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ネバー・クライ・ウルフ - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ネバー・クライ・ウルフ
レビュワー 鱗歌さん
点数 9点
投稿日時 2012-04-08 11:13:07
変更日時 2012-04-08 11:13:07
レビュー内容
チャールズ・マーティン・スミスと言えば何と言っても『アンタッチャブル』、作中での扱いの悪さでかえって存在感を示した(ある意味オイシイですな)名バイプレーヤーですが、その彼の主演作。アラスカでひとり、オオカミの生態調査を続ける男を演じていますが、もうこれは「演じている」なんてもんじゃない。映画は、雄大で過酷な大自然のロケーションにおいて、動物たちの姿がドキュメンタリー映画そのまんまに描かれる。彼は語り手であり、目撃者であり、いや、大自然の中に「人間一匹、ちっぽけな存在」として溶け込んで見せます。厳しさの中で時折り見せるユーモアにもホッとさせられたり。一方、ブライアン・デネヒーは例によっていかにも悪そうな顔、まさに曲者。映画の物語自体は、何も解決を示すことなく(『デルス・ウザーラ』を思いこさせる部分もありながら、全く異なる展開)、無力感を感じさせもします。しかし主人公の孤独ただそれだけが、どれほど我々の共感を呼ぶことか。見事な作品だと思います。
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