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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ザ・レポート 真面目な作品。やや(かなり)退屈。 でもダンのような人間がいることに米国の人材の豊富なことを感じる。それはもう感動的なまでに。 近頃はまるで今までと違う国を見ているようなアメリカをまだ信じたい気持ちがあるのは、あの国にはたくさんのダンがいるのだから、ということが大きい。 アダム・ドライバーがハマリ役です。彼の好演がなければこの平板な脚本に付き合うのはかなりキツかっただろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-03-26 23:02:52)《改行有》 2. セイフ ヘイヴン 《ネタバレ》 この監督らしい、心の通い合い描写の丹念なこと。丹念ではあるけど、どうも合わなかった。訳アリそうな女と子持ちのシングルファーザーの恋バナだけどまあ陳腐。 主演二人はキレイな顔だけど今ひとつハリウッド俳優としてのオーラが乏しくて引き込まれず「どこかの知らないカップル」どまりに感じ、なんかこの二人の行く末はどうでもいいやと思っちゃった。 そもそも恋愛話よりはサスペンス部分の方に興味を持って観始めたので、こちらサイドの雑なつくりにはがっかりです。あるわけないじゃないか現役警官があんなムチャクチャ。それに人同士の心理描写に注力するはずの監督が、この暴力夫とヒロインのいきさつについてはほとんど台詞説明で済ますてのもずいぶん手抜きではないですか。 すっかり冷めちゃったのでラストの種明かしのところもいやあ、盛ってきたなあ・・としか。合わないなあこの監督とは。良い人なんだろうけど。[CS・衛星(字幕)] 4点(2025-03-18 23:21:05)《改行有》 3. RAW~少女のめざめ~ 《ネタバレ》 ちょっと苦手なテイスト。少女が自我を確立して大人へと移行する時期を描いた成長譚とも取れるけど、カニバリズムていうのが猛烈に極端だなあ。ホラーなんだからそれで良いのよと言われればそうだけど。 なんだか描写の何もかもが過剰に感じる。大学生にもなって新入生イジメとか幼稚に過ぎませんか。廊下を上級生とすれ違う時は顔を下げろだなんて宝塚かい。教授も信じられないくらいに意地悪。 ヒロインのアレルギー反応でできた湿疹も観客の恐怖心を煽るためだけにグロテスクに作ってるでしょ。 学校の寮なのにゲイだからって男子と女子を同室にするなんて理解が追いつかないし、そういや冒頭からして母親が助手席のダッシュボードに足を上げているのにも引いた。行儀悪すぎん?フランスってこれが普通なんですか。 チーズは好きだけどブルーチーズは無理なんだよなあ。極端なものが得意でないことをつくづく感じつつ、ついでにそんなことを思い出しながらの鑑賞でした。5点で勘弁してください。[CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-28 22:45:42)《改行有》 4. ようこそ映画音響の世界へ 《ネタバレ》 小学生の感想文みたいだけど、映画の音作りにこんなにたくさんの努力が払われているとは知らなかったです。普段、何気なく耳を素通りしていた映画作品の音。 そうだよね屋外での撮影は余計な音も入ってくるだろうし、雪山を歩く時の雪を踏みしめる音はハッキリとマイクでは拾えないよねえ。 作ったり足したり除いたり。スタッフらの努力とセンスによって作品は彩られているのだとよく伝わりました。 そうそう、スター・ウォーズは音もカッコ良かったのだ。そうだよ何故言われるまで気づかなかったんだろう。ワープ音も宇宙船のごごご、という移動音(?)も誰も聞いたことが無い架空の音なのにすんなりと受け入れて心地よく聞いていた。音職人の仕事の凄いとこはまさにそこ。 映画を観る解像度がちょっと上がりました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-01-19 23:06:17)(良:1票) 《改行有》 5. ウィッチ 《ネタバレ》 人の心ほど怖いものはない。洗練されたホラーに感じました。17世紀の非科学的な考え方から、極端な信仰心から、鬱蒼とした森と曇天の空模様といった舞台装置に至るまで全部恐い。 信仰心ってなんだろ。そもそも心の安らぎを求めての神様なはずなのに、信仰優先で家族がつらい目にあっては本末転倒もいいとこ。こんなこと言っちゃ怒られるかもだけど、信仰てのはほどほどにテキトーなのが良いんじゃないですかね。 この家族、笑顔もほぼ無いもんね。いかにも厳格なピューリタンといった感じで。厳しい生活のなかにあっては最低限のユーモアが絶対に必要だと思うんだけど。 この映画、上手いなと思うのは妄想か現実か、いかようにも取れる描き方をしているところ。おそらく17世紀の人たちがリアルに経験した、感じたままが映像として展開している。実態はおそらく神隠しにあった赤子は大型の動物に捕らわれたのだろうし、(長女の証言を鵜呑みにはできない)弟は森で毒物に接触してしまったのだろうし、そう思い込んでいるから黒ヤギもしゃべるのだろう。 科学のインフラが無い時代は現代よりずっと夜が暗い。「何か」が魔女の集会に見えても仕方ない。 でも何より怖いのは悪魔だの魔女だの「そう思い込んで」自滅してしまう人間の心そのもの。神にすがるだけの父親、ミソジニー気味の母親、意地の悪い双子、全部がやっかいで手に負えない。 当時の証言や日記からインスパイアされた本作はアメリカ版遠野物語。「神」の位置づけが我が国と違うのが興味深かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-20 22:50:51)《改行有》 6. キャノンフィルムズ爆走風雲録 《ネタバレ》 映画馬鹿すぎて、その人生が映画になっちゃう・・って“DUNE”のホドロフスキー氏とか伝説のエド・ウッド氏は存じ上げてましたがイスラエル発の豪快型B級映画監督のことは初めて知りましたよ。ほんとその振り切れ具合が作り物より面白い。 (困った)情熱監督の共通点が分かりやすいです。まずもってお金でトラブる。予算があるとないとに関わらず作品に関して「金に糸目をつけない」。ギャラの額を、経理担当をすっ飛ばして勝手に口約束したりね。その点オタクのタランティーノは低予算映画でデビューを飾って偉かった。 自分の芸術沼にハマったホドロフスキーも、映画センスが欠乏しつつも自作をこよなく愛したエド・ウッドも、次々とB級作品を量産したメナハムも、なんというか人類極端史の最前線にいる人たちでつくづく尊いなあと思うのでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-11-22 23:18:54)《改行有》 7. ミッション:インポッシブル/フォールアウト 相変わらずサービス精神てんこ盛りのM.Iシリーズ第6作め。落ちたりぶら下がったりよじ登ったり、イーサン・ハントの身体の張りっぷりは今作も超人レベル。生身のトムもよく走り、またフォームがキレイなの。鍛えてるなあ。 裏切りあり引っ掛けもあり、脚本もマンネリ気味ながらやっぱり観ちゃいます。“○○するには××しなければならない”式のミッションが今回も適用されていて、IMFのみなさんの苦労がカサ増しされる黄金のパターン。 でもちょっと長かった。それとトムの容貌がさすがに老けてきてしまっているのが寂しい。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-11-20 23:07:32)《改行有》 8. パーフェクト・プラン 《ネタバレ》 ギャング二組、警察、巻き込まれた民間人の四つ巴と欲張りすぎて、上手く脚本が機能していない。 横取りされたフランス人ギャングは実行犯の兄弟に怨嗟を向けるべきなのでは。なんで仲間内も知らないベンの大家を早々と脅迫してくるのかしら。 ライト夫妻も公園にフランス人ギャングを呼び出してどうするつもりだったの。このくだり、どうしても分からない。 警部補の娘の話も中途半端でぶつ切り。バイオレンス描写にはやけに熱心。話の広げ方が乱暴で粗が目立ちます。大味すぎてつまんないな。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-09 23:28:40)《改行有》 9. ヘンゼル&グレーテル 《ネタバレ》 本国の批評家からは散々な評価だったらしいけど、わたしはこれ結構面白かったです。グリム童話を下敷きにしたファンタジーホラーの中に、当時の捨て子等の社会問題を織り込むとかしてもう少し格調高いテイストに寄れば識者の方々も納得なのかな。 いや、そんな小難しいことは抜きにして悪い魔女をぶっ殺すB級姿勢が良いんですよ本作は。 アクションも観易いし、時代考証も(途中まで)よく再現できているみごとな美術。中世の画ヅラにガトリング砲登場でびっくりさせられますけども、これが妙にマッチしてる。