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タイトル名 |
赤い風船 |
レビュワー |
よしのぶさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-09-13 15:38:45 |
変更日時 |
2012-09-13 15:53:50 |
レビュー内容 |
「こころあたたまる良質のファンタジー」のはずが……。野暮を承知でかくと、風船がしぼんでいく場面で操作線(細い線)が丸見えになり、少し鼻白んでいると、少年の空中飛行場面ではスタントマンに代わっている。体型が全然違う……。ああ、最も感動する場面で気分を削がれてしまった、途中まで佳い映画だったのに恨めしい。気を取り直して、少年が風船と出会う場面をチェックしてみると、少年が階段を降りる前は美しいパリの払暁風景だったのに、階段を降りると陽が高くなっている。延びていた影がなくなっているのだ。と、残念なことばかりが続いた。残念ついでにいうと、昔この映画にあこがれて風船でアメリカに渡ろうとした「風船おじさん」が消息を絶ったという事件もある。大人の視点で観ると、どうしても制作の側に目がいってしまう。風船は二本の線で操作されているなとか、風船はいくつ用意されたのだろうかとか、ちょっと大きすぎないかとか、ここはフィルム逆回転かとか。悲しい性です。 ◆街灯に引っかかった風船を少年が取る出会いの場面。少年はよじのぼって自力で取ってますね。これが良い。苦労して手に入れたからこそ愛着が湧く。これが風船との友情の萌芽となる。両者の間に友情が生まれ、風船は少年にまとわりつくようになるのですが、この不思議な風船を周りが放っておかない。大人達にとっては迷惑で、邪魔な存在、子供達にとっては不思議で、欲しい対象。風船にとっては受難のようなことになり、とうとう子供達に割られてしまう。そのときに町中から風船が続々と集まってきて、少年を乗せて大空へ飛び立ちます。奇跡が起こったのですが、どう解釈すべきか?風船は割れても風船の思念は残っている。風船は自分と子供を区別していない。同じ仲間と思っている。それで自分の家に招待したのでしょう。風船の国へ、それはたぶん空の上にある。少年にとっては友達の家にちょっと遊びにいく気分。子供っていいなって思いました。ここで問題、赤い風船は男の子?女の子? 男の子でしょうね。だって……。 追記:風船おじさんも風船の国にいったのかな。 |
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