|
1. 生きる
歴史的な作品に臨む場合には、どういうスタンスに立つかで評価が変化してしまいます。当時の技術水準や文化的背景を基準とするのか、現代に生きている自分が現在存在する数多の作品の一つとして鑑賞するという立場に立つのか。私は後者です。
手元の自分の記録では、26年前に見た時には最高点を付けています。今回は、そうは感動しませんでした。良く出来たプロットだとは思いますが、あっさりとまとまり過ぎと思えました。物語の規模が小さいのも痛いところですし、予定調和的に進行してしまうことにも物足りなさを感じます。過去のメモでさえ「ステレオタイプ」「技術的に稚拙」とあります。
映画の水準がどんどん向上し、それを数千本鑑賞してしまった後では高い評価を出せなくても無理はないでしょう。
まあ、初心に帰る的な意義はあると思います。[地上波(邦画)] 6点(2025-04-03 12:00:56)《改行有》
2. 水戸黄門(1957)
早々に聞こえづらい台詞が出てきて、顔の識別も難しい。これはいかんと、ネットであらすじをお勉強。なんとか物語に付いて行けました。
息子を養子にして藩を乗っ取るというメインに据えられた陰謀の内容に、そもそもの違和感を感じます。実子を作ることを諦めたという設定が、絶対に必要でしょうに。将軍・綱吉を人格者と評させていますが、執務を放棄したただの怠け者です。スリの頼みをホイホイきいたりと、お人よしが過ぎますね。ダサダサなキャラ造形は時代ゆえ仕方ない所でしょうけど、動きにも切れが見られないのは許容できません。特に殺陣がちゃちい。多勢に無勢で勝てるわけないという状況をひっくり返す迫力が必要でしょう。側室にされそうになった女はいつまで綺麗なべべを着ているんだ等々、突っ込み所は他にも満載です。[地上波(邦画)] 3点(2025-03-27 13:38:24)《改行有》
3. 蜘蛛巣城
《ネタバレ》 本作を初めて見たのは2001年のことでした。その時に自分で取ったメモには「聞き取りずらい台詞・ステロタイプな展開・部下の反乱等の無理のある展開・等の欠陥はあるが、迫力のある映像と緊張感に満ちた演出の傑作」とあり、5段階評価で5を付けていました。
今回見直してみると、時代的制約を大きく感じる結果に終わりました。ま、「歴史的傑作」ということでしょう。
ところで「森が動く」というのがあれというのには頭をひねりましたが、何か物語上の必要性があったのでしょうか?。[地上波(邦画)] 6点(2025-02-13 12:42:07)《改行有》
|