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タイトル名 |
終わらない週末 |
レビュワー |
眉山さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2025-06-15 04:06:03 |
変更日時 |
2025-06-15 04:07:20 |
レビュー内容 |
タンカーが接近する予告編に興味を持って見始めたら、異様に面白かった。タンカーをはじめ、鹿とか飛行機とかスペイン語まくしたておばさんとかビラとかテスラミサイルとかフラミンゴとか大雨とか、わけのわからない事態が次々と発生します。そのすべてについて、結局何だったのかは最後まで明確にされません。伏線的な意味づけも謎解きもないし、解決もしません。 では見ている側としてストレスが溜まるかといえば、さにあらず。それは、あくまでもパニックに直面した登場人物たちの言動に焦点を当てているから。不気味に登場したアリ父娘と、警戒感を滲ませるジュリア・ロバーツのやりとりが実に見事。よく知らない者同士、普通の言葉が無神経に聞こえたりイヤミに聞こえたり。妙なアングルや不穏な音とも相まって、繊細な言い回しが微妙な距離感や緊張感を醸し出しています。この時点で、まさに内憂外患状態。 で、しだいに相互理解が進むと、今度は助け合うようになります。それもたまたま知り合っただけなのに、お互いに命がけ。特に最終版、アリとケヴィン・ベーコンとイーサン・ホークが対峙する場面は感動的ですらあります。 その後、登場人物たちがどうなったかは描かれません。状況から考えれば生存は難しいしょう。しかし最後に人間の尊厳や善意のようなものを信じることができて、案外幸せだったんじゃないかという気がします。それを象徴するのが、「フレンズ」を見る少女の笑顔かなと。 |
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