無骨な銃器に魔法の液体をかけてパワーアップ、ってデタラメがまた心地よい。森の中を杖に乗って飛ぶ魔女の画が素敵で、CGを観てわくわくしたのは久しぶりです。 中学生の妄想を余すことなく映像化した快作と言っていいんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-28 23:47:33)《改行有》 10. THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション 《ネタバレ》 三世代にわたる男だけの家族物語。犯罪が絡むパートは緩いし、ファミリーストーリーとしてはやや定番のお涙モノともいえるんだけど、まんまと泣かされてしまった。 男優三人が良い雰囲気なんですよ。滋味あふれるC・プラマーはさすがだし、若手タイ・シェリダンも繊細な表現をうまいことモノにしているし。トラボルタが絵描きには全然見えんけど笑、「難病を抱えた息子を持つ父親」という難役を見事にこなしています。トラボルタといえば昔は「踊れる顔の大きい一発屋」という世評だったけど、時間をかけて不評を覆し息の長い俳優になっていることに感慨を覚えますねえ。 息子の願い三つのうち、好きなのはオカンのエピソード。長らく会ってない母親と再会するお話は何のひねりもなく淡々としているけど、ジャンキーであることをその日だけは一生懸命隠そうとする母と、内心ハラハラの父親と全部わかってる息子。ささやかでか弱い幸福がそこにあって、刺さりました。泣けたなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-20 17:27:58)《改行有》 11. ライリー・ノース 《ネタバレ》 安定ど真ん中の復讐モノ。ヒロイン強い強い。バンバンと敵をぶっとばしてくれて「観る者をスカッとさせる」というこの手の映画の目的をみごとに果たしてくれます。 なんたって敵であるギャングが極悪。それに加担する判事や汚職警官も現れる。ライリーに非は全くないので彼女が復讐鬼になるという説得力がはんぱなくごもっとも。客としてはひたすらライリー頑張れ!です。 ジェニファー・ガーナー、良かったです。アクションも演技力もなかなか。ライリー・ノースその人の造形も良くて、行きがかりに出会ったアル中父親に暴力的に説教をかますシーンには喝采しました。 それと、冒頭の意地悪ママのことをなおざりにしない脚本には瞠目しました笑。もはや戦闘力のレベルが違うってのに、きっちり仕返しするのね。良いと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-24 22:55:12)《改行有》 12. リンカーン弁護士 《ネタバレ》 法廷モノの娯楽サスペンスとして良く出来ていると思います。 人物が多めで細かく絡んでくるわりに観易かった。脚本が上手く整理されているからでしょう。 M・マコノヒーの「叩き上げだけどダンディ」な魅力が本作に適役ですし、戦術がぴたぴたとハマっていく快感は法廷モノならでは。 面白く観られたし、脇役も手堅い。ライアン・フィリップを除いては。ライアンはもう少しがんばれ。役柄を咀嚼しきれていない感じ。究極のクセ者役は難しすぎたか。サイコがかったシリアルキラーという感じ、全然しないもん。ただのライアン・フィリップなのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-17 21:53:23)《改行有》 13. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 《ネタバレ》 いやあ・・恐ろしい。観ている間中ドキドキびくびくして、物語が終了した後もしばらく重たい気分が残る。 近代の戦争は戦地で決着がつくものではとっくになくなっていて、テクノロジーの進化が戦術にも大きく影響しててそれはもう一介の凡人の想像を超えてくるレベル。ロンドンとニューヨークからソマリアの一軒家を爆撃するって??家の中まで偵察できる小型昆虫カメラなんてちょっと前の007に出てきそうなアイテムじゃないですか。 技術がこんなにも進んでそれで人間がタスクを遂行するのにラクになったかといったら全然で。本作のような課題はITだろうがAIだろうが解決不可でありましょう。 あなたならどうするか。誰の立場でこの映画を観るか。観客に突き付けられるこの問いにわたしはおろおろと結論を出せずじまい。 