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1.  さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 《ネタバレ》 のちに孫悟空が、実はサイヤ人でしたということが明かされても、ほとんど誰も驚かなかっただろう。「うまく設定したなあ」という程度の感想だったはずだ。しかし鉄郎が、ハーロックの同志の息子という特権的地位の持ち主だったことには驚いたというより失望した。一般人に見えた主人公が実は凄い人でしたという後付け設定は珍しいことではないが、使い方には気をつけてほしい。特に鉄郎は、一般人に勇気と行動力と優しさを追加装備した、見る側からすると共鳴性が高い主人公だった。それゆえに漫画テレビ映画への長い旅は支持を集めたのだろう。それを台無しにした黒騎士の設定は、そのあからさまなデザインと立ち位置の不透明さも相まって、この作品をぶち壊しにしたと思っている。なーんだハーロック達が鉄郎を助けたのは昔の連れの子だから義理だったのかーと卑しい深読みをさせるような結果になってしまった。残念だ。 総合的に見ると、作らなければよかった続編ということになってしまうのだろうか。松本零士氏は明かされてない謎が残っていたから作ったというようなことを言っているが、別に明かさなくても誰も文句言わなかったような気もする。鉄郎は単なる少年傭兵のようになってしまった。開始30分の老パルチザンの死後、テンションは著しく落ちる。ゲストのミヤウダーやメタルメナももう少し膨らませてもよかった。サイレンの魔女って何ですか。そして黒騎士。鉄郎の最後の見せ場は石炭投入…。 音楽は素晴らしい。サントラもいいがシンセサイザー全開のイメージアルバムは今聴いても新しい。それに作画も優れていると感じる。だがしかし肝心の核の部分が弱かったと言うしかない。 最後に、メーテルにあんなこと言われたら私は降りる。しかし鉄郎とメーテルが二人で降りても、多分遠くないうちに破綻するだろう。彼等は変化と刺激の中でしか生きていけない人たちだから。 文句が多かったけれど、点数は6点。しかし前作は偏愛により12点なのでその余った2点を付与して結局8点にします。高いかな。[ビデオ(邦画)] 8点(2015-02-11 22:22:54)《改行有》

2.  清須会議 《ネタバレ》 さすがの着眼点だなあ、と。久々の密室劇形式かなあ、と。期待しつつ見たが、悪くはないが大した印象もなく普通だなあ、という漠たる感想に落ち着いてしまった。 愛憎渦巻き戦略駆け引き飛び交う人間交差で、このへん三谷氏は相変わらず上手いと思う。池田への説得のあたりとかは流石の才気を感じる。ただ、いかんせん全体的に無駄に長い。これならもう少しキャストを減らし…「豪華俳優陣!」で勝負せず…会議に向けての思惑に劇を集中させ、史実そのものは変えないとしても会議をもっと膨らませて、決着ついて終わりとした方が良かったのではないかと思う。旗取り合戦も、会議後の忍者とかも不要。アクション要素とか無理に入れなくていい。知能戦をもっと掘り下げてほしいというのは欲張りだろうか。 それと、これは異論もあるだろうが、俳優陣に関してはどうしてもいつものメンバーだなあという感が拭えない(大泉秀吉は良い)。確かに豪華で上手いけれど、勝手ながら、皆様プロとしてプロの仕事しました次頑張りますという印象で、灼熱を感じない。三谷氏なら、有名じゃなくとも力量のある俳優をたくさん知っているのではないか? スポンサーの問題とか色々あるんだろうけど、そうした方々を揃え、脚本だけ担当して監督や演出は他の人に任せ、熱気みなぎる密室劇をもう一つ見せてもらいたいと個人的に思う。[映画館(邦画)] 6点(2015-01-25 22:21:13)《改行有》

