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タイトル名 |
シビル・ウォー アメリカ最後の日 |
レビュワー |
タコ太(ぺいぺい)さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2025-06-14 00:20:51 |
変更日時 |
2025-06-14 10:17:19 |
レビュー内容 |
説明的なパートがまるでないという潔さによって、純粋に戦場(というより殺し合い)における狂気が浮き彫りにされている作品。その狂気とは、言うまでもなく武器を手にして殺し合う者の狂気であるとともに、自分なりの理屈によって只管記録し続けるカメラマンの狂気でもあり、時として無関心な者の狂気でもあります。様々な狂気がリアルな映像を伴って乱舞するスピーディな展開。ある種の緊張感を保って観賞することは出来ました。
ただし、手放しで称賛出来るという訳ではありません。胸クソ映画であることも間違いないです。いくらフィクションとは言え、こんな訳の分からん状況を描き出し、只管に虐殺シーンを連発し続けるのは正直なところ胸クソ悪過ぎ。リアル過ぎる(戦場を経験したことはないし経験したくもないので想像に過ぎませんが)殺戮シーンを次から次へと見せられるぐらいなら、血しぶきまみれのスプラッターの方が現実逃避の延長に思えて個人的にはマシです。設定が非現実的(これも確かな根拠はないのですが)なのに表現はリアルっていうのは反則に思えてどうにも受け入れ難いです。ま、すべて個人的趣味嗜好のレヴェルではありますけれど。
結局テーマは何だったんでしょ?ひとりの若き戦場カメラマンの卵が成長する姿を通じて、極限下における人間の姿を描いた作品?それとももっと社会派的に、現在のアメリカの闇(病みでもある)をシニカルに描いた作品?それともシンプルに戦場の悲惨さを描いた作品?どこまで掘り下げて観るべきか良く解らないところです。
ちなみに、クライマックスでベテランカメラマンが代わりに犠牲になるんじゃなくて、アドレナリン出まくって暴挙に出た若手カメラマンが犠牲になった方が教訓的になって良かったと思うのはベタ過ぎるでしょうか?どっちにしても、カオスな状況においては失われなくても良かった命がアッサリと失われていくことに変わりはありませんが。
と言う訳で、やっぱり個人的には超胸クソ映画と言う印象だけが残ってしまったのでそれなりの評価です。
あ、最後の大統領インタビュー。え?それでいいの?という一言インタビューでしたね。撃つ前にトドメさしてどうすんのよ?と思ってしまいました。 |
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