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タイトル名 |
容疑者Xの献身 |
レビュワー |
高橋幸二さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2022-09-29 23:31:16 |
変更日時 |
2022-09-29 23:31:16 |
レビュー内容 |
石神は数学だけに熱中していれば、こんな事件に巻き込まれることはなかった。だが彼は、愛を知った。人のために泣ける心を持ち、自分のために泣いてくれる人を得たとき、彼はより人間らしくなれたのだろう。 「愛」は本来、あまりいい意味の言葉ではなかった。仏教用語では「渇愛」といい、執着する心を指す。彼が人を愛し、その人のために尽くしたいと思うとき、同時に他人には信じられないほど薄情になれる。人の愛とは、そうしたものなのだろう。 アダムとエバは、言いつけにそむき禁断の木の実を食べた。二人が最初にしたことは、不都合なものを隠蔽することだった。そして次にしたことは、嘘をついて欺くことだった。神はそれを赦さなかった。罪を犯した二人は、もう楽園には居られなくなった。 |
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