3.  ロッキー4/炎の友情 《ネタバレ》 音楽多過ぎだと思います。政治的偏向もキツいです。主要キャラを死なせて盛り上げる手法も安易の一言です。もはやボクシングじゃないです。ストーリー短いです。ロッキーはこんな人じゃなかったです。 しかし8点をつけます…。要するに私はこのシリーズが好きなのであった。ごめんなさい。いや、ロッキー5は嫌いだけど。 結局、誰しもの心の奥底に大なり小なり潜む、闘争心とか英雄願望とか、高揚への期待とか、そうした単純な心理に右ストレートで打ち込んだ映画なんだろうな。私は弱い人間だ。だから乗せられやすいのかもしれない。音楽多いとか言っといて「NO EASY WAY OUT」を筆頭にサントラも聴き込んでる。「金曜ロードショー」のイメージが強いからか、吹き替えの方がむしろ好みだ。「お前はやれる、もっとやれる!」とか、そこら中の体育会が真似たんじゃないだろうか。機会があれば雪山を走り回りたいくらいだ。機会があればだが。 単純だなあとか空疎だなあとかシリーズのクオリティ落としてるなあとか、客観的には十分わかる意見だ。しかし人間たるもの最後は好き嫌いが物を言う。この映画が嫌いな人も多いだろう。じっくり話し合おうじゃないか。勝つ自信はないが。[ビデオ(字幕)] 8点(2015-01-18 22:37:22)(良:1票) 《改行有》

4.  アマデウス 《ネタバレ》 クラシックにもモーツァルトにも中世文化にも大した知識も興味もない。そんな私が見てもこの作品は優れていると感じる。人によって色々な角度から見てしまう多様性を有した映画だと思うが、1000年に一人の天才vs10年に一人の秀才の、嫉妬と欲望渦巻く心理スリラーとして滅法面白い。と私は見た。 スケールは違えど、誰もがこういう無邪気で純粋な圧倒的実力者に翻弄されたことがあるのではないか。私も元同級生の○○君とか、元同僚の○○氏とかを思い出した。本人に悪意はない。しかし受け手にとっては嘲笑としか思えない態度、その反面努力もしてない(ように見える)くせに絶対追いつけないような能力…暗い過去が甦る…まあ、私の実力をサリエリに例えたらあの世から殴られそうだ。 多分史実をかなりデフォルメして娯楽にしてるのだろうし、ラストなどは迫力ある一方で、狙い過ぎの感もあった。しかし主人公二人の名演及び怪演と、美術の豪華さ、当然に音楽の凄み等、独自の雰囲気に持って行かれながら2時間余り吸引されたままの鑑賞となれば、「自分が死ぬまでずっと内容を記憶してる映画~しかも好意的な方向で~」の一席は占めますよね。[DVD(字幕)] 9点(2015-01-18 22:20:31)《改行有》

5.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 《ネタバレ》 相変わらず組織上層部は腐り果て、現場最前線だけが正しい。こうした描き方はこのシリーズが流行らせ、警察だけではなく会社やら学校やら何やら、各映画ドラマ小説に於いてよく使われるようになった。それの是非をどうこういうつもりはないが、こういう内容で警察から抗議は来ないのか?と思ってしまった。派手な内部犯行…しかも動機不鮮明なシリアルテロリスト的な人たちが騒いでいて、上層部は抜群の無能ばかりで、私は警察関係者ではないが、そういう方々が見たら怒るかなあと感じた。 それはそうと内容だが、これまでのシリーズ要素を叩き込んで祭りに仕上げたのは悪くない。いつものようにストーリーは無茶苦茶だが(でも前作よりはだいぶマシ)、いちいち突っ込んでいては身が持たない。安心できるキャスト、訴求力のある音楽、上滑り気味のギャグ、大物俳優のチョイ出演などを楽しめればストーリーなんてどうでも…良くはないが、もういいやという気にさせられる。これがシリーズ初見の方は少ないだろうし、これまで支持してくれたファンの皆さんありがとう!あれもこれも出すよ!セットや撮影はお金かけましたよ!最後はバスが突っ込むよ!いいセリフもあるよ!だからストーリーは大目に見てね!というフェスティバル映画ということでもういいんじゃないでしょうか。 しかしファイナルという割りには人間関係を根本から動かすような大ネタはなかったので、興行収入さえ良ければまたやる気満々だったのではないかと思う。良くなかったようなのでどうなるか。[映画館(邦画)] 6点(2014-09-28 17:49:14)(良:1票) 《改行有》

6.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 なぜ軍人の中で山本五十六だけが、戦後これだけ経ってもなお映画の主役を張れるほど人気があるのだろうか? もちろん人間的魅力や味のある言葉などもあるが、個人的には「五十六」という名の抜群のインパクトと、終戦を待たずに戦死したという早世の感がかなり作用しているように思う。もし彼がありふれた名前で、終戦を迎え東京裁判において死刑に処されたなら(確実にそうなっただろう)、印象が変わりこの映画も生まれなかったであろう。まあ、それも無意味なifである。 それで映画の内容だが、当然山本ファンをアテにしているので、彼の愛人問題とかトンパチな部分は全て削除し、全面的に美化されている。「70年目の真実」と銘打っても、多分これは真実ではない。でもドキュメンタリーではないのでそれについては別にどうこう言いたくない。 ただ、真珠湾以前から戦死へ至るまでの出来事が総花的に流れているので、いまひとつメリハリがなかったようには感じた。真珠湾の準備とか、開戦に反対しているならその意志に反し先陣を切るその苦悩とかをもっと描き込んだ方が良かったのではないか。水饅頭とか細かいところには拘ったが、全体を支える序破急が見えなかった印象が残った。CGもあと一歩かな。しかし単に反戦とか平和を叫ぶようなあからさまなメッセージに逃げなかったのは評価したい。 次は是非、牟田口廉也を主人公にして人間と組織の醜さと浅ましさを描きまくったブラックな映画を作ってほしい。企画通らないか…誰も見ないか…私は見に行くが。[DVD(邦画)] 6点(2014-09-20 21:32:39)《改行有》

7.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 いやー、コーヒーカップのアップからの引きなんて面白い撮り方するなーと、ほのぼのと見ていた私は当然騙される。ただ、絶対騙される絶対見抜けないネタバレ絶対禁止などという触れ込みが出回ってから遅れて見たので、たぶん真相(オチ)はこうなんだろうと思ってはいた。それは伏線やヒントをかき集めて分析したのではなく、そこまで言うからにはこうなんだろうと、要するに勘である。だから自慢にならない。それでもラストの歩くシーンは「おおっ」と思った。刑事さん、もっと全力で追いなさい!と。 ならば高評価にしたいところではあるが、実は好きではない。要するに嘘をずっと喋って、それをご丁寧に再現VTRにして、実はほとんど嘘でしたというだけのストーリーだ。再現VTRなしで、スペイシーの喋りだけで映画にした方がよかったのでは?という感じがした。間延びしすぎか。 2回目を見れば発見があるだろうし、見るべきだとも思うが、基本的にはミステリ界で著名なあれやこれと同じ一発ネタの作品に見えてしまい、どうにも食指が動かない。いつかもう一度見ようとは思うが、あまり感想は変わらないと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2014-09-13 22:01:58)《改行有》

8.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 だめだ、私は腐っている。 世評の高さと、すでに感動的なあらすじ等(パッケージに書いてあること)を見て、私はこうしたハートウォーミングな作品を見て励みにして明日から強く歩いてゆくのだ!と誓って鑑賞したが、全然乗れない。 要するに私は勝手に想像していたのだ。お金も家族も職も生き甲斐もないような人が、すごく苦労しているんだけれども、生来の優しさから他人に親切ばかりして、損ばかりして、時に騙されたりして、いよいよ追い込まれたときに天使が現れ、自分が存在しなかった場合の世界を見て、戻ってくると自分が無意識に助けてきた人たちが逆に自分に手を差し伸べてくれて…みたいな。こりゃ泣ける。さあ泣こう、と思っていたのだ。 そしたら、主人公は幸せそのものの家族に包まれ、それなりに経済力もあり、ルックスも良く(映画ですので)、問題ないでしょあなた、という気にさせられた。確かにトラブルに陥るけれども、金銭貸与業はもともと生き馬の目を抜くような世界だし、家族の励みを受けて歯を食いしばって頑張れよ、と。天使さんもこの人のところへ行くくらいなら他に行くところたくさんあるでしょ、と。 確かにラストにはカタルシスを感じるが、映画の盛り上がりに私一人置き去りにされているような気がして、だめだ、私は腐っている、と思いつつエンドマークを眺めたのであった。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-13 21:39:15)(良:2票) 《改行有》