任務として遂行せねばならない劇中の軍人やら政府役人らが数字でつじつま合わせたり、更に上の人間の了承を得ようと躍起になる様は日常レベルでも見かける図で妙に腑に落ちる。 女の子一人の犠牲やむなし、の立場のA・リックマンもまた私人としては孫におもちゃを探して回る一人の祖父であるという背景。人間の限界を感じさせて絶望感まで呼び起こす伏線でした。打ちのめされました。 これが21世紀なのか。誰にもどうにもできないのか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-09-12 23:25:35)《改行有》 14. シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 《ネタバレ》 留守宅を守る軍人の奥方らの親睦会の様子が、人間関係含め面倒くさくて厄介で洋の東西問わず普遍的なんだなあと思いました。楽しい人らだけが楽しい、というほとんど我が国のPTAやら町内会と一緒なのに変に共感しましたね。 「軍人の家族」というくくりで一つにされてもそこは年齢も考えも違う人たちの集まりなわけで、その辺の対比を若手リーダーのリサとベテランかつ夫が高位のケイトに凝縮させているのが巧くて、ちょっとひりひりしました。 やっぱりリサの方が若い感性で支持を集めるわけですよ。ケイトも年代のギャップを受け入れようと懐の深さを見せ続けるのだけど、ベテランとて心が病まないわけはなくクローゼットには未使用の通販グッズの山。 そして終盤にはついに暴発してしまう。やー、この場面あまりの言葉のとげとげしさにリサとの関係修復など不可能ではと思ってしまった。仲直りしてたけど。時々思うけど英語圏って言葉が荒くて攻撃的。そしてわりと水に流すイメージ。不思議。日本人(というか、わたし)が根に持つタイプということなんかな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-02 23:55:02)《改行有》 15. コレクター 暴かれたナチスの真実 《ネタバレ》 山ほどあるナチスの戦争犯罪モノはどれも気が塞ぐ。人間が人間に対してこんなことができるなんて、のオンパレード。本作もピーター・メンテンの犯した村民虐殺の酷さに、その場面だけが印象に残ってしまいそう。 のらりくらりと戦後罪から逃れてきたメンテンを再度法廷に引っ張り出して罪を確定させたい。 主人公のジャーナリストが地道に証拠を集めるストーリーは実話ならではの実直な運びだけれど、欲を言うともうちょっと山場演出が欲しかった気もします。主演の俳優もあまり引きの強いタイプじゃないですし。 ところで調べてもよく分からなかったんだけど、“ナチ親衛隊と親しかった一(いち)オランダ人”が何故親衛隊の制服を着て銃を携えた部下共を引き連れることができたのかしら。戦後ナチス追及機関のリストにも載ってなかったそうですし。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-22 22:22:33)《改行有》 16. ミスター・ガラス 《ネタバレ》 第一章の「アンブレイカブル」からずいぶんと間が開いたのは、いろんな大人の事情があったのでしょうか。20年近いブランクを経ても三部作のラストたる本作を丁寧に作り上げたシャマラン監督の熱意には敬意を表したくなります。 監督、アメコミ好きなんだねえ。S・L・ジャクソン扮するミスター・ガラスの持論「アメコミは人の歴史の記録」説には納得しかねるけども。 実在する(かもしれない)ヒーローたちの人権(?)を擁護しようというシャマラン監督には確実に愛がありました。 ヒーローの存在を消し去る勢力と一人で闘っていたガラス氏。彼の意志は母親のみならず、ほか二名の擁護者にも受け継がれ“この世の奇跡”が世界中に驚きとなって波紋のように広がってゆくラストシーンはなかなか感動的でした。 三部作といっても一、二作目は単品としても成立しているし、三作それぞれにシャマラン印のどんでん返しシナリオが活きているのも偉い。あ、それと出演者。一作目の子役に至るまで全員同じ役者を揃えることができたのは良かったですねえ。時間が経ってみんなに再会できるとうれしいもんです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-07-29 10:27:08)《改行有》 17. L.A.コールドケース 《ネタバレ》 世間を騒がせたラッパー二人の射殺事件とLA警察の腐敗ぶりを線でつなげた攻めの脚本と思う。制作の意欲は買いますよ。 