みんなのシネマレビュー
吉田善作さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

スポンサーリンク
プロフィール
コメント数 21
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1

1.  たぶん悪魔が 《ネタバレ》 ブレッソンの追究した映画像が、荒削りな印象の強い彼の他作品群に対して、本作においてはあまりにも精緻に彫刻されている。その冷たく強固な彫刻は、映画の一つの完成形というに相応しい。五人の若い男女が、現代社会の諸問題と己の錯綜する感情を憂いながら、自堕落とも言える生活をこなしていく。そのような若者たちの美しい運動性と滑稽な思想が、この冷徹な映画のフレームの奥に潜む熱情のうねりとなる。本作の主人公は熱情的な若者から一歩(いや、半歩か)進んだ形で、逃れられない虚無の影に支配される。虚無とはあらゆる事象の終着点かのように思える。そしてまたこの主人公も絶対的な終末の権化であるようだ。しかし虚無とは単なる終末ではないのだ。虚無とは円環の終点であり、また始点でもある。主人公が自殺(厳密には他殺)する虚ろな静謐さをたたえるラストシーン、この美しさと滑稽さが、運動と思想が、円環をもう一回りするためのエネルギーとなる。この渾身のラストシーンを含め、贅肉を徹底的に切除し、鉄の骨組みを想起させる構造が、私の内的世界をなぞるように構築されていく。その冷たくくすぐったい快感が、私をブレッソン映画の中毒者にしてしまう。ブレッソンの映画が好きという方で、もし本作を見逃している人がいたならば、是非一度観賞してください。ブレッソン映画に求めるものの全てが、本作では凝縮した形で得ることができます。[DVD(字幕)] 8点(2012-12-30 16:16:11)

2.  白夜(1971) 《ネタバレ》  この映画を思い出すとき、私は暖かな情感に包まれる。それは本作の持つポップな色彩と、男女の幼い恋がどこかノスタルジックな感傷をもたらすせいだろう。ブレッソンの演出はいつも通りで、スマートな画面とリズミカルなカッティングが申し分なく楽しめる。特にヒロインと下宿人の彼との回想のシークエンスは、ドアの開閉の応酬とヒロインの一挙手一投足(そして裸体)に魅了され、ブレッソン映画が凝縮されていると感じた。あざとい音楽の演出と、黒色が潰れてしまっている夜のシーンが残念ではあったが、それでも本作は、鑑賞から一ヶ月以上経った今でも映画のワンシーンが突拍子もなく頭をよぎったりするほどに、私の内的世界に小さいながらも確固とした領土を得ている。衝撃はないが、長く愛していける本作のような映画には中々出会えない。  主人公はこの青い恋劇を通して愛というものを学んでいく。ヒロインがもたらしてくれた愛情への感謝。「君がくれた幸せに祝福あれ」この台詞に尽きる。[映画館(字幕)] 7点(2012-12-20 02:11:07)《改行有》

3.  雲から抵抗へ 《ネタバレ》  ストローブ=ユイレはセザンヌの眼を持っている。風景を受信する感光板に徹すること。風景から湧き上がる匂い、風、色彩の蒸気を捉えること。彼らのカメラは虚心であろうと耐え忍ぶようにして固定される。風景に意味を持たせてはならない。意味とは制約である。風景の持つ無限に等しい情報を制限してはならない。そうして丹念に写し取られた風景に人物を配置させる。そのフレーミングはフォードやブレッソンの影響を感じさせるが、彼らのそれはさらに鋭く美しい。そして配置した人物に良質なテクストを朗読させる。本作においてはパヴェーゼの「レウコとの対話」と「月とかがり火」という二つの傑作である(映画鑑賞の前後に是非一読してほしい)。このようにして構築された映画が面白くないはずがない。ラストに流れるバッハの「音楽の捧げもの」からのトリオソナタ第三楽章というチョイスも素晴らしい。  しかし、彼らの創作理念に一つ大きな疑念がある。それは登場人物や物語を、高尚と低俗という二項対立の図式に当て嵌めてしまう傾向があるという芸術家としては致命的な問題のことだ。この映画の最後を飾る落日のショット。唯一感光板に徹することを放棄したショットに思えてしまうのだ。  とはいえ草木の放散する青々とした陰影を見事に捉えた映像美と、原作の言語世界に強靭なショット群によって形を与え、情報を与え、確固たる映像世界を築き上げた腕前は他に類を見ないものだ。ストローブ=ユイレの中でもトップクラスの出来映えである本作は紀伊国屋からDVDが出されている。傑作中篇「あの彼らの出会い」も同時収録だからお得だ![DVD(字幕)] 7点(2012-12-08 15:20:09)《改行有》

全部
スポンサーリンク
スポンサーリンク

© 1997 JTNEWS