9.  映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊 《ネタバレ》 これまでのリメイク作品は、改変の内容が議論の的であった。リアルタイムでオリジナルを見ている人(私を含む)からすると、おおむね批判的な意見が多かったように思う。 それならばということなのか、今回はほぼ原作通り、ストーリーは勿論、細かいギャグや台詞回しに至るまで、むしろオリジナル以上に原作漫画になぞった形で作られていた。「ペコとその父親がボンクラだったので内乱に至ったのではないか」という原作への指摘をフォローするためか、一応ペコの苦悩と成長が描かれたり、ジャイアンが見せ場でペコを殴るのが追加事項か。ただそれなら、サベールは絶対にペコが倒すべきだったし、「十人の外国人」に関しては新解釈がされるのではないかとひそかに注目していたがその辺はそのままだった。そのためか、十分に面白いながらも、少々物足りないところが残った。改変すれば文句を言い、改変しなくとも文句を言う。これは私の卑しさではなく、ドラえもん映画に対する偏愛と感謝と期待と…要するに思い入れがスパイラルして着地点を見失っているということで許していただきたい。 もともと好きな作品なのでしっかり堪能はしている。ジャイアン=映画だとカッコいい、を決定づけた名作だ。当然のことながら王国はきっちり描かれているし、巨神像のスムーズな動きには驚かされた。他に、直立すると妙に手足が長く、そこまでの可愛さが吹き飛ぶペコや、なんでこんな色と声にしたんだと思ってしまうスピアナ姫など、細かいこと言い出したらキリがない。それもこれも思い入れのスパイラルによるものだ。 再来年はいよいよ「海底鬼岩城」のリメイクかな? バギーが別キャラクターに変換されるかが注目だ。どっちに転んでも文句言いそうだ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-09-13 21:18:22)《改行有》

10.  薔薇の名前 《ネタバレ》 原作を先に読んだ。歴史的名著とされているが、私には書いてあることの30%くらいしか分からなかった。しかし、あの「薔薇の名前」を読んだ男なのだ私は、というささやかな達成感は隠し切れないのだった。 それは置いといて、映画の方はそうした衒学的と言うか要するに難しいところはかなり削って、端正なサスペンスに仕上げている。とにかく中世修道院を再現した美術が素晴らしい。その世界観に触れるだけでも一見の価値ありである。DVDの特典映像はむしろ白けてしまうので見ないほうがいいかも。それで、肝心なストーリーだが、笑い云々のところがよく分からなかった(結局分からないんじゃないか)が、審問から迷宮の終盤に至るまできちんと盛上げてくれるのは悪くない。ただ、あの大人向けのシーンは必要だったのか…私は大喜びだったが、喜ばない人も多いだろうし、映画全体から浮いている感は否めない。私は激しく大喜びだったけど。[ビデオ(字幕)] 7点(2014-07-19 21:37:14)(良:1票) 《改行有》

