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ブラックブック - ポール婆宝勉(わいけー)さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ブラックブック
レビュワー ポール婆宝勉(わいけー)さん
点数 10点
投稿日時 2007-06-09 22:54:15
変更日時 2007-06-09 23:12:41
レビュー内容
スピルバーグにしろ、ポランスキーにしろ、石原慎太郎にしろ、映画製作者が「戦争映画」を作るとき、戦争が持つ残酷さや悲しさを描こうとする作品は数あれど、まさかエンターテインメント―――それも男女の愛と裏切りが渦巻くサスペンス映画に仕上げてしまおうなどと考える奇怪な監督はそういない。その、世の映画監督たちが誰も思いつかなかった(いや、ひょっとしたら、思いついても誰もやろうとしなかったのかもしれない)映画を、ポール・バーホーベンは堂々と完成させてみせた。その心意気と、作品の圧倒的な完成度の高さに対し、最大限の賛辞をここに贈りたい。彼の生い立ちについて少しでもかじっている人なら知っているとは思うが、バーホーベンは戦争中に幼少時代を過ごし、街中で死体の横を歩いたり、兵士に銃を突きつけられ失神したという経験の持ち主であり、そういった経験が『スターシップ・トゥルーパーズ』に反映されているような戦争批判の精神につながっているのだという。しかしこの映画では、戦争の悲しさや残酷さといった、様々な映画監督たちがゴマンと描いてきたものは描かれていない。この映画が描いているのは「人間が持つ愚かさ」であり、戦争はあくまでそれを描き出す為のファクターでしかないのだ。なぜ戦争を体験し、なおかつトラウマを抱えているはずの彼がそんな描き方をしたのか?それはバーホーベン自身が、戦争というものの本質が何であるかを理解しているから。彼は戦争を憎んではいるものの、戦争がなくなるとは思っていない。彼はおそらく、諦めと嘲笑に満ちた目で人々の争いというものを見つめているのだろうと思う。なぜならこの映画でも描かれているように、争いは人間が持つ愚かさから派生するものだから。つまり、愚かな人間は腐っても愚かな人間であるように、戦争はいくら時が経とうとも絶対になくなる事はない、とバーホーベンは言っているのだ(それがラストシーンで描写されている)ハリウッド時代の作品に比べて暴力描写が物足りず、バーホーベンらしさが少し感じられなかったのは正直、否めない。だが、それが何だというのだ?「戦争反対」「いじめや差別はダメ」「話し合いで解決」などと上辺だけで無責任な叫びをあげる糞人間どもにバーホーベンが放った、この渾身のメッセージに圧倒させられずにはいられない。
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