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1. スケアクロウ
《ネタバレ》 ほぼ同じ時期にゴッド・ファーザーを演じたアルが名もないダメ男を演じる。子供のような大きい眼をして。カミサンと子供がいたり刑務所暮らしであったりして十分世間の垢をまとっている筈だが異常な程に純真無垢な30男。相棒の大男の頑なな心はその厚着と共に一枚一枚はぎとられていく。しかし自分の心の拠り所を失った瞬間、彼は崩壊する。あっけなくも無残に。純真すぎたでくのぼう(かかし)には耐えられない醜悪な世界。この時期のアルだから演じられた一世一代の名演技。
酒場で喧嘩しているジーン・ハックマンを止めて、どこからか潜水服を持ち出しておどける場面を見るたび泣けてくる。そしてかつては純白だったリボン付きの大きな箱。少しずつ汚されてひしゃげて、ついには置き去りにされる大きな白かった箱。あれはライオン自身なのだろうか。[映画館(字幕)] 10点(2009-01-18 07:01:03)《改行有》
2. Kids Return キッズ・リターン
《ネタバレ》 北野監督は過去の邦画によるボクシングシーンの駄目さ加減に腹を立てて、この映画を撮ったのでは?と感じた。ジムの運営や反則技等かなりリアルな日本のボクシング事情がそこには描かれていて頼もしい。そしてボクサーを選んだ高木が素晴らしい。ラストシーンは世間の評判程では無いが、閉塞された世界を抜け出せそうだった二人の少年が未だに校庭のグラウンドを二人乗りでぐるぐる廻っている。それ以上でもそれ以下でも無いと(私は感じた)いう絵はラストを飾るには相応しいと思う。監督本人が出演しないものでは最高の出来であり、複数回の鑑賞に堪えうる名作だと思う。かなり空しいが。[DVD(邦画)] 9点(2009-01-18 06:43:27)
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