくれ~。>ガイ・リッチー[DVD(字幕)] 10点(2007-07-29 20:21:58)《改行有》
5. ラッキーナンバー7
《ネタバレ》 「スナッチ」みたいに、いろんなトラブルに巻き込まれた挙げ句複雑にからみ合った話が
最後にまとまるようなスカッとした話かと思ったら、意外と重い展開にびっくり。
気になったのは、他の書き込みにもあるとおり、“ボス”が確実にグッドキャットに
殺人を依頼するように仕向けたという描写がどこにもないこと。
伝説級の凄腕の殺し屋なのはわかるが、何年も連絡してなかったのに急に仕事を頼むには
何か理由がいるのではないでしょうか。
あと、“ボス”も“ラビ”も、お互い標的にされることを恐れて防弾ガラスに囲まれ
車に乗って外出すらしないような生活を送っていたにしては、殺し屋に対しても
借金を返しに来た若者に対しても無防備すぎる。厳重に警備・監視されたビルの最上階に
住んでいるかと思いきや、護衛の手下や監視役を派手に撃ち殺しておきながら
何事もなかったようにボスに謁見できてしまうとは…。
まぁ「人違いされた不運な青年」を装って警戒心を解きながら、その実復讐の機会を
窺っていた…という点では見事にダマされましたが、あくまで観客(とリンジー)を
欺いたに過ぎず、目的達成のためにそれほど必要な策略だったとは思えない
(しかも20年もかけて練り上げた策とは…)のが残念でした。
復讐そのものとは無関係な両巨頭の息子をためらいもなく亡き者にする点でも
共感できず…。グッドキャットが引き取って、血も涙もない暗殺者に育て上げたって
ことなんでしょうか。狙撃もうまいし。
ついでに言うなら、世間から恐れられるほどの殺し屋・グッドキャットがこの復讐劇に
手を貸したメリットって何なんでしょうか。まさか“ラビ”から振り込まれた
ギャラの「半額分」だけってわけでは…。
何だかんだ言いつつ、観てる間は楽しめたのでこの点数です。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-29 18:32:06)(良:1票) 《改行有》
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