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タイトル名 |
バットマン ビギンズ |
レビュワー |
マイカルシネマさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-06-22 22:37:22 |
変更日時 |
2005-06-26 21:03:39 |
レビュー内容 |
原作ファンには不評だが、本作はまさに「映画版バットマン」と呼ぶのにもっともふさわしい映画ではないだろうか。徹底したリアリティにより旧シリーズと差別化を図り、ダークヒーロー、バットマンから映画的な魅力を引き出している。主人公の精神的な葛藤はもちろんだが、やはりゴッサムシティの陰鬱な美しさが素晴らしい。レイチェルが車を運転してゴッサムの地下都市を見せるところなんかはゾクッとする演出だ。ブルースが洞窟でこうもりに対する恐怖を乗り越えるシーンなど、全体的に暗い場面を魅力的に撮れている。さらに、後半のアクションシーンがどこなくホラー風味であるのも興味深い。バットマンをあえて暗闇から出現させ、その「静」から一瞬にアクションによる「動」にもちこむ演出、クレイン博士のマスクの恐ろしさ(キリアン・マーフィはハマリ役)。武器開発のシーンはノーラン監督のオタクぶり全開で見ていて楽しかった。バットモービルのデザインは不安があったが、カーアクションで不安も吹き飛んでしまった。脚本もすごく出来がいい。伏線も十分に張ってあり、レイチェルとの駆け引きは秀逸。アルフレッド役のマイケル・ケインも旧作のマイケル・ガフに負けず劣らずいい味を出している。原作漫画の雰囲気を尊重した旧シリーズに対し、原作ファンでありながら原作とは全く違った「映画」を作り上げたノーラン監督の意向は素直に称えたい。 |
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