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タイトル名 |
手紙(2006) |
レビュワー |
ボビーさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2007-01-07 18:34:02 |
変更日時 |
2007-01-07 18:51:25 |
レビュー内容 |
現在の社会で、殺人事件があまりにも多発しすぎていて、当たり前のように日々報道されている気がします。それは数ヶ月経てば報道もされなくなり、忘れ去られていく出来事が多いとも思います。また、それらはいつだって他人事でしかなく、新聞やニュースなどの報道では伝わってくる物は表面上のものでしかないため、本質は何も訴えられていないように思います。それは確かに事実ではありますが、本質ではないような気がします。この作品は、本来目にする事ができない本質を訴えているような気がしました。人の命を奪うという事が、他に何を奪っていくのか、それらをしっかりと知ることが出来ました。人生を奪われ、人生の選択肢を奪われ、それは加害者も被害者もこの作品の中では同じでした。血の繋がっている家族も、血の繋がっていない赤の他人であっても、その事実がそこにあると言う事は、関わる周りの人々に大きな影響を与えていました。その真実をこの映画を観て、考え、そして学びました。知るという事は辛い事ではあるけれど、それをそれぞれの人々がそれぞれの考え方で乗り越える事に意味があるのだと思いました。この作品は、被害者ではなく、加害者側の家族の視点からそれらを観た事で今まで知らなかった事を知り、また気付かされる事も山ほどありました。ただ、この映画には多少、甘えがあったような気がします。どこまでも痛烈な差別が原作にはあったのに、この映画化では沢尻エリカの存在があまりにも大きいせいで、本当に描かれるべき部分が弱まっていたような気がします。最後に見せればいい筈の優しさが沢尻エリカが終始出続けていたせいで、優しさが当たり前のように作品にあったのは残念でした。 |
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