11.  麒麟の翼~劇場版・新参者~ 《ネタバレ》 先に原作を読んでしまっていたので、内容的には特に驚きはない。スムーズなミステリものだが、映像や演出とかは豪華なドラマレベルといったところ。 何故このタイトルなのか?タイトルに込められた意味とは?という面ではどうにも弱すぎる。それは映画ではなく原作の問題なのだが、東野圭吾担当の敏腕編集者が麒麟像を見つけてきて、次作はこれで行きましょうと薦め、作者が乗ったのではないかと勝手に思っている。 それに加えて好きになれないのは、どうにも二人の人物に対しての温かな描き方が気に障るからである。 まず八島。単にその辺に落ちている鞄を拾い逃げたならまだ同情の余地もある。しかし逆恨みの対象とはいえ、自分が知っている人物が非常事態に陥っているのを知りながらその人の鞄を奪い逃げるのは蛮行としか言いようがない。仕事がない、子どもが出来た、そんなもん言い訳になるか。などと怒りを禁じえない。こんな奴のどこに惚れたんだこの彼女は…というのは関係ない。 次、青柳悠人。後輩に対する過失致傷の重さもさることながら、その後輩がどこで何してるかを気にも留めずに平穏に生き、そしてその後輩の姿と母の静かなる怒りを知りながら侘びを入れるでもなく匿名でネット上で罪の意識を軽減させる…そりゃ父親も怒るわ。ちょっと格好いいからっていい気になっているんじゃないか…というのは関係ない。 補足すると、この二人がやらかしたことは人の弱さに起因するものであり、私も当事者になったら同じことをするかもしれない。ただ、それをあたかも悲劇のヒーローであるかのように描かれているのが気に入らないと言っているのである。 で、ここでお願いだが、出来ればミもフタもない続編を作ってほしい。 真実を知った吉永母のマグマのような怒りは正視できるか。微笑から静かに放たれる罵声の数々。私立中学を襲った大スキャンダル。糸川先生に全て押し付ける校長の隠蔽工作。吉永母の代理人となった敏腕弁護士の猛攻撃。青柳家、父の祈りも虚しく一家崩壊。青柳妹、「殺人犯の妹」のレッテルを貼られ再度のリストカット。天空に向けて炎を吐く麒麟像。既に舞台は法廷と家庭に移り、事件は完結しているため手が出せない加賀。その加賀に必要以上に接近してくる看護師・金森との禁断の恋…タイトル「麒麟の復讐」。ま、間違いなく製作されないだろうな。売れないし。[DVD(邦画)] 5点(2014-07-19 21:17:06)《改行有》

12.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 内田けんじ作品ということで眉に唾をつけて見る。どうやって騙してくれるのか?こういうパターンか?それともこうか?なるほど、そう来たか。でももうひとひねりあるだろう…あれ?終わっちゃった。という感じ。 これはある意味で製作者に対して失礼な鑑賞姿勢である。何か仕掛けがあるだろうという先入観があるため、内容を鵜呑みにしなくなってしまうのである。別に何か約束されているわけではないのに、勝手に更なるギミックを期待し、それがなければ若干の失望をする。騙されたい症候群である。 個人的には、記憶が戻る前の方が面白かったかなあと感じた。すれ違いのまま続けていった方が好みである。その後は、多少のツイストはあるものの割と正直なサスペンス風味で、これはこれで悪くないけど香川がもう役者として突っ走っていった方がコメディ要素が強くなったか。別に強くならなくてもいいけど。 どちらかというと独特の台詞回しや交錯を楽しむ作品ではないかと思った。冒頭の結婚宣言とか、演技指導のシーンとか。部分部分に秀逸さを感じるところはあるものの、全体としてのインパクトは持つに至らなかった…というのが結論。次回作では思い切り騙して下さい。期待してます。[映画館(邦画)] 6点(2014-07-19 20:35:47)(良:2票) 《改行有》

13.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 本家と比べてどうこうとは言うべきではないのだろうが、でも言ってしまうが、本筋の脚本はむしろ良く出来ていると思う。ほぼ全員無罪から出発してのひねりに次ぐひねり、この頃の三谷氏はまさに才気に溢れている。 非常に楽しく見たのにいまひとつ好きになれないのは、作品の都合上仕方ないとは言え、各人物の個性付けが強すぎるように見えるからだ。思うに、日本人ってもっと没個性的で、公の場では慎ましく、知らない人と打ち解けるには時間がかかり、基本的には紳士的で、人に遠慮し、規律を重んじて横並び主義で事なかれ主義で発言も無難で横目で人を探りながら言うもんだから盛り上がらず……それじゃ映画にならないか。でも、議論に一切参加せず寝てる奴とか、過剰に奇矯な人が多すぎて、もっと落ち着いて話し合おうよと言いたくなる。でも落ち着いて話し合っても面白くならないし。 このあたりは、もう作品と自分の波長が合う合わないの話なのであった。非常に楽しく見たし、完成度の高い作品だとは思うが、あまり入っていけなかったというだけのこと。ユーモアのセンスが乏しいのかなあと我が身を省みて、もう今更どうしようもないなと苦笑し、次のフィクションに向かうのでした。 [DVD(邦画)] 6点(2014-05-07 23:25:54)《改行有》

