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1. ルパン三世(1978)
懐かしいです。小学生の頃、再放送でテレビ版を見ていた延長で本作も洋画劇場で初めて観ました。ルパン好きが高じて原作マンガを集め始めると、単なるドロボーアクションではなく、エロい大人向けの作品であることを認識したものでした。本作もTVアニメ版では難しかったであろうアダルトな雰囲気と、故・山田康雄氏による情感あるルパンとのバランスが絶妙であり、巨大脳ミソが無音で破裂するラストまで楽しむことができました。[地上波(邦画)] 7点(2011-11-19 15:07:50)
2. 樺太1945年夏 氷雪の門
1945年8月15日の日本敗戦後もソ連軍の侵攻が続く樺太。生き別れた家族や前線で戦う兵士たちを思い、攻撃の迫る中、現地の郵便局で電話交換業務を続けた9人の女性電話交換士はソ連兵に辱めを受けることをよしとせず自害した、という事実を映画化したものです。かつて日本の一部だった九州ほどの面積を持つ島で起こった戦争による悲劇、という稀有なテーマです。が、冒頭で氷雪の門(慰霊碑)のあらましが解説される時点で本作品の帰結は全て知らされることとなり、その後の鑑賞は事実をただ映像化したものに過ぎず、映像表現として特筆すべきものは何一つありませんでした。[映画館(邦画)] 1点(2011-11-19 15:06:44)
3. 仁義なき戦い
ヤクザモノと聞いて鑑賞に難色を示す妻に、日本版の『ゴッド・ファーザー』らしいよ、と説得して、そうであることを期待しつつ共に鑑賞。冒頭からやられたらやり返すという倫理をひたすら実践してゆき、赤鉛筆のような血しぶきを上げながらぽんぽん人が死んでいきます。その殺しの倫理が実に無邪気かつ罪悪感のないものであり、時に中学生のように純真に見えてきて、複雑に入り組んだ抗争図と、登場人物の苦悩がいつしかかすんでしまいます。私たちの関心は、松方弘樹はいつサングラスを取るのだろうとか、当時梅宮辰夫はアンナが生まれたばかりだったのだろうかとか、田中邦衛はいつ北の国に帰るのかに注がれたのでした。戦後直後という舞台設定、公開年が1年だけ異なるという類似点の多い『ゴッド・ファーザー』では、血の繋がった家族の安全を脅かすものは誰であろうと全力で排除するという信条を貫くマフィア一族が描れていましたが、人情を何よりも信じる一匹狼の極道者が仁義無き組織に挑むという構図は、実に対照的でした。[DVD(邦画)] 3点(2010-11-28 22:59:07)(良:1票)
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