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おもひでぽろぽろ - 椎名みかんさんのレビュー
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タイトル名 おもひでぽろぽろ
レビュワー 椎名みかんさん
点数 6点
投稿日時 2008-05-09 23:34:28
変更日時 2008-05-26 12:57:11
レビュー内容
小五の時の思い出話が物語中、ちょくちょく出てくるわけなのだが、結局それが、物語の大筋に一体何の影響があったのか、物語を語る上でそれを描く必要あったのか、最後まで全く分からなかった。
この物語の大筋は、都会を離れて田舎に来た女性が、最後は田舎で暮らすことを決心する、そんなストーリーであるわけだが、そんなストーリーのあいまあいまに出てくる思い出話が、ちっともストーリーと関係のない思い出話ばかりである。
演劇の道が開けそうになったけど父の反対で断念したこと、分数のわり算ができなかったこと、生理のことで男子にからかわれたこと、それら、思い出話は結局物語の筋に何をもたらしたのだろうか。
他にも、結婚話を勧められて、始めて自分が田舎の表層的なよい部分しか見ていなかったことを悟り、主人公が涙するシーン。そこに「お前とは握手しない」と言った少年との出来事が思い出されるのだが、これはいったい何の関係があったのか。さっぱりわからない。
全編通して、過去の思い出話と、今の田舎生活、の両者がリンクしない物語であった。
あと、「豊かな表情を出すため」というふれこみで、キャラクターが笑った時などに顔にしわが描かれるという試みが今回なされている。しかし、これははっきり言って失敗であっただろう。この線が顔に入ったとたん、キャラクターが一気に醜くなってしまい、見れたものじゃなくなるのだ。男や年配の人間で、これを行うならいいが、主人公のような若い女性でこれをやってはいけない。この作品以後、この表情の付け方を踏襲した作品がジブリや高畑作品を含め一度も登場していないところを見ても、誰もが失敗と認めているのであろう。
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