|
タイトル名 |
ソルト |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-08-14 22:59:49 |
変更日時 |
2010-08-15 19:33:25 |
レビュー内容 |
一般的に「演技派俳優」は心の内面を表情・身振りの付加によって過剰なまでに主張しがちだが、余計な演技がない場合こそ、人物の心理・感情が生々しく伝わるのが映画の面白さ。 危険なアクションが全編にわたって連続するこの映画で、アンジェリーナ・ジョリーは走る・飛ぶ・格闘する身体運動に集中するとき、演技どころではなくなる。 一方で、心理のガードを高度に教育されたスパイの役柄を演じる彼女は、その表情を大きく変えることもない。
その演技・非演技ない交ぜの相貌が、画面に緊張とエモーションを呼び込む。特に復讐物語となる後半、その抑制的な表情と殺戮アクション自体の過激さと強度が、彼女の怒りと悲しみを強く画面に漲らせる。とりわけ中盤のアジトのシーンで、唐突にある場面に遭遇する彼女の無表情が示唆する内面の葛藤と、それに続く無表情の虐殺シーンのケレン味が感動的だ。
終盤の暗いヘリコプター内、交感する二者を結ぶ夜明けの薄明かりの水平ラインも美しい。
劇の二段構成、金髪と黒髪、高所感覚等〃の要素は『めまい』にも通ずる。 |
|
ユーカラ さんの 最近のクチコミ・感想
ソルトのレビュー一覧を見る
|