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アザーズ - 黒猫クックさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 アザーズ
レビュワー 黒猫クックさん
点数 8点
投稿日時 2012-05-11 17:25:21
変更日時 2012-05-11 17:30:56
レビュー内容
 部分的な記号性を散りばめた狭い空間は、僕が今、いったいどこにいるのかという判断をする力そのものを奪ってしまうのだった。

「あなたが生きていくこの先の全部、この空間にこもっているのと同じなのよ。どこに行ったって、どんなに自分の内面を飾っても。あなたの本質が、この家と同義なんだから。」

 そんなことをためらわずに吐き出す。姉なのか、母なのか。それともそのどちらでもない、誰でもないただ漠然とした単なる女性という認識をさせるためだけの性別を持った誰か。その人を、彼女を、睨み付ける僕の瞳は涙に溢れていたけど、僕の中身が持つ力はこの視線のように嘘で作られた強さすら持っていないからだんだんと、今の気持ちと同じような模様がいくつも並んでいる彼女の足元に、向かってそれていった。
 いつもこの家の中で僕を縛り付ける本当の偽物は、彼女の中にあるがらんどうの愛情だった。

 自分自身が作り出した出来損ないの空間に閉じ込められて、今もじっと閉じこもりつづける友人は、こうやって袋小路に迷い込んでしまったのだという。でも、彼だけの意志でも、彼と生きる彼の家族の意志も、一意に彼の存在をうつろにしてしまった訳じゃない。部分的に散在する様々な原因が、丁寧に紡がれていくべき途中で放り出されてしまったからそうなったのだった。

 この映画を見たとき、丁寧に紡がれていくグレースの生活と、不穏に過ぎて傍観するに過ぎない私自身が身構えてしまうような屋敷のたたずまいが、完璧に不気味な調和を見せたことで永遠に意志が作り出す循環にはまり込んだ友人を思い出させた。
 二人の本質も、立っている場所も全く違うのに。でも、彼女の住む屋敷も彼の肉体も永遠じゃない。本当はいつか気づかなきゃいけないのに、傍観する私にはどうすることも出来ない。
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