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タイトル名 |
ザ・メニュー |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2025-06-28 08:16:34 |
変更日時 |
2025-06-28 08:16:34 |
レビュー内容 |
大相撲における最上位階級、横綱。またの名を日下開山。その地位はまさに神に匹敵します。成績優秀な力士を横綱に推挙するために開かれるのが横綱審議委員会で、必ずと言っていいほど出でくるフレーズが「心技体」であります。横綱に求められる3要素。頂点に君臨する力士に「技」と「体」が必要なのはよく分かります。しかし「心」って何でしょう。いわゆる品格でしょうか。基準が曖昧でいまいちピンと来ません。「技」と「体」があれば充分では?そんな風に考えていた時期が私にはありました。でもこれは見当違い。大切なのは横綱の重圧に耐えうる「心の強さ」でした。すみません。前置きが長くなりました。本作は超高級レストランで「神」と崇められるシェフがプレッシャーに押し潰され狂ったお話。 特にタチが悪いのが他責思考です。私を悩ませた周りが悪い。美食文化にはうんざりだ。何なら犯罪者まで一緒に排除してしまえ。しかるに「技」は超一流。ゆえにカリスマ性を発揮し弟子(信奉者)を巻き込んでの自爆テロを許してしまいました。これは横綱審議委員会、失礼、オーナーに見る目が無かったというしかありません。やはり一流、いや超一流は「心技体」を兼ね揃えなくてはいけません。 ヒロインの脱出劇について。機転を利かせ見事に窮地を脱した主人公ですが、救われたのは彼女だけではない気がします。他でもない、テロ首謀者であるシェフも救われたのではないか。彼自身認めるように、この自爆テロに彼女は関係ありません。殺される理由もなければ、殺されるのを承諾してもいない。そんな者を殺していいはずがありません。狂っていてもシェフに分別は残っていました。だから彼は甘んじて彼女のスペシャルオーダー(チーズバーガーのテイクアウト)を受け入れたのです。ある意味では「渡りに船」の提案で、船にて脱出。地獄行きは覚悟しても、後悔は少ない方がいいでしょうから。ハンバーガー屋から神ポジションのシェフへ登り詰めた男。大出世ですが、幸せになれるとは限りません。適材適所で人は輝く。人生はなんと難しいのでしょう。ところで新横綱となる大の里。異例のスピード出世ですが心技体は満たされていますでしょうか?(すいません。話の調子で書いたまでで他意はありません。応援しています。頑張ってください。) 「リアリティ?何それ美味しいの?」なファンタジー仕様ですが、そこは寓話と割り切れば問題ありません。話題作『教皇選挙』でも存在感を発揮しているレイフ・ファインズの怪演を愉しむ映画でもあります。 |
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