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タイトル名 |
未知との遭遇/ファイナル・カット版 |
レビュワー |
まいかさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2025-06-15 10:53:45 |
変更日時 |
2025-06-15 11:38:11 |
レビュー内容 |
遅まきながら初視聴です(オリジナル版も特別編も観てません)。 いままで観たスピルバーグ作品のなかではいちばん面白かった。メキシコのお爺さんやインドの群衆や主人公の男女&子供が神秘体験をする前半部は、SFというより神話的な魅力を感じさせます。海の彼方から光が飛んでくる映像は、日本の龍燈伝説をスペクタクル化したようでもある。子供をUFOにさらわれたシングルマザーが荒れ野を追いかけて行くシーンにも絵画的な美しさがありました。スペクタクルと音楽は全般的に素晴らしいし、主人公のお父さんがどんどん頭がおかしくなって家族を捨てたあげく、シングルマザーと恋に落ち、みずから宇宙船に乗り込んでいく展開もなかなか狂気じみてて面白いと思う。 地球の科学者たちは「レミドドソ」の5音階とハンドサインだけで交信しようとしてますが、エイリアンの側ははるかに高度な知性や技術をもって様々なレベルのチャンネルで交信してきており、数学的な座標軸も送信してくるし、一部の地球人にはテレパシーでイメージも送信してくるし、音楽的なセッションにも応じるのですね。そしてエイリアン側の目的は、過去に拉致した人たちを返還するのと引き換えに、あらたな地球人のサンプルを連れて帰ること。 しかし、スピルバーグの物語は、やはりエイリアンを擬人化しすぎです。たとえば「ET」の場合も、いじめられっ子の少年と超能力をもったエイリアンが心を通わせる《ドラえもん》じみた話ですが、同じく「ジュラシックパーク」も恐竜が知的な存在として擬人化されるほど話が《ドラえもん》っぽくなってしまう。本作でも、コダーイの考案したハンドサインが用いられるのは「エイリアンにも手があるはず」という前提だし、実際、最後に現れたエイリアンは地球人にそっくりで、1つの頭に目が2つと鼻孔が2つと口が1つ、腕も2本あって2足歩行する生物です。巨大なマザーシップもスペクタクルとしては美しいけど、やはり地球人が作りそうな形状の乗り物といわざるをえません。そう考えると、あれはエイリアンじゃなく未来人じゃないかと思えてしまう。 |
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