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タイトル名 |
イヴの総て |
レビュワー |
民朗さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-10-03 23:41:11 |
変更日時 |
2014-10-05 06:12:23 |
レビュー内容 |
素晴らしい。クラシカルでありながら今観ても全く色褪せない内容です。大きなテーマの一つは“野心”。誰しも持っているこの感情をイヴに託して意地悪く描きます。イヴは一見生娘の様に純粋な女でありながら、結果として大変大きな野心を持つ女だった訳ですが、その魅せ方が実に上手いです。冒頭の賞を受賞するシーンでスティルに映る彼女や、初めてマーゴと会ったときの彼女は本当に良い娘に見える。逆にマーゴの方が明らかに嫌な感じに映り、マーゴ以外の登場人物も同じように思って、どんどんマーゴの居場所がなくなっていく感覚は、ホラー映画としても十分通用する気味の悪さでした。 カレンを脅迫し始める辺りからは、遂に物語の主役がイヴに移り、その上昇志向ゆえに他人を傷つけ、蹴落としても構わない、その恐ろしい思想が描かれます。ここも前半に皆から好かれるイヴを丁寧に描いているからこその恐怖ですね。またその仮面を付けたり外したりするアン・バクスターの演技がすごいです。 一番恐ろしかったのは、最後に新たなイヴが出現するシーン。賞を受賞した後のイヴの振る舞いは、キャリアの頂点に居たマーゴとなんら変わらず、彼女はこれから若い新人女優の出現に脅かされる日々を送るのでしょう。一瞬の愉悦と、その直後に来る不安。恐ろしいものですね。イヴのコートを着て合わせ鏡に無数に映る新たなイヴは、いつでもどんな時代でもイヴは生まれ続けるという意味かなと思え、最後まで考えさせる内容でした。はっきり言ってホラー映画ともいえる様なこわーい映画でした。 |
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