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タイトル名 |
ホランド |
レビュワー |
タコ太(ぺいぺい)さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2025-06-17 18:01:01 |
変更日時 |
2025-06-17 18:03:00 |
レビュー内容 |
これは理解するのが難しい作品でした。
ストレートに夫は連続殺人犯でジオラマで自らの成果を再現し保存することで征服欲を満たすと言うか最高の快楽を得ているというサイコサスペンス作品のようでもあり、やや変化球的に全てはヒロインの妄想、つまりは夫の重罪やデイヴと言う人物の存在という本作の核を成すパーツ自体が実は妄想でしたという作品のようでもあり、実は主人公はデイヴで彼がナンシーと語り合ううちに構築していった世界のようでもあり…。見る角度次第でいろいろ夢想できる作品に思えました。
とは言え、語り出しはヒロインの独白。彼女を中心に据えて観ていくのが正解だとは思います。詳細には触れないまでも、彼女は精神的に病んでいた過去があり、きっかけは分からないまでも夫との運命的な出逢いを通じて別天地であるホランドに移住した。それは事実のようですね。そしてホランドは(本作を観るまで知らなかった街ですが)一風変わったと言うか異国情緒溢れるテーマパークのような観光地。その町の名士の妻と言う立ち位置のヒロインには移住後も様々なプレッシャーがあったことでしょう。愛息とのやり取りを見ていると、幸せな親子と言うより閉塞感が感じられてしまう。しかも夫の存在や言動がそこに拍車をかける感じ。一見幸せな生活には一触即発の地雷が埋まっていたように思えてなりません。
夫の浮気を疑って結局は自らが浮気に走ってしまうヒロイン。彼女の弱さを象徴するエピソードでしょう。それ故に、今も尚精神的な不安定さは決して癒えていないように思えます。そんな彼女はデイブとの探偵ゴッコによって自ら率先して不安定な道を選んでしまったように思えます。
なんとも纏まりのない感想になってしまいましたが、感想が纏まらないのも本作のような所謂オープンエンド作品の楽しみ方ということでお許しを。あれやこれや考察する楽しみを味わえた作品に7点献上します。 |
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