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タイトル名 |
第9地区 |
レビュワー |
シネマブルクさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-04-13 11:48:31 |
変更日時 |
2017-01-19 13:28:58 |
レビュー内容 |
この作品は「差別問題」を体裁にした社会派ドラマであると同時に寓話的なSF映画でもあると言える。何故なら、南アフリカが舞台というだけで隔離政策アパルトヘイトを連想させるのは当然だが、それが対人間ではなく異星人だからであり、馬鹿馬鹿しいくらいリアリティと独創性に溢れ、そして人間として普遍的なものを考えさせられたからである。
エイリアンが隔離されているゴミ溜めのようなバラックが混在するあの風景は、今尚残っている風景となんら変わらないだろう。このあたりの世界観は南アフリカで生まれた監督ならではの手腕なのでしょう。本題は、その地区へやってきたのが世界的大企業のエリート主人公、つまりは超富裕層である。彼が昇進したのは妻の父親のコネでないという自負であり、異星人を強制退去させる任を受け、徹底的に行う。その排除の方法は至って非人道的にうつる。異星人をエビ扱いしていたこの主人公も、自分がエビ化し始め、逆の立場になったから大変。追われる者の身、味方がいない孤独感を味わうのだ。特筆すべきは、そんな主人公と異星人との間に芽生えた信頼・友情関係だろう。当初は、自分の体さえ元通りに治療できればいいと考え、異星人の未知の文明に疑心暗鬼だった主人公。ひょっとしたらあの液体は「人類エビ化計画」の実行かと思ったくらい。そんな主人公が命がけで見送った最後のシーンはジーンときた。 |
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