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バリー・リンドン - nizamさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 バリー・リンドン
レビュワー nizamさん
点数 10点
投稿日時 2004-04-23 12:29:24
変更日時 2005-08-17 19:14:09
レビュー内容
「映画は総合芸術である」という言葉は、この作品のためにあると言っても過言ではない。壮観な風景を鮮やかな色彩で絵画の如く捉えたそのカメラ、18世紀のヨーロッパ風俗をリアルに再現したその美術、衣装、穏やかなナレーションと共に淡々と進行する物語を流麗に演出する厳粛なその音楽、どれもこれも皆一級の芸術品である。中でも、本作品の為に開発されたという高性能レンズにより、自然光のみで映し出された映像は言葉では表現できない程美しい。しかし、この“完璧な美”の中で描かれる主人公の生き方に共感できる者は少ないだろう。七年戦争という騒乱の時代を背景に、己の欲望に流されながら“運”を掴もうとして落ちていく男の哀れな様は決して同情できるものではないからだ。だが、故郷を捨てた男レドモンド・バリーが本当に追い求めていたものは、地位でも、名誉でも、まして金でも無く、ただの“安住の地”だったのではないだろうか。いや、そうであって欲しい。そうでなければあまりにも哀しすぎる。「美しき者も醜き者も今は同じ全てあの世」それでも、この世にいる限り、心は美しくありたい。
nizam さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2015-08-25ジュラシック・ワールド76.15点
2013-03-26ピラニア 3D96.09点
2013-03-26ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日67.34点
2012-09-19ツリー・オブ・ライフ95.32点
2010-09-10第9地区97.07点
2010-09-06オール・オブ・ミー/突然半身が女に!87.50点
2010-09-04キング・ボクサー/大逆転66.00点
2010-07-31インセプション87.20点
2010-03-20アバター(2009)67.26点
2010-03-20イングロリアス・バスターズ97.14点
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