みんなのシネマレビュー
浪花の恋の物語 - 鱗歌さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 浪花の恋の物語
レビュワー 鱗歌さん
点数 9点
投稿日時 2014-11-26 01:39:21
変更日時 2014-11-26 01:39:21
レビュー内容
タイトルだけ聞くと何だか軽くてヌルそうな感じですけれども、実際は文芸調の重みのある作品。悲恋の物語がじっくり描かれていき、じっくり描かれるからこそ、物語が後半の主人公たちが追い込まれてく姿に収束していく時のその絶望的な流れに、格別なものがあります。主人公の行動は、客観的に見ればいたって浅はかでどうしようも無いものではあるのですが、ここではその短絡的で直情的な行動が、絢爛たる花街の完成されきった世界の描写の中で対比的に描かれることにより、その無力さ、果敢なさが浮き彫りとなって我々に迫ってきます。圧倒的な非人情の世界の中に放り込まれた、無力な二人の姿、その世界に抗おうとして敗れ去る二人の姿。そしてその世界と、二人との間に位置する観察者としての近松門左衛門の存在が、またこの映画の物語に厚みを加えています。ラスト、彼によってこの事件が脚色された文楽が上演されている。(あるいは実際の事件の顛末を知ることなく)この舞台上の物語に魅了され感動している観客たちの姿と、実際の事件と自ら脚色した物語との違いを知る近松の最後の表情。彼の表情の奥にある心の慟哭こそがこのシーンの多層性、とも言えるのですが、それにとどまらず、現実の事件に触発されてひとつの作品が作られることそのものの感動もまた、ここにはあります。実話を元にしたなんて言うと、得てして「表面的」とか何とか批難されたりもするのですが、実際の事件を作品でそのまま再現する「リアリティ」が重要なんじゃなくって、それこそ様式化された人形劇へ置き換えちゃったってまるで構わない。実際の事件におけるある感情の一面、それは単なる一面に過ぎなくとも、作品として再構築され普遍化されて、人々の感情へと刻み込まれて永遠化していくということ。その感動ですね。
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-19ドッペルゲンガー85.74点
デモリションマン74.75点
2024-05-06ベイビーわるきゅーれ76.71点
2024-05-06セルラー97.09点
2024-05-06騎兵隊86.00点
2024-05-06風来坊探偵 岬を渡る黒い風76.00点
2024-05-06恋愛準決勝戦87.10点
2024-05-05悪魔の赤ちゃん3 禁断の島74.75点
2024-05-04アルティメット76.22点
2024-05-04ゆすり(1929)95.63点
浪花の恋の物語のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS