みんなのシネマレビュー |
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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. 生きる 説教くさいとか、展開が遅いとか、喋りが聞き取りづらいとか、現代から観ると色々と難癖をつけたくなる。 しかし、それでもあのブランコのシーンの感動が、最後の夕焼けの美しさが、そうした難癖も吹き飛ばしてしまう。 主人公は安定した職があっても、家族がいても、世間的には立派な人であっても、生きるということの意味や意義を見出せていない。 むしろ日々を生きるのではなくやり過ごしてきただけで、まるで死人のようだと自嘲している。 そんな主人公が死の淵に立ったとき、初めて生きることの意味や意義を見出して奔走を始める。 冬の夜のブランコ。それを満足げに漕ぎ、歌を口ずさむ主人公。 本当に良いシーンだ。生きる意味を見出し、精一杯生き抜いたのだから。 ヤクザと対峙するシーンも涙を誘う。 主人公のように”生きる”ということが自分にもできるだろうか。 いつもこの映画は冬の夜のように深々と、しかし夕焼けのように暖かく問いかけてくる。[DVD(邦画)] 10点(2018-08-25 15:54:32)(良:1票) 《改行有》 3. 蜘蛛巣城 《ネタバレ》 黒澤の凄さだけでなくシェイクスピアの凄さも理解できた映画だった。 森が動く!という伏線と展開は原作と同じであり、そのトリックは意外性があって楽しめた。 原作執筆から何百年もたっているが、面白い作品は何年経とうが面白い。 黒澤の能を取り入れた演出も素晴らしい。登場人物たちの動きがなんとも妖しく不気味だ。 ホラー的な表現も黒澤は十分に出来るということがわかる。ダイナミックな演出のみに終わらぬ多彩な表現能力を持つところはさすが世界の巨匠。 たくさんの方が触れているが、あの弓矢のシーンは凄いとしか言葉が出てこない。 素人に毛が生えた程度の学生に矢を射させたというから、三船が本気で怖がるのもむべなるかな。 数ある黒澤映画の中でも特に有名なシーンであり、私も大好きな場面だ。[ブルーレイ(邦画)] 9点(2018-08-25 15:34:59)(良:1票) 《改行有》 4. 恐怖の報酬(1953) サスペンスのお手本のような映画。 残虐な描写に頼ることなく、いかに緊張感、ハラハラドキドキを演出するかについての、教科書的な回答を提示していると言っていい。 男たちが町を出るまでがとにかく長くて退屈なのだが、それを乗り越えれば、極上の緊張感を味わえる。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-07-28 17:09:11)《改行有》
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