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君たちはどう生きるか(2023) - まいかさんのレビュー
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タイトル名 君たちはどう生きるか(2023)
レビュワー まいかさん
点数 8点
投稿日時 2025-05-03 01:53:04
変更日時 2025-06-01 01:46:48
レビュー内容
これは戦時中の話です。主人公は転校先で同級生の悪意にさらされ、自分で自分の頭を傷つけて嘘を吐きます。一方、父親は戦闘機を作っている人で、個人の悪意に対しても国家の悪意に対しても「力で解決できる」と信じているように見える。家のなかに戦闘機の操縦席のガラスをたくさん並べるシーンがありますが、あの部品の数だけの若者が特攻で死んだのではないかと思います。そのように命が使い捨てにされる現実のなかで、主人公は地下の世界に潜り、命の神秘(生まれる前と死んだ後)の世界を体験します。ひとりの人間の生き死にには壮大な物語があるし、この世に産まれてくるのも、死なずに生き延びるのも簡単なことではない。
大叔父は悪意に満ちた世界を作り直そうとしています。父や祖父は子孫を残した人ですが、一般に「叔父」というのは子孫を残さなかった人の象徴だろうと思います。おそらく大叔父は、命の連鎖から切り離されたところで世界を作り直そうとしている(『ポニョ』でいえばフジモトの立ち位置に近い)。そして頭に同じ傷をもつ主人公も大叔父と同じ資質をもっている。しかし結果的に、主人公は大叔父の仕事を引き継ぐことなく戻ってきます。それは「悪意に満ちた世界を生きるほかない」「戦争を含む人間の文明に向き合うほかない」ということを意味します。そして、観客であるわたしたち自身もそのような世界に生きている。
映画公開時には「難解」との評判だったので身構えてましたが、すこしも難解とは感じませんでした。あきらかに宮崎アニメの過去作の延長上に作られており、共通のテーマを負ってるのも分かります。簡単にいえば『ポニョ』と『風立ちぬ』を組み合わせたような構造ですが、過去作に比べてもテーマ性はより明瞭になっている。実際、本作を観ることで『ポニョ』のテーマが理解しやすくなるはずです。残念ながら『ポニョ』はキャクター造形などから幼稚な作品と思われがちですが、じつは本作にも通じるテーマをもつ作品だったというべきです。
宮崎駿のアニメは、たんなる反戦映画でもなければ、たんに世界を肯定する映画でもなく、つねに否定と肯定の宙吊り状態のなかで「人間としてどう生きるか」を問うてくる映画です。そういう映画は珍しいわけじゃありませんが、その宙吊り状態に耐えられず、より簡単な答えを求めたがる観客には拒絶されるのでしょうね。
まいか さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-06-17ペット・セメタリー(2019)75.50点
マイ・ブルーベリー・ナイツ75.57点
2025-06-15ジュラシック・パーク67.60点
2025-06-15未知との遭遇/ファイナル・カット版86.57点
2025-06-02ミッション:インポッシブル/フォールアウト87.06点
2025-05-24ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション87.00点
2025-05-17ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル77.18点
2025-05-10紅の豚87.35点
2025-05-04ジュラシック・ワールド86.13点
2025-05-03君たちはどう生きるか(2023)85.77点
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