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十誡(1923) - 黒猫クックさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 十誡(1923)
レビュワー 黒猫クックさん
点数 7点
投稿日時 2013-08-06 23:19:15
変更日時 2013-08-07 00:39:30
レビュー内容
 この映画が公開されてから90年近くたって、信じがたい大地震は起きた。モーゼが手をかざした海はエジプトの力を飲み込んでどこかに流してしまったそうだ。だけど、日本で流されたのは誰かを追いかけたり迫害していたわけじゃなくて、そこに既に住んでいて大過なく役割を全うする多くの普通の人達だった。

「人に埋め込まれた大罪だったとか?」
「自然現象だし」
「何かをやり直せば良かったの?タイムスリップできたら」
「俺には無関係」
「いや、これは無い。断じて無い」
「人間は自然に打ち勝ったとか思っていたのか」

 色々、聞いた。それはもう、絶望した人は色々に口走った。だけど、やっぱりこの国のこの風土には大それた宗教は馴染まないのだ、とそのすぐ後に感じる。人が大勢海に飲み込まれた後、やっぱりモーゼみたいに火が町を飲み込んで、しまいには原子力発電所が爆発までしてしまう。それでも、知恵を精一杯に蓄積している人間は、そこにもう一度町を創って、自然には存在しない物が起こす自然現象からは全力で逃げて逃げながら、反撃を今この瞬間も目論んでいる。

 それはもう、天変地異という言葉が生半可であるような出来事だったのだけれど、この映画の年の大正12年も実は同じだった。そう言う意味では。
 関東をぺしゃんこにした地震は1923年の9月に起こった訳だけれども、モーゼはこの90年の間に猶予期間を与えてくれたかというとそうではなかった。たぶん四千年位前にモーゼがエジプトを出ようとしたときから何度も作られて、20世紀の頭に現代への警鐘の様に映画になっても全然、猶予は無い。それこそ全く。そこから90年経って、今こうやって文章を書いているパソコンにBASICで少しの記述するだけで、色々な答えが出てきてしまう様な21世紀の世界になっても人には全然猶予は無い。

 こうなってみると宗教は全く役に立たない。旧約聖書が警告めいた物語を何千年も掛けて繰り返しても、人には学習する暇も無く海は割れてしまうし火柱もボンボン上がる。
 だから90年も前のモーゼに驚き、90年も前の人間の生々しさに怖がる。それでやっぱり、今この瞬間も人間の学習その成果と成果の無さに感心してしまう。
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