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ベルリン陥落 - おおしまけんいちさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ベルリン陥落
レビュワー おおしまけんいちさん
点数 6点
投稿日時 2004-06-13 01:04:12
変更日時 2004-06-13 22:30:13
レビュー内容
点数の理由:つまらん映画の部類。深読みしないと全然楽しめないのは映画として問題だが、6点も奮発するのは、2つの理由があるからである。1つはこの映画がなかったらショスタコーヴィチの名曲もなかったこと。しかし、これはCDで音楽だけが出ることが多いから、もうこんな古い音源に頼らなくてもいいとも言える。2つ目が、意外にお目にかかれないヒトラーの「生態」がよく描かれたからである。これは後に描かれた水木しげるの「ヒットラー」に出てくるヒトラー像を思わせる。これほどまで終戦直前のヒトラーの生態に触れた映画は戦後初ではないか。旧ソ連人民の怒りと憎しみを挑発する為に、皮肉なことに正確なヒトラー像を描いてしまい、そしてそれが今度は我々日本人の笑いの種になってしまったのだ。娯楽に乏しい時代の上映だったから、なおのことスターリンはよく見えたはずである。
 さて、僕の本題はこの映画の真意だ。日本とユダヤである。ユダヤ人虐殺については何も触れていない。実はこの時期、ロシヤはユダヤ人虐殺計画を発動中だった(*アウシュビッツのロシヤ版)。だからヒトラーは「ユダヤ人の敵」とは書かれていないのだ。そしてもう一つ。この映画がの本当に言いたかったことじゃないかなと思うのが、日本についてのことだ。第1部はソ連の対日参戦についてルーズベルト・チャーチルにその心積もりを言って、これが第1部の締めになるのだが、この映画は「ベルリン陥落」であっても「トキオ陥落」ではない。第2部ではもっぱらベルリンの解放に終始している。しかし、第1部の終わりがこの映画の真意だと考えるなら、「本当は日本を最悪でも2分割に持ちこんで、ベルリンのようにしてやりたかった」というソ連の悪足掻きが見えるようだ。
 この映画は過去の遺物だが、プロパガンダは永遠になくならない。例えば今地元で準備中の「愛知万博」の宣伝映画ができたら、こういうのはプロパガンダと言わないのだろうか?プロパガンダは国家がある以上、その必要な時には必要悪として甦るだろう。そのいい見本でもあり悪い見本でもあるのが、北の将軍様の映画だったり、この映画だったりするわけだ・・・
* 最近この「アウシュビッツ計画」を書いた映画「フルスタレッフ、車をまわせ!」という映画が出たそうだ。
おおしまけんいち さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2005-10-14ストライキ98.40点
2005-03-30人造人間ハカイダー64.25点
2005-03-30ゴジラ FINAL WARS34.34点
2005-03-30新ドイツ零年05.50点
2005-03-30金日成のパレード ~東欧の見た"赤い王朝"~77.50点
2004-09-26阿Q正伝77.00点
2004-07-29女狙撃兵マリュートカ98.33点
2004-07-29北斗の拳(1986)96.12点
2004-07-29甲午風雲77.00点
2004-06-29機動戦士ガンダムF9136.18点
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