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1. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 かつてこんなバイオレンス映画があったんでしょうか?この映画で主人公が発動するバイオレンスは、基本的には家族や親しき者を守るために発動されるわけですが、敵を成敗したことによるカタルシスの一切をこの映画は禁じています。ではどんな感情を持ってこのバイオレンスを受け止めればよいのか。家族を守るための暴力が、逆に家族との溝を深めてしまうというパラドクスを孕んでいる為、物語的には「やるせない暴力」とでも表現できそうなものですが、そんな叙情性の一切を配した画面が、バイオレンスシーンには配置されます。その辺りにこの監督の野心なのか資質なのか、並みの映画にはない力が漲っていることを感じます。先に、カタルシスが禁じられていると書きましたが、物語が進行するより以前にこの話が英雄譚ではないだろうという予感を私たちに抱かせてしまう演出の妙。またジョーイの圧倒的で的確な殺戮スキルは思わずランボー辺りを思い出しそうなところですが、そんな楽天的な連想は当然許されず。リッチーの最期におけるユーモアからはタランティーノを想起すると瞬時に否定され。と、バイオレンス映画の歴史から屹立せんとする監督の意志とジョーイの眼差しに、まさに映画の記憶の更新をさせられてしまった気分です。[DVD(字幕)] 9点(2013-05-18 06:40:36)
2. グラン・トリノ
イーストウッドが実にいきいきと頑固で孤独で強き老人を演じており、いきいきとという表現が妥当かわかりませんが、とにかくこちらが楽しくなってしまいます。孤独な老人が人との絆を取り戻すというベタな設定も、イーストウッドにかかれば違った楽しみが加わります。果たして銃の引き金を引くのか引かんのか?もしくは引くまでもないのか。イーストウッドにあって引くまでもないなんてことがあり得るのか?しかし今回ばかりは、イーストウッドがこれまでバッタバッタと倒してきた敵とは趣が異なり「救われない」子どもが相手なわけで。かといってイーストウッドをして握られた銃が最後まで火を吹かない映画を作るとも思えない。そんなスリルを孕んだまま進む映画の結末は、やはり一貫してイーストウッドはイーストウッドだったと、意外性をも包括した説得力を持っていたと思います。[DVD(字幕)] 9点(2013-05-18 05:41:19)
3. マイ・ボディガード(2004)
映画においては興ざめさせられることの多いデジタルエフェクトの類も、決してマイナスに感じずにいられたのは、純粋によい映画だったから。このキャストでここまで血生臭くしてしまってよいのか思わず心配しましたが、それがあってこそですね、この映画の魅力は。残虐シーンにもユーモアがまぶしてあります。しかしデンゼルはあくまで真顔。監督はずいぶんと楽しんでたのでは?いや、むしろサラリと撮っちゃうのかな、知的に。程よく抑制・統制されている印象と、予定調和を崩すイタズラっぽい印象との両方があり、こういう映画こそ、やっぱり映画って良いもんだなぁとささやかな幸福感を与えてくれます。これがもしラスト辺りにダコタちゃんの悲しみを何カットもふんだんに盛り込んでいたら、感動の押し売り広告みたいになっちゃうんでしょう。それはそれで楽しめるかもしれませんが。しかし良い映画ってきっと、ダコタちゃんの1カットとペンダントと静かに落ちる手、これで十分なんです。そしてもちろんあの橋、ね。[DVD(字幕)] 9点(2013-05-18 05:26:35)
4. マジェスティック(1974)
《ネタバレ》 マジェスティック!カッチョイイじゃないですか!こんな話が映画になるなんてアメリカ映画の懐の深さに深謝。いくらなんでもスイカ畑を巡る復習でドンパチってないんじゃない?とか、スイカ割りまくるなんて、少しは名の通った殺し屋にしちゃやることセコくない?とか、映画作るにあたって、お金出す人から苦情出なかったんでしょうか?出なかったんでしょうね。アメリカ映画ばんざい![DVD(字幕)] 8点(2011-10-30 07:03:27)
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