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秋刀魚の味(1962) - なんのかんのさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 秋刀魚の味(1962)
レビュワー なんのかんのさん
点数 8点
投稿日時 2011-11-05 12:23:54
変更日時 2011-11-05 12:25:23
レビュー内容
佐田啓二のアパートをロングで捉えたカットで、手前を小編成の電車がトコトコと通過していく。サイレント時代の斎藤達雄の家の前にもこんな車両がやたら往還していたなあ、などと思っていたら、あとで佐田宅から帰る岩下志麻が立った駅が東急池上線の石川台であった。このいくつか先に終点蒲田駅がある。松竹のサイレント時代の故郷だ。なるほど「小市民が暮らすのは蒲田」という配置は30年を置いても変わらなかったわけだ。もっともこちらの小市民はゴルフをたしなむまでになったが。あと今回気がついたことでは、最後のトリスバーのシーン。軍艦マーチが流れ、客の須賀不二男らが旧海軍を揶揄すると、笠智衆はムッとする表情を一瞬浮かべた。小津の登場人物は私的な場ではしばしばクサるが、公の場でこの手の不快を見せるのは珍しいのではないか。つい映画を観ていると忘れてしまいがちになるが、平山は艦長という帝国海軍のエリートだったわけだ。この映画に満ちている侘しさは、おもに娘の結婚や男やもめの孤独など家庭面から来るものだが、もっと若い時代にまつわる失意・小津が体験しつつもずっと正面からは触れようとしなかった戦争の影も、考える必要があるかもしれない。このバーに座る男は、妻に先立たれ・娘の恋を成就させてやれなかっただけでなく、今はからかいの対象にしかならない軍隊に若い時代をうずめてきたその徒労感(と若干の愛惜の情)も背負っているんだ。私は小津の映画が、そのすべてを肯定したくなるくらい大好きなのだが、音楽だけはどうにも我慢ならない。晩年の「秋」の三作にはどこか荒涼とした気配が感じられ、とりわけ遺作となった本作など東野英治郎への残酷な視線に容赦がなく、あのノーテンキな音楽がないとむごたらしさが前面に出過ぎてしまうからか、などと出来るだけ好意的に考えようとも思ってみるのだけど、もし音楽抜きのバージョンが存在したら迷わずそっちを選ぶ。
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