だけどもいかんせん米国ラップミュージック界隈に興味のない人間にとっては初耳の事件なので、登場人物からしてなじみゼロ。J・F・ケネディ暗殺とはわけが違う。 出てくる人物の多いこと多いこと。しかも一人につき三通りの呼び名で話が進むのには参った。非英語圏の観客は面食らうよね。 黒人警官らも入れ代わり立ち代わりなので顔を識別するのに正直相当労力を割きました。そこそこハリウッド映画を数観てきてるけど、ここまでわかりづらいのは そう無いと思う。 なので各情報を頭の中で整理するのに忙しく、映画を楽しむ感じじゃなかったな。うっすらぼんやりと、こんな話だったんだろうという手応えに終わりました。主演二人の熱演に引っ張られてなんとか最後まで付き合った感じです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-16 23:11:06)《改行有》 18. レッド・スパロー 《ネタバレ》 スパイエンタメとしては悪くない出来と思います。ラストの種明かしには少なからず驚かされますし、ロシア国家の恐ろしさは監視・拷問のみならず“行動強制”という描写で強調してますし。 ハニートラッパー養成所がほんとにあったのかは知らんけど、何がリアルってM・スーナールツその人ですよ。完全に本物に寄せてるよね。絶対笑わない目が怖い。 ストーリー展開がやや説明調なので集中が途切れてしまいそうになるのが惜しい。それと個人的にジェニファー・ローレンスをあまり買ってないのでヒロインに入れ込めなかった。この人ってお人形さん型女優で表情筋を30%ほどしか使わない印象。まあその無表情がスパイ役にはハマったかもですが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-07-15 22:36:37)《改行有》 19. サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ- 《ネタバレ》 ラストの1カット、あそこで我々はルーベンが新たな人生の次元に立ったのだと知るのでした。彼が音を失ってから、そこに至るまでの歩みに付き合って、いろんな思いを共有してきました。共有という言葉を使ったのは、音響効果がとても巧みに我々の耳にルーベンの現実を届けてくれるので彼の心情を測りやすかったからです。 難聴になったショック、怒り、ろう者コミュニティでの戸惑いと反発。それらを乗り越えてコミュニティでの信頼を得たときは嬉しかった。でも彼はそこに留まる選択をしなかった。意外に感じたけど、ミュージシャンだものね。音に対する気持ちの大きさは常人のそれとは比べ物にならないほどだったのだろうと推察します。 戻りたかったけれど、もう無くなっていた過去の居場所。それを理解した到達したラストの表情。何とも言えない気持ちになりました。ルーベンがこれからどこへ向かうのかと考えたとき、コミュニティに戻るとは思えなかったです。新しい地平を切り開けるような強い意志が表情から窺えた気がしました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-07-04 22:44:40)《改行有》 20. コッホ先生と僕らの革命 《ネタバレ》 ドイツサッカー黎明期のお話。新しいことや物事の始まりというのは若い世代のエネルギーととても相性が良いもの。本作もサッカーにハマっていく十代の子たちの生き生きした群像が魅力的でした。 19世紀のギムナジウムはクラスの中でも家格の階級が歴然とあり、いじめの標的になるのは労働者階級の子。でもサッカーのゲームにあっては彼はクラス一の活躍を見せ、皆の心の障壁が取れてゆくくだりは青春モノの定番の流れであっても感動します。 権威的な教師陣を相手に互いをかばいあう。サッカーを通してここまで心の成長を促したコッホ先生は教師の鑑ですね。 海の向こうの時代劇は当時の街並みや風俗、考え方などが紙の資料集よりもリアルに伝わってくるので好きです。あ、この頃のドイツってイギリスが発展してるから内心面白くないんだな、とかスポーツの概念が固まるまでは体育って「鍛錬」なんだな(ドイツっぽい)とか。 ・・にしてもドイツ人といえばダニエル・ブリュールのキャスティングは正直そろそろ飽きてきました・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-06-27 22:33:36)《改行有》
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