みんなのシネマレビュー
私の少女 - onomichiさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング


◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

スポンサーリンク
タイトル名 私の少女
レビュワー onomichiさん
点数 9点
投稿日時 2025-06-08 21:23:12
変更日時 2025-06-08 21:23:12
レビュー内容
ペ・ドゥナの姿。確かにずっと観ていられる。冒頭、道端の少女をじっと見つめる。夜、テーブルで一人酒を飲む。私たちはペ・ドゥナの姿、その表情を追いながら、彼女の中の何かを観ている。

彼女はソウルのエリート警視であったが、普通とは違う性的嗜好を問題視され、未来を閉ざされるように、田舎の警察署に左遷される。自らの嗜好を悪と見なされ、それを抑圧するしかない鬱屈した感情の中で生きている。毎晩、眠りにつく為に酒を飲む。

そこに現れた少女ドヒ(キム・セロン)。少女は家族や同級生から虐待され、現実逃避から妄想的な振る舞いを見せる。彼女は少女を保護する。少女に対する母性に似た感情に身を任せることで、自らの傷を癒す。それは優しさに餓えていた少女との共依存の関係となる。

その関係も途中で破綻しバラバラとなりかけるが、最後には収まる。但し、その場所は、既成の物語と明らかに違うのである。

「私の少女」とはどういうことだろうか?(この映画の原題は「도희야」(ドヒ)、英語題"A Girl at My Door"、邦題「私の少女」。珍しく邦題が最も作品の意図を象徴していると感じる)
現代人は、自らの人生を回収し安心できるような既成の物語を失っており、伝統的な精神分析で解釈し癒すことができない、つまり物語によって内面化され得ない「新しい傷」を負っている。

ペ・ドゥナ演じる警視も「新しい傷」を負って田舎の地に赴任してきた人物である。「新しい傷」を克服するのは「新しい物語」しかない。それが「私の少女という物語」であり、物語の可能性という、この映画の真の主題なのだと私は思っている。
onomichi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-06-08私の少女97.40点
チェイサー (2008)96.76点
悪魔を見た86.41点
ハント(2022)88.00点
新しき世界108.00点
ただ悪より救いたまえ108.66点
アシュラ(2016)87.50点
スティール・レイン88.00点
鋼鉄の雨88.00点
KCIA 南山の部長たち99.00点
私の少女のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS