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タイトル名 |
うつせみ |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2007-11-03 12:20:13 |
変更日時 |
2007-11-03 12:20:13 |
レビュー内容 |
留守の家に男が忍び込んではいるのだが、どうも主体は男より家のほうに感じられ、その家の空気に男が溶け込んでいってるような感じ。むりやりの闖入者というより、空き家の空間が男を招き寄せたような。だからボクサーの部屋に入り込めば、男はグラブをつけてボクサーになってしまう。男の方に主体がないから、かえって男はその部屋の住人として違和感なく自在にふるまえる。特定の個人の部屋でない牢屋で、気配を消してしまえるのも当然のことかもしれない。現代人にとって夢のような、あるいは悪夢のような話。家に溶けてしまうこういう愛人を妻に持たれたら、もう亭主には手の打ちようがないのだ。 |
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