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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. 妻の心 三船や千秋実が出てくる珍しい成瀬映画。加東大介を含めて七人の侍の三人が出ているのだなあと感慨深い。高峰秀子・小林桂樹主演で東宝オールスター映画的楽しさもある。内容も成瀬映画としても水準以上のデキ。三船と高峰の雨宿りをするお茶屋さんでのシーンは特に素晴らしく、邦画史に残る名シーンと思う。いるいるこういう人という兄夫婦や母親の人間的な弱さとずるさ、それとは対照的に主人公があこがれる杉葉子と三船兄妹のさわやかな暮らしぶり等、成瀬映画ではよくあるシチュエーションが今回もばっちり決まっている。派手さは全くないが、いつまでも心に残る傑作だと思う。何年かしたら又観てみよう。[映画館(邦画)] 8点(2007-12-25 16:05:53) 3. お遊さま ワンシーンワンカット、長回しの溝口・覗き見ワールドはこの作品でも健在。男女3人の切なくもあり理解不能でもある愛情と感情の機微を丁寧に描くこの内省的な作品であるから、その覗き見感も益々効果的。ホント、観ているうちにこの3人の行くところ行くところについて回ってこっそり押入れの中から覗いているような錯覚に陥ります。お遊さまがそれほど美人にも魅力的にも今の感覚からは見えないのでちょっと減点ですが、じっくりと鑑賞に値する佳作だと思います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-08-17 17:15:51) 4. 赤線地帯 溝口映画を観ていると、他人の生活の中に自分がまぎれこんでじっと覗き見しているような気分になります。例えば押入れの中とか箪笥の中にこっそり忍び込み、じっとそこで繰り広げられるドラマを覗き見しているような。徹底した長回しと役者の極限ともいえる演技を引き出す溝口監督の演出力はやはり偉大です。この作品も観ているうちに引き込まれ、もはや映画を観ているとも思えず、自分が吉原の売春宿のあちらこちらに潜んでただただ覗き見しているような錯覚を覚えます。そこには倫理の押し付けも過剰なドラマもなく、ただただリアルな光景が展開され、但しどの光景を切り取るかの選択という編集の力によって、1時間半弱の覗き見体験がただの覗き見ではなく映画鑑賞という娯楽に昇華される。この「赤線地帯」は一般的に代表作とされる時代物ではなくまさに当時の現代劇な為、この覗き見感覚を最も感じさせてくれる作品です。自分の今いる世界とは違う世界にトリップできる最もお手軽な行為が映画鑑賞であるとすれば、溝口作品が最も偉大な映画であるといっていいのではないでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-13 11:42:05)(良:1票) 5. 七人の侍 ビデオやTVで3回観ていたのですがようやく先日の新宿で劇場で観ることができました。やっぱり満点です。邦画のみならず洋画の「大脱走」と並んで映画の最高峰。シナリオ、役者、演出、音楽、美術など全てが最高。どこが良いのかと一言では言えませんが、とにかくワクワクさせてくれて泣かせてくれて。3時間を超える作品でありながらだれることなく何度観ても楽しめて新たな発見がある映画などそうはありません。未見の方はある意味幸せです。[映画館(邦画)] 10点(2007-08-07 14:01:18) 6. 独立愚連隊 怪作っていうんでしょうか、こういうのは。三船に鶴田ときたら期待しちゃうじゃないですか。それが良い意味で見事に期待を裏切ってくれます。物語も謎解きサスペンスあり、西部劇風一騎打ちありで、単なる戦争アクションという枠組みにあっさりおさまるモノでもありません。佐藤允の何と魅力的なことか。にやけた凄みと会話の面白さが話をひっぱります。織田裕二も椿三十郎じゃなくてこっちのリメイク(もしもあったら)だったらもっと生かせたんじゃないかなあ。それと雪村いずみさんって上戸彩みたいでかわいい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-02 10:08:07)
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