14.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 十分に練り込まれ、十分に面白い。しかし、もっと面白く出来なかったか?というのが罰当たりな感想だった。ではどうすれば面白くなるかと聞かれると答えに窮して愛想笑いして逃げるしかないのだが。 過去におけるあるポイントに戻ってやり直し、しかし思い通りにいかず、あちらを立てればこちらが立たずを繰り返し、最終的に根本的解決を図るという展開は悪くない。ひとつひとつの未来が極端すぎるようにも思うが、それは都合上やむを得ない。俳優陣もそのたびに太ったり痩せたり汚れたりと努力し、それなりの水準を保っている。 はっきり言ってしまうと、改変前の人生の時点で主人公はケイリーとの約束も忘れ、その存在すらほぼ忘れ学生生活を楽しんでいたわけで、それで突然心を入れ替えて永遠の純愛とか悲しい決断とか言われても白けてしまう。この発端のところで乗れなかったのが私の最大のミスだった。無念だ。 なお、後に別エンディングが公開されたが、撮るのはいいとして、発表する必要があるのかどうかは疑問に思う。見比べても本編の方が断然いい…文句言っておいてキッチリ見てしまう弱き存在だ。[映画館(邦画)] 7点(2014-05-05 16:57:48)(良:2票) 《改行有》

15.  ミッドナイトイーグル 《ネタバレ》 一見し、誰もがいろいろな映画を想起するだろう。ホワイトアウトとクリフハンガーとダイハードとアルマゲドンを足して20で割ったような作品という感じだった。こうした謀略もの(ですよね?)は、ある程度無理のあるストーリーになってしまうのは仕方ないんだけれども、それに整合性をつける努力をした形跡も、勢いで押し切ろうとした情熱も見当たらない。多分撮りたくて撮った映画ではないのだろう。 ラスト「ナパーム弾使ってください」のところが泣き所なんだろうけど、そこで思わず失笑してしまったところで個人的にはおしまい。突如として今の日本国の問題(のようなもの)を立て板に水で喋る竹内結子の内心やいかに。撮影そのものは大変だったと思われるのでご苦労様でした。[映画館(邦画)] 3点(2014-05-05 16:37:06)《改行有》

16.  バック・トゥ・ザ・フューチャー はるばるこの地球へと、宇宙人がやって来たとして、その宇宙人が非常に友好的で、「地球人類文化の理解を深めたいので、人類が愛する物語をひとつ勧めてくれないか」などと仰ってきた場合、この映画を推奨するのは悪くないアイディアだと思う。ここぞとばかりに難解で哲学的な映画…例えが出てこないが…を勧めて地球人類の高度な知性を思い知らせるという手もあるが、やはり娯楽作の方がその後の会話が盛り上がるはずだ。もしこれを見せて宇宙人が全くのノーリアクションであれば、相互理解にはかなりの時間が必要になると思われる。 この作品より優れた・感動的な・好きな・映画は幾つかあるだろうけれども、ほぼ全人類的普遍的に面白い映画として永遠に残る一本だ。確かに50年代に生きる人が突然ヴァン・ヘイレンを大音量で聞いたら、宇宙からのメッセージだと受け止めてしまうだろうな。そんな細部を楽しみつつ、独特の躍動感に溢れた世界を楽しもう。ソフトも持っているのにテレビで放送したらいちいちそれも見てしまう映画はあまりない。 [地上波(吹替)] 10点(2014-05-05 16:14:04)《改行有》

17.  ドラえもん のび太の恐竜 《ネタバレ》 上映当時は5歳くらいで、多分テレビとかで繰り返し見て、ドラえもんとともに少年時代があった私からすると、この映画のみ単品で客観的に評価するというのは無理である。だったらレビューするなと言われそうだがそこは許していただきたい。ドラえもん映画第一作、この歴史的価値だけで10点である。 おそらく上映当時は「長編ギャグ映画」みたいな触れ込みだったと記憶している。その意味なのか、それ以降のシリーズで語られる友情・結束・愛と希望と涙と環境保護といったテーマは控えめ。中盤、タケコプターが壊れ今後の方針を話し合うキャンプで、原作ではジャイアンの「おれは歩く!のび太と一緒にな!」という男気が炸裂するのだが、映画ではあっさり削除。そんなこんなで全体的にのっぺりしている感は拭えないが、製作者側も手探りだったのであろう。 …歴史的価値だけで10点であると勢いよく言ってみたものの、冷静に現代の視点で見ると作画が寂しすぎるしテンポも遅いし、鼻でスパゲッティは無理だし(この発想どこから出てきたのだろうか?)、今の子どもたちが見て楽しめるかこれという疑問は大きくなってしまったので、泣く泣く8点に修正する。意見を通せない男だ。[地上波(邦画)] 8点(2014-05-04 21:59:21)《改行有》

18.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 とにかく金と手間暇をかけて、二人のスターに気を使って、パニックアクションの決定版を作るべく全力が注がれた傑作。こういう豪華な映画は得てして見せ場が散漫になるものだが、長尺を飽かせない緊迫感を維持している。最近映画館で見て、やっぱりパニック映画は(何だってそうだけど)自室のしょぼいテレビではなく映画館で見た方がいいなと痛感した。 ドラマツルギー的に、社長とか市長は他人を押しのけて逃げようとするものだが今回は毅然としていたり、やっとのことで途中まで逃げ延びた婦人があっさり滑落したり、そういった意味でお約束にとどまらない脚本が良い。中盤までニューマン、それ以降はマックイーンの活躍になるのは配分的にやむを得ない。 どうしても今見ると、随時挿入されるビル全景の火災シーンが迫力不足だったり、もう火事が起こっているのに悠然と入場してくる消防隊長ってどうなのとか思ったり、突っ込みどころもある。けれど、ひとつの総決算として作られた意気込みは十分伝わる。当時の観客にもたらした衝撃は今の私達では計れない。そんなヒストリカルインパクトに敬意をこめて8点。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-04 21:41:29)(良:1票) 《改行有》

19.  天国と地獄 《ネタバレ》 どうしても「前半傑作」の感が残るのは、私が単なる娯楽好きミステリ好きな人間であり、主題を解するだけの思慮や感受性がないからであろう。映画が鑑賞者を選ぶのだとすれば、私は前半しか選ばれなかったということか。何てことだ。 誘拐事件が起こり、身代金受け渡しまでの展開はある種の密室劇にも似て、素晴らしい迫力である。演者たちの緊張感が伝わってきて、その先の展開を期待させる。しかし身代金受け渡しを終えると、一気にトーンが変わり、犯人はいきなり現れてミステリ的な興味は薄れる。もっとも黒澤監督にミステリ映画を撮っているという感覚はないだろうし、むしろここからが主題なのだが。漫然とした捜査会議をそのまま流すのもどうかと思うし、こんなのありかという捜査手法等々、引き込まれた前半からすると緊迫感の低下を感じた。 ラスト、若き山崎努氏の熱演と無機質なシャッター音の温度差が非常に印象的ではあるが、飽食の時代にダラダラ生きてきた私には主題の全ては飲み込めなかった。申し訳ありません。 [DVD(邦画)] 7点(2014-05-04 21:13:18)(良:1票) 《改行有》

20.  あなただけ今晩は 《ネタバレ》 もともと、コメディにリアリティを求めるタイプではない。現実と乖離していても、面白ければいいというスタンスである。しかし、見る者にストーリーを納得させるだけの説得力は必要だと思っている。 そこへ行くと、この映画はやや弱いと感じざるを得ない。平たく言うと「ごまかせねーだろ、これは」である。一人二役に、イルマがわざと騙されたふりをしているのかと思っていたがどうやらそうでもないらしいし、そこで白けてしまうともう映画に入っていけなくなる。名手ワイルダーにしては、話作りが雑かなと思っていしまうのだった。 私は「アパートの鍵貸します」は洋画でトップというくらいに好きなので、それとの比較になると厳しめになってしまう。主演二人共にやや演技過剰か。というかマクレーンに娼婦は合わない(偏見)。 笑えるポイントもあるし、小味なラストも嫌いじゃないし、猥雑な街並みもある意味で美しい。かように見どころも少なくないが、骨格の作りがもう一つという印象。[DVD(字幕)] 6点(2014-05-04 20:52:51)《改行有》

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