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タイトル名 |
離愁(1973) |
レビュワー |
光りやまねこさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2004-03-11 15:07:02 |
変更日時 |
2004-03-11 15:07:02 |
レビュー内容 |
のどかな田園の中を行く避難列車内で起こるシーンが大半を占める。ところが油断していると、ドイツ軍戦闘機による機銃攻撃や爆弾投下など、ショッキングなシーンが表われるので眼が離せない展開となっている。そんな中、ロミー・シュナイダー演じるアンナが一体何者であるのか。もの言わず謎めいており、ミステリアスな雰囲気も十分。戦時下に於けるありきたりなメロドラマなどではなく、このアンナなる女性の存在が緊張感を高め、どんなラストが用意されているのかゾクゾクさせてくれる。《ネタバレ! ! 》3年後、フランス全土はナチの支配下に置かれ、二人は取調室で再開する。主人公の男にしてみれば、知らん顔をすれば済むところを心の底から愛しているという態度を見せてしまう。何という誠実で純粋な愛。そのことがどんなに恐ろしい結果を招くかも知れないのに…。涙を流すアンナ。本当に愛されていることが分かれば分かるほど、自分の存在が男を不幸にさせてしまうという悲し過ぎる構図。ああ、何という戦時下の不条理。この切ないラストシーンがあるからこそ、いつまでも記憶に残る不朽の名作になりえたのではないだろうか。 |
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