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1. のるかそるか
《ネタバレ》 個人的には日本語吹き替え版の白熱したセリフ量での笑える会話の応酬が絶品でぜひおススメしたいのだが今のところ過去VHSソフトでしか世に出ていないのが残念。
※現在吹き替え版は完全廃盤で中古市場レンタル落ちビデオのみ入手可能。
血統馬の競技としてなどでなく率直に金欲ギャンブルとして競馬好きなタクシー運転手・リチャードドレイファスが展開していく「夢のような一日物語」はもう痛快の一言。
ラストもドラマ的ファンタジーとして最高の大団円。
主人公ドレイファスを取り巻くキャラクター達、競馬場の仲間達がなんとも秀逸で、彼らの織り成す数々のエピソードに思わず膝を叩いたり時には胸打たれる場面も。
若かりし頃の「SEX & THE CITY」のミランダも面白いキャラ娘で顔を出している。
ラストにはそれら登場キャラクター全員と一緒に歓喜したくなる大フィナーレ、そして愛すべき彼らにまた会いたくなってしまい、あのラストシーンを観たくなってまた観返してしまう。
競馬をよく知らない人でも充分楽しめること間違いなし、これぞ絶妙な手腕で作り上げられたコメディヒューマン感動ドラマ(?)の傑作!
…と心からオススメしたい作品だけれど、そもそも賭け事・ギャンブルに対してネガティブな印象をお持ちの人は題材そのものに敬遠されるかもしれない。
そんな食わず嫌いもこの作品に関してだけは少々勿体ないと感じる。
使い古された言葉「一見の価値あり」この映画についてこそ言わせてもらいたい。[ビデオ(吹替)] 9点(2014-07-10 21:45:41)《改行有》
2. 火垂るの墓(1988)
《ネタバレ》 原作小説は未読な為、あくまでこのアニメ映画に限っての感想として。「名作」「号泣必至」といった絶賛を各所で耳にしていただけに、こんな「ただの自業自得主人公」ストーリーだったとは驚いた。
このアニメで作り手側はいったい何を訴えたかったのか?ただ首をかしげたくなるばかりの物語。
戦火で親を失った不憫な境遇とはいえ、その後の主人公の取っている行動があまりに不遜で身勝手。
感心するほど同情の余地がない。あえて「同情できない主人公」という奇抜な演出設定なのかとすら思ったが作り手はそのまま「ほら可哀想でしょう」というスタンスなのが驚いた。
戦時下を生きて死んだ子供の物語で、まさかその子供主人公に苛立ち憤りまで感じさせられることになるとは。
ジブリとしてアニメーション描写はさすがに緻密だが、そこだけしか取り得がない、話の根幹が語るに全く値しないロクでもない話。
力の入ったアニメ描写で駄話をさも悲しげに語り、一部の(雰囲気に丸め込まれやすい)人達を煙に巻いてまんまとお涙頂戴している、これぞ悪質な「駄作」。
我が国で現実にあった戦時中という間違った料理などしてはならない極めて重い題材だけに、このアニメ屋達のズレた悲劇陶酔ごっこがつくづく腹立たしく許し難い。[DVD(邦画)] 0点(2014-05-30 13:17:10)(良:7票) 《改行有》
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