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1. キング・コング(1933)
《ネタバレ》 元祖コング氏を知るために視聴。
見所はやはり特撮。髑髏島の門を開けたが最後、凡庸なドラマはスリル溢れる非現実に直下していく。これが戦前の映画とはまぁ信じられない。
ストップモーションアニメによるコング氏と恐竜達の怪獣バトルはとにかく熱い。特にヘビ的なヤツがコング氏の首を絞めてくるシーンは冷や汗モノ。自然と「コング氏頑張れ!」と応援しちゃいます。それにあまりにも自然な合成にもビックリ。マジでコングと人間が入り混じる世界を見ているかのようだ。
しかしまぁドラマは古典的だし、ヒロインはかなりアイコン的で叫んでばかりで深みは無い。
だけどコング氏のなんと名優っぷりだろう、どこまでもエゴの塊である人間に対する怒り、惚れた女に対する紳士っぷり、そして恐怖の対象としての仕事人っぷりどれをとっても完璧。
人を潰したり、人を咥えて投げたり、人を高所から落としたりと中々エグい事をするのもなかなかです。まぁ人間が悪いからしゃーない。あとお顔も表情豊かでちょっと目が可愛い所も嬉しい。対ゴジラのはなんだったのか。
そして最後の終わり方はなんとも悲しい。
人間のエゴによってジワジワと殺されて行くコング氏の悲しい目がたまりません。なんて事をするんだ!
そんなこんなで今見ても凄い本作。コング氏の華々しいデビューは90年近く経った今でも素晴らしい輝きを放つ映画でした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-09 09:57:17)(良:2票) 《改行有》
2. グランド・ホテル
《ネタバレ》 人生いろんな人がいる。もうすぐ死ぬ病人、経営に困った社長、踊れないバレリーナ。そんな人々が交差する所、そこはグランドホテル 。
まぁ「グランドホテル形式」なんて映画のジャンルを作ってしまうくらいの1932年、古の名画。
どんなものかと見てみたが、もうこの時点でこれがトップと言わんばかりの完成度。個性が立ちまくってるキャラクター、交錯するストーリー、全く飽きのこないテンポ、たった三日間の出会いと別れの群像劇は2019年の男が見ても面白い。
それはやはり役者の上手い会話劇の技なのか、ジョン・バリモアとジョーン・クロフォードの駆け引きのようなデートの誘いに男ながらに「イカすぜ!ガイゲルン男爵!」と思ったり、打って変わってグレタ・ガルボに対してジョンが甘すぎる台詞を恥ずかしげも無く放つシーンに「これはイケメン紳士だから言える台詞!そこに痺れる!憧れる!」とジョン・バリモアの一挙手一投足に紳士っぷりに男ながらに痺れました。
そんでもって彼の泥棒だけれど根が優しいのがまた良いですね。まぁ、それでも上手くいかないのが気の毒でしたが。
もにちんジョーン・クロフォード演じるフリムフェンの美人っぷりもたまんない!羨ましいぞクリンゲラインてめぇ!!!
"グランドホテル。人々が来ては、去っていく、まるで河の流れのように絶えることはない。"
そして上記の台詞で締める医者が最終的にこの映画の狂言回しというオチもナイスでした。
ある者はこのホテルで生を謳歌し、またある者はこのホテルで真実の愛を見つける。
人生は人それぞれ、様々な人々の喜びと悲しみが入り混じる瞬間を短い間でしたが垣間見る事が出来ました。
本作は古いと思って見ないと損する素晴らしい人間賛歌の名画です。
あ、俺にもルイジアナフリップを![DVD(吹替)] 7点(2020-07-14 03:31:35)《改行有》
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