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タイトル名 |
ブロンド少女は過激に美しく |
レビュワー |
すぺるまさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-10-20 03:12:17 |
変更日時 |
2010-10-20 03:28:21 |
レビュー内容 |
まず、この女はどこを見ているのだろうかって思う。しかしそれは実はやはり単純なことで、男はこの物語を語る人、女はこの物語を聞く人、つまり彼女のやるべきことは男に視線をおくることなんかじゃなくて、彼に耳を貸すこと。ただそれだけ。女の耳はいつも必ず物語が紡ぎ出される男の方を向いている。故に女の視線はまるで盲目のそれのような妙ちくりんなものとなってしまった。 そしてやはり、ルイザの脚だ。ルイザの片脚がぴょんとなる。それはキスするのに身長が足りなくて、背伸びして、片脚立ちになるから。これをオリヴェイラは、ごくありふれたキスをするふたりというショットなどよりも、その脚のみを選択し可愛らしく切り取るわけだけど、それって実はラストへの布石だった。 ルイザが大股開きでソファーに浅く腰を据えぐったりと項垂れる。この風景の威力というのはかなりのものだ。この映画が60分をかけて描いてきたものをすべて崩壊させてしまう。これというのは彼女が唯一ひとりになったときに見せる彼女の本性であり、「ちっくしょー、やっちまったなぁ・・」っていう態度だ。実は柄の悪いお嬢様だったと(本当にお嬢様であったかすらもよくわからなくなってくるわけだけど)。 この真逆といえる人格を、片脚ぴょんと大股開き、という脚だけで、しかもふたつのショットで描いてしまうというのは、単純でありながらも、これこそが映画の豊かさなんじゃないのかって、オリヴェイラの映画を観ると毎度のことながら必ず気付かされるのだ。 |
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