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羅生門(1950) - tonyさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 羅生門(1950)
レビュワー tonyさん
点数 8点
投稿日時 2012-04-07 00:56:38
変更日時 2012-04-07 01:00:47
レビュー内容
「大変な受賞歴のある作品」という先入観で視聴してしまったが、間延びしたシーンが多く、また女が泣きむせぶシーンが何回も繰り返されて、さすがに途中から(これはちょっとおかしいかも?)と身を引いてしまった。ラストは芥川龍之介の原作どおり辛口で締めるべきだったし、客観的な事実をつけたしていたのにはびっくりした。事実がわからないからこそ、視聴者(読者)の想像の領域が無限に広がるのに。個人的には羅生門にいた3人は好きではない。むしろいない方がいい。夫婦が曳いていた馬が空馬となって羅生門にぽつんと現れる、というラストの方がよかった。

しかし、登場人物たちの存在感の大きさには驚かされる。全員の表情がエゴでぎらぎらとたぎっているところへ、木漏れ日の白い光が降り注ぎ、力強い生のエネルギーが卍どもえににうずまいている。また、ラストの羅生門の演出が印象的だった。半分は無残に崩落しているが、残り半分は堅固なままだ。人間の悪と善、業の深さと誠を象徴しているように思う。
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