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ぼくのエリ/200歳の少女 - Balrogさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ぼくのエリ/200歳の少女
レビュワー Balrogさん
点数 8点
投稿日時 2011-03-02 09:55:03
変更日時 2011-03-02 09:55:26
レビュー内容
こぢんまりとした映画のようでいて、実はこれは玉手箱であった。きれいにまとまりつつも緩急をつけたストーリーは勿論、美しい映像、巧みな構図や大胆な演出という面でも見所満載。「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」を思わせる雪景色と少年。しかし少年はいじめられており、ナイフを持ち歩き、夜には自分のいじめを自分ではない誰かに対して反復する。ある種屈折した人間像。対してヴァンパイアのエリは自分を認め、現実を受容するある種素直な性格である。それゆえに完全な理解さえ求めない。エリは出現の方法や外見からして超越的ではあるが、それをやりすぎていないところが好ましい。ヴァンパイアと少年との恋(しかもモールス信号)なんてベタというよりも、コメディになることを恐れたが、この絶妙のバランス! これはひとえに、描いてしまうと「やりすぎ」感のあるシーンでは婉曲的な表現を多用しつつも(例えば空を飛ぶシーンや壁を登るシーン)、インパクトのあるシーンはしっかりと撮る大胆さ(例えば朝日を浴びて女が燃え上がるシーンやエリの襲撃シーン)の功績である。そしてなんといってもプールのシーンと、血まみれのキスシーン。これほど素晴らしいホラー描写とキスシーンは久しく観ていない。紛うことなき